表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/344

163話

主人公、出番少ないかも

ジャックたちは全速力で学園まで戻り、学園長に報告して緊急に対策として適正者たちが動員されることになった。


 牛男は現在、どうやら嗅覚とかが優れているようなのか、まっすぐ首都に向かって進撃し始めていた。


 一歩一歩が鈍足のようだが、体が大きいということは歩幅も大きいのでそこそこの速度が出ているようである。


「うわぁ・・・まじででかいモンスターだな・・・」

「元は人だったって話らしい。だが、モンスターとなっているようだ!!」

「どちらにしろ、ほおっておけばどう考えてもまずいよな」



 適正者たちは、一斉に牛男に対して攻撃を仕掛けだした・・・・・







 その頃、ジャックたちは。




「魔力を怒りのあまりに使い過ぎて、そのうえ人を抱えて全速力疾走したらそりゃ疲れるわよね・・・」


 保健室で、ベッドで目を回してぶっ倒れて気絶しているジャックを見てアンド学園長は呆れた声を出した。


 その横には、同じく全速力失踪で倒れたミヤゲもいる。


・・・適正者でないのに、ここまで速度を落とさず全速力疾走を成し遂げたミヤゲに驚嘆するべきか、ルナを抱えて走ってきたジャックの方に驚嘆すべきか一瞬学園長は迷った。



「あの・・・妹の方は大丈夫でしょうか」


 と、ミヤゲが生まれたての小鹿のようにプルプルしながら尋ねてきた。


「ルナさんはそこのベッドで寝かせているわ」


 学園長が指さした先では、ちょっと荒い呼吸をしながらも寝ているルナの姿があった。


「なにかどう考えてもよからぬことを体にされそうになったのね。ジャックも怒るわけよ」


 まあ、身体に及ぼしている薬の効果はもうすぐ消えそうだが、とりあえず寝かせていたほうがいと学園長が判断したのでここで寝かせているのだ。



 また、なぜ学園長が牛男討伐に出ていないのか?


 それは・・・・・


「魔法がどうも無効化されるようだしね」

「そんな情報がきているんですか・・・」


 戦場にて戦っている適正者たちの連絡だと、どうも魔法での攻撃が無効化されるようだという。


 また、皮膚も無茶苦茶硬くてなかなかダメージが通らないらしいとすでに学園長に報告が上がっていた。



 今は物理的な近接攻撃と遠距離攻撃ができる適正者たち主体の攻めに切り替えて、魔法を攻撃をして扱う適正者たちは治療の方に回っている。


 学園長は魔法が主体の適正者でもあるため、そこまで効果が挙げられないならいつぞやかの魔法での大砲でジャックが回復次第打ち出して送り出す予定である。


・・・・チートっぽい無敵の学園長にも、とんだ弱点があったようだ。


「魔法が無効化されているということは、私たちの攻撃も無効化されるのですかね?」


 聖剣・魔剣の姿から人の姿になったシロとクロが質問した。


 全力状態は、ジャックが魔力を流してしているので、魔法無効化だとそのあたりはどうなのだろうかと疑問に思ったのである。


「そのあたりは大丈夫よ。聖剣・魔剣の攻撃はほとんど物理だもの」


 魔法で出来た剣なら多分効果はなかったかもしれないが、まあ一応金属でできているようだし・・・・。



「とはいえ、ジャックが回復しないことにはあなたたちも戦えないわね」


 学園長が目を向けると、まだ気絶しているジャックの姿がそこにあった。


(まあ、理性的でも疲労した様じゃしな・・・・・)


 クロは、ルナを抱えてはしてっているジャック自身の心の動揺的なものも感じ取っていた。


 薬の影響か、何時も以上にルナが色っぽく見えたのが原因である。


 緊急事態とはいえ、一応ジャックだって男の子。そのあたりの根性も頑張っていたようだった。


 マスター(ジャック)の内心での苦労を思うと、どことなく同情をクロは思うのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方、牛男との戦場では…



「あーもう!!なかなか大剣が通らねぇぇぇぇ!!」

「ぶもっぉぉぉぉぉぅ!!」


 ロイスが叫びながら大剣を牛男の身体に突き立てるも・・・・


がきぃん!!


 まるで金属を切るかのように硬く、浅く傷をつけるだけで切ることができないでいた。


「何やってんのロイス!」


どごぉぅ!!


 っと、リンがメイスをたたきつけていくがこちらも効果がいまいちだ。



 

 この場にいる適正者たちで攻撃を仕掛けるも、決定的な一撃ができない。


 打撃がギリギリ効果的なようだが接近戦はかなり危なかった。


「ぐももももももっぅ!!」


 牛男が腕を振り回す。


 巨人のような大きさかつ、振り回す速度も速い。


 接近戦をしている適正者たちにとってかなり危なく・・・・


がぁぁぁん!!


「っぐぁぁぁぁぁぁl!!」

「アンベルトーーーーー!!」


 また一人、また一人と、直撃を受けた適正者たちがふっ飛ばされる。


 剣や斧などでガードはしているものの、それでもその衝撃は凄まじい。


「くっそ!!こんな図体がでかいだけのうすのろ大馬鹿牛頭野郎にここまで苦戦するなんて!!」

「ぐもぁぁぁぁぁぁっつ!!」

「挑発してどうすんのよこのばか!!」


 ロイスの悪口がどうやらしっかり聞こえたようで牛男が怒る。


 そのあたりは元人だった部分もあるのか、悪口であるとしっかり認識できているようだった。


「ぶもあかぁぁぁあ!!!」

「突進攻撃だ!!皆避けるぞ!」


牛男が怒りながら、ロイスめがけて突進を仕掛けてきた。


「師匠直伝大剣での避け方その34!!」


 あたる寸前、ロイスは大剣を真上に掲げた。


「自分を打ち上げる!!」


 地面に思いっきり大剣を突き刺したように見えたその瞬間、その大剣と地面の間が爆発し、その衝撃でロイスが真上に打ち上げられた。


 そのロイスがいた部分を牛男が通り抜けて、ロイスはそのまま着地する。


「どうよこの避け方34『打ち上げ花火』は!!てめーには予測できなかっただろうよ!!」

「ぶもぁぁぁぁぁぁっ!!」

「うわぁ、めっちゃ今のロイスの言葉で怒っているわね」

「わざと?それとも自然?」

「どちらにしても、あのどや顔を見たら怒りたくなるのもわかるよね・・・」


 うんうんと、戦闘中でありながらもその様子を見ていた他の適正者たちは同意するのであった・・・・・。



思ったよりもロイスが活躍しているだと・・・・・!?

「挑発だけの大馬鹿よ」byリン

「あれはろくでもない死に方をする人ですよね・・・・」byその場にいる適正者一同

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ