162.5話
ちょっと裏の方での話。
「・・・あら?」
ふと、学園の学園長室でアンド学園長は何か寒気を感じた。
いやな予感というよりも、何かものすごい殺気を感じたのである。
とはいうものの、この時まさにジャックがディモールト伯爵と対峙していた時であったが・・・・。
「明らかにやばい気配よね・・・・」
なんとなくだが、物凄い魔力というか力が暴走寸前ともいうべきレベルの感覚があった。
それこそ下手すれば国一つが消えるクラスの物である。
「というか、この感じはジャックの物かしらね?」
先ほど、カレンが学園長室に連絡してきており、ルナが行方不明になったと伝えてきたのだ。
一国の皇女が行方不明になるのは国家としても非常にまずい事態である。
なのでほかの適正者たちにも捜索するように通達し、自身も探知系統の魔法で探っていたのだが・・・。
「明らかに怒りで増幅されているような感じね」
・・・・実は、感情というのは結構力に関わったりする。
俗説とも言われたりはするが、それなりに影響は本当にあるようなのだ。
いい例が、ルナの姉であるミヤゲであろう。
「妹を想う気持ち」と言ってはいるが、あながち間違っているわけではないようなのである。
まあ、規格外なほどの思いがなければできないようなのだが。思うだけで出来るなら苦労はしない。
それを考えると、ミヤゲがどれだけルナの事を考えているのかと思うと、なぜか寒気がするのだが、深く考えない方が幸せなのかもしれない。
「おや?気配が消えたわね」
ふと、ジャックの怒りの気配が消えたような気がした。
ジャックが倒されたとも考えにくいし、その元凶が倒されたと考える方が妥当か。
だが、何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「学園長先生!!緊急事態です!!」
扉がノックされて、その事態を把握するのはすぐであった・・・・・。
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「おやおやおやおや?研究は少々失敗したでアルか?」
ジャックとルナとミヤゲが全力疾走で学園まで逃げているその頃、男が変貌して牛男の大きなモンスターを観察するものがいた。
その気配はほとんど消えており、誰も気が付かない。
「薬の調合を間違えたアルか、それとも体質的に合わなかったのでアルか・・・?」
ぶつぶつとその様子を見ながら、考察を巡らせていく。
「あれならば確かに適正者とも戦って互角に行けそうでアルが、まあ、失敗アルね。研究対象としても興味はなくなったし、次に行くでアルか・・・」
そう言いながら、その場を走っていく牛男を後ろに見て、その人物はその場にいなかったようにあっという間に消えたのであった・・・・・。
さて、牛男にどう対処していくべきか・・・・というか「牛鬼」とかそういう物もあったしこっちの方にした方がよかったかな。




