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161話

普段怒らない人ほど恐ろしいってね

「何をされようとしていたのかは理解できた・・・・てめぇ・・・覚悟はできているんだろうなぁっ!!」


 ジャックは怒りを燃え(たぎ)らせながら、そう言い放った。



 目の前にいるのは、ジャックにとって恋人であるルナと、そのルナに手をかけようとした外道野郎の小太りそうなおっさんである。



 ルナの拘束されている状況と、そのルナの服に手をかけようとしているおっさんと、その部屋に漂っていた薬から直ぐにジャックは何がされようとしていたのか理解できた。







・・・・・部屋に突入前、シロがルナを感知したのは首都からやや離れた場所にあった屋敷であった。



 手入れはされているようだ、どことなく嫌な予感をジャックは覚えていた。


 そして、屋敷の周囲には警護をしている雇われただけの門番のような人たちがいたが、あの屋敷の中にルナの反応があるとシロが告げたので、ミヤゲがどこからか怪しげな薬を詰め込んだ球を取り出してきた。


 そして、それを見張っていた門番たちにあてて不法侵入したのである。


 明らかに犯罪なような気がするが、ルナの身に危険が迫っているように感じられたのでこの際なりふり構わなかった。


「というか、なんでそんなものをもっているんですか・・・」

「女の一人旅というのはね、こういう物も必要なのよ」


 呆れてツッコミをジャックは入れたが、以外にもまともそうな答えをミヤゲは返した。




 屋敷内に侵入後、ジャックたちはシロの導きによってある部屋前に来たのだが、どうやら固く施錠されているようである。


 ルナが中にいるようだが、もう一人ほどいるらしい。


 この状況的に、明らかにまずい予感がした。


 なので、まずミヤゲがどこからか携帯爆弾とかいうモノを出してカギに当てて爆発させるも効果なし。


 どうもこの部屋全体が何かの金属で作られているようだった。



 ここまで厳重にされていると、予感は確信へと変わる。



 だが、この金属でできた部屋はそう簡単には入れないようなので、力づくで無理やり突破するためにジャックはある技を放った。


 過去にやってみて失敗はしているものの、メゾンとの戦いにてメゾンの物を見て確実にイメージをつかみ成功すると確信が持てる技。


 聖剣・魔剣に魔力を注ぎ込み、その一撃を放つ。



「・・・『斬撃衝撃波(スラッシュインパクト)』!!」


 その瞬間、聖剣・魔剣を振った軌跡が白い光と黒い光となって飛び出し、部屋の上部をきれいに吹き飛ばした。


 そして、中に入って、今に至るのだが・・・・・




「マスター、ルナさんを確認。薬の影響が出て来たようです」

「同じ女としてもあの男は許せんのぅ・・・」


 シロとクロの状況解析があったが、ジャックの心は物凄い怒りで渦巻いていた。



「てめぇ・・・覚悟はできているんだよな?」


 怒りの影響で、普段の言動とは違ったものになっており、ジャックのその怒りは魔力をも増価させたのかあたりにその怒りの暴風雨が吹き荒れそうだった。


「あたしの可愛い妹に何やらしいことをしようとしているのかしらねぇ・・・・」


 ミヤゲも同様に、怒っている。


 両者の凄まじい怒りの影響が点にも影響を及ぼしたのだろうか。


 吹き飛ばされた天井から見えていた青空が、みるみる間に雲に覆われ暗くなっていく。



だが、その凄まじい怒気にさらされながらも、そのルナに手をかけようとしていた男・・・ディモールトは余裕があった。


 彼には自信があった。商会でたまたま手に入れた薬があり、それを飲めばどんな適正者だろうと強者であろうとも必ず勝てるようになるというものを。



「おやおやぁ、どうやらわたしは物凄い怒りを買ったようですかねぇ」

「・・・へらへらしているんじゃないぞこの野郎・・・」

「頭がめでたいんですかね・・・」


 軽く笑うかのように話すディモールトに対し、ジャックとミヤゲは怒気と殺意を膨らませる。



「のんのん、へらへらしてませんよぅ。なぜならわたしにはあなた方に勝てるという確信がありますからねぇ」

「・・・確信だと?」


 ちょっとジャックは頭を冷静にした。


 この状況下で、なぜこうもあの男が平静さをとれるのか疑問に思ったのである。



「この薬、こいつを飲めばわたしはどのような奴にも勝てる存在になるんですよねぇ」


ごくん


「「・・・」」


 と、ディモールトが懐から何か小さな丸薬のようなものを出したかと思うと、見せびらかすのでもアンクすぐに飲みこんだ。


 何か嫌な予感がしつつも、その薬を素早く使えないようにしなかったのは、まだ冷静さが賭けていたゆえの失敗だろうか。


「この今わたしが飲んだのは強力なドーピングの様なものですがぁ、副作用はないげふぉうう!?」

「!?」



 ディモールトが言い終わる前に、彼はいきなり血を吐いた。


 副作用がないとか言い終わる前に、まともに出ていそうなのは確実であった。



「がへっつ・・・ごはっつ・・・おぼろろろろろろろろろろろろろろ」

「!!」


どごぉぅぅぅぅぅぅ!!


 ルナのそばでディモールトがいきなりおう吐し始めようとしたので、素早くジャックは間合いを詰めて彼を蹴り飛ばした。


 ディモールトはふっ飛ばされ、壁に激闘してその場でおう吐し始めた。


 様子がどうも物凄くおかしいようだが、今はルナ優先だ。


 すばやく聖剣・魔剣でルナの拘束を切り裂く。


「大丈夫かルナ!!」

「大丈夫ですわ・・・ただちょっと火照っているので、その・・」

「ルナ、お姉ちゃんがいますぐにでも慰めてあげ、」

「言っている場合ですか!!」


 通常運転にミヤゲが戻ったようだが、どうもあの男の様子がおかしい。


 最悪の事態の可能性を考え、とりあえずジャックたちはルナを抱えて屋敷から飛び出した。


 屋敷から距離を取り、その様子を離れた場所から見る。


「・・・あの男、何か薬を飲んでおかしくなったな」

「普通、試しもせずに飲むような輩ではないはずですわ。あの男は用心深く、あの薬を使う前に実験とかはしていそうなものですが・・・」

「ああ、怒っていて忘れていたけど、あれってもしかしてディモールト伯爵?」


 ミヤゲはどうやら彼の事を思い出したようである。



 話を聞く限り、物凄く用心深くしているような人物だとジャックは考えた。


 だとすると、先ほどの様子はおかしい。


 用心深くして事件した後に薬の作用がわかっているからこそ、あのように自信満々に飲むことができたのだろうが・・・青の薬を飲んだ後の様子はどう見ても普通ではない。



と、その時であった。


どっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!


「「「!?」」」


 いきなり屋敷が爆発四散した。



 その破片が飛んできたので、ジャックはルナを守るように破片を切り飛ばす。


 ミヤゲもルナをかばうかのように覆いかぶさっていた。



 そして、その屋敷の跡地には・・・・・



「なっ・・・・・!?」

「ありえるのですの・・・・!?」

「おいおい・・・・・」



「ブモヮァァァァァァァァァァァァッツ!!」


 物凄い雄たけびを上げ、屋敷から出てきたのはまるで巨人のような牛頭の筋肉質な大きな怪物であった・・・・。

屋敷から出てきたのは、牛頭の巨大な怪物であった・・・・

どうやら、あの男が変異したもののようだがなぜこのような姿になったのか

そもそも、この結果になるのが分かっていれば飲まなかったであろう薬をなぜあの男は飲んだのか

謎がありつつも次回に続く!!


・・・・シリアスっぽい感じ出てますかね?あ、ルナのガントレットは手元にないようです。

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