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16話

ちょっと長い

「・・・ん?」


ジャックが目覚めると、ベッドの中にいた。


どうやら保健室のようで、少し薬品くさい。保健室の先生はいないようだが。


時刻は夕方らしく、やや部屋は薄暗く窓から赤い光が入ってきていた。





「あー、俺負けたのか」


状況をジャックはすぐに理解した。


勝てたかと思いきや、学園長が消えて背後から当て身で気絶させられたのだ。


大方、学園長が消え、背後に現れた理由は予想できた。


おそらくだが、最初の「星の雨(スターレイン)」の時に、ジャックは光弾を避けたり、防御したりしていた。


その時に、学園長を見ない瞬間がある。


で、その瞬間に何らかの魔法で偽物をつくり、本物は姿を消して、それにジャックがまんまと引っかかった。


学園長を剣で抑えたと油断したその心をつき、その偽物を消し、本物は後ろに立って正確に当て身をくらわす。



多分、これであっている。学園長は魔法に()けているようだし、あまりおかしくはないはずだ。



「・・・って、どこが手加減しているんだよ‼︎」


あの魔法、確実に手加減していない。というか、その戦法自体が手加減しているようには思えなかった。



「体が痺れましたし、結構強かったですよ。仕返しに電撃をモノにして放てましたけど」

「あの光弾も痛かったしのぅ。まぁ、おかげで目が覚めたが」

「手加減している感じがなかったとい、・・・ん?」


今、明らかにジャック以外の声がした。


辺りを見渡すが、誰もいない。


と、ジャックが入っているベッドの布団の下に明らかな膨らみが二つあった。


今更気がついたが、なんか暖かくて柔らかい。




何となく嫌な予感がして、布団を恐る恐るめくると・・・


「お、わかったのじゃな」

「まぁ、わかりますよね」


素早くジャックは布団を閉じた。



誰かいた。布団の中の誰かいた。ジャックは未だかつてない動揺に襲われた。


ほんの一瞬だけしか見なかったが、顔が二つあった。


布団の中に潜り込んで、こっちを見る顔。どこのホラーだ。


ここまで思考したが、0.5秒しか経っていなかった。


ふと、ここでさっきの顔をよく思い出す。


適正者の誰かがふざけて入ったはないな。見たことない顔だったし。


ここまで0.4秒。


「なんですぐ塞ぐんですか‼︎」

「いきなり布団を防ぐから埃がたったではないか‼︎」

「どぅゎぁぁ!?」


そこまで頭を巡らしたところで、文字どおり布団がふっとんだ。


そこにいたのは、2人の女の子みたいな見た目の・・・って、


「おいっ⁉︎なんで服を着ていないんだよ⁉︎」


生まれたままの姿のままだった。


慌てて目を逸らしたが、ばっちり全部見えてしまった。


「あ、そういえばそうでしたね」

「そこまで気が回っていなかったのぅ」


ジャックは顔を赤くしたが、謎の女の子2人は気にしていない様子であった。





「で、誰なんだよお前ら」


とりあえず、ベッドからシーツと布団を剥ぎ取り、2人にかぶせた。


なんとかすっぽんぽんの状態からマシになった。


「ずっと一緒にいましたよ?」

「正確にいうならば、目覚めたのはついさっきじゃがな」

「いやいや、意味不明なんだが」


ずっとこんな子がいたなら気がつくだろう。それに、目覚めたってなんだよ。噛み合ってないよ。


改めて2人をよくみる。どちらも身長的にジャックと同年代ぐらいだ。


1人は清楚な感じで、肌白く、金髪青目、顔は幼いようで美人と言っていいぐらい整っている。


もう1人はなんか妖艶な感じで、薄い褐色、黒目黒髪で、顔はこちらは大人な感じで美しいと言える。


体型は先ほど見えてしまったが、肌白い方はスレンダーだが無駄のない感じで、褐色なほうはでるとこはしっかりでて、でないところはしっかり引き締まっていた。


「とりあえず何者なんだよ?」

「剣ですよ?」

「剣じゃな?」


剣・・・あ、そういえば俺の剣どこ?



ジャックは辺りをもう一度見渡すが、見当たらない。



「むう、言葉足らずじゃったか」

「私たちはあなたの剣ですよ」

「・・・はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ⁉︎」


驚きのあまりジャックは叫んだ。


と、ドアが開く音がした。


「具合はどうかしら・・・ぷっ」


学園長であった。


「学園長⁉︎」


なんか笑いをこらえているようにみえる。


「ジャック君、学園規則違反ギリギリよ」


・・・あ⁉︎


そういえば、学園内の不純異性交遊みたいなものとかには厳しい罰則が科せられるんだった‼︎


今のこの状況、どう見てもそんな風にしか見えないじゃん‼︎



ジャックがものすごい冷や汗をかくのを見て、学園長は笑った。


「ふふふふ、大丈夫よ。大体最初からやり取りは見ていたからね」

「最初からいたんかい‼︎」


学園長のその発言にジャックはツッコミをいれた。


「とにかく、その子達があなたの剣だったというのはわかるわ」

「そうあっさりとのみこめるんですか?」

「ええ、記録通りならありえるわ。そうでしょ?聖剣の子と魔剣の子?」

「子供扱いはひどくないですか?」

「あっておるが、子供扱いは嫌じゃな」


・・・え?聖剣と魔剣?この2人が?その事よりも、剣が人の姿をとるもんなの?


やっと聖剣・魔剣と気付く主人公。


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