表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/344

159話

最初はルナ視点

ガタン・・・ガタン・・・・ガタン・・・・


「・・・・・・?」


 ふと、ルナが目を覚ますと自分が何かに運ばれているようなことに気が付いた。


(そうですわ、たしかわたくしは・・・)



 ミヤゲと共に、服屋にて試着をしていたところ急に試着室の床が開いて落ちたのである。


 そして、下の方にはクッションのような柔らかいものがあり怪我こそはしなかったものの、四方から何やらガスなようなものが出てきて声を上げる間も、手で防ぐ間もなくすぐに意識を手放してしまったのであった。


 自分の状況を確認すると、まず何かの箱の中に入れられているらしく、馬車内なのかガタゴト揺れており、馬のひづめの音も聞こえる。


 武器・・・ガントレットは手元にない。


 一緒に落下したはずだが、どうやら取られたようだ。


 そして、抵抗できない様にするためか口が何やら防がれており、手足も拘束されていた。


 目隠しはされているようだが、感覚的になんとなくまでの範囲ならわかる。



 常人ならパニックになりそうな状況だが、ルナは冷静だった。


 もともと皇帝の娘・・・・つまり皇族として狙われる可能性もあるのでそのあたりの訓練は実は受けている。


 また、適正者として訓練もし、学園長のあの無茶苦茶な訓練によって精神面も成長していたのだ。


 パニックになったときが一番危ない。ならば、ここは心を落ち着かせて冷静にこの状況を分析するべしだ。


(手足の拘束は・・・解けないですわね。金属製の手錠ですかね)


 適正者言えども、さすがに素手で手錠を壊すのは難しい。


 あの試着室の仕掛けからして、適正者狙いなのか、それとも違うのかまでは判断ができないのだが・・・少なくとも、自分はどうやら攫われている状況なのはわかった。


 ふと気が付くと、少し肌寒い。


 季節的には現在夏に入ろうとしているので気温としては高く、馬車の中だとしてもそれなりには熱くなるはずだ。



 となれば、何らかの魔道具(マジックアイテム)か何かが働きかけているのであろう。


 また、あの服屋はこれまで何度も行ったことがあるため、あの仕掛けがいつできたのかは不明だが、少なくとも知られざるうちに仕掛けられたものだとすると、気が付かれないように工作されていたのならばそれなりに費用も掛かるはず。


 つまり、この状況を作り出したのはそれなりに金を持ち、なおかつ用心深い人物である可能性がある。


(・・・・もしかすると、帝国の逃げた貴族かもですわね)


 ルナは帝国の第3皇女。立場的にはうかつに手を出しては明らかに行けない人物である。


 ルナの事はすでに街中には知られているだろうし(主にジャックが原因で)、そううかつに手を出すような輩はいない。


 国際問題が発生するからね。



 ここで考えると、ふと去年の夏の事件・・・・皇帝を殺そうとした者たちが起こした事件を思い出す。


 その時に、罪を犯した貴族たちは全員処罰されているのだが、中には諦めが悪い奴や国外逃亡を図ったものがいるはずである。


 その中の貴族が・・・ルナを狙った可能性がある。



 不安がよぎるも、ジャックたちが気が付いて助けに来てくれると信じ、ルナは今何ができるのか思索にふけるのであった・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「・・・・・ん?」

「どうしたのジャック?」


 カフェでカレンと共にデザートを食べて楽しんでいたジャックだが、ふと何かよぎったような気がした。


「いや、今なんか・・・・どうも胸騒ぎがするんだよね。いやな予感というか、虫の知らせというか」

「・・・・ジャックの胸騒ぎ・・・ね」


 ジャックがそういうと、カレンはその予感が当たっていそうな気がした。


 昔からリンやロイスと共にジャックともかかわりが深かったカレン。


 なので、ジャックがかなり勘が鋭いことには気が付いていた。


 

 そのジャックが嫌な予感を感じたということは、何かが起きた可能性が非常に高い。


 また、恋する乙女としての警鐘もあった。


 恋敵が増えたとかそういう物ではなく、むしろその同等の人が危険な目に遭っていそうなそんな感じである。


「気になるが・・・一体なんだこのむ、『ル――――――ナ―――――――――――!!どこいったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅ!!』・・・・ミヤゲさん?」


 いきなりミヤゲの声が響き渡ったので、ジャックとカレンは目を丸くしてその声の方向を見た。


 みると、何かあたりを見回しながら叫んで走り回るミヤゲの姿が。


 様子からして明らかに何かが起きた感じである。



 とりあえず、事情を聴くためにいったんデートを中断し、二人はミヤゲのもとに行くのであった。



重度のシスコンと、ルナの彼氏であるジャック・・・・

あ、これ組み合わせたら最凶かもしれん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ