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157話

たまに思う、学園長ってどこまで考えているのかと

 ジャックとの試合が木刀の耐久限界によって引き分けになり、ミヤゲはルナとの同室権を得たのだが・・・・。


「ああ!!ここが愛しの(ルナ)の寮の自室ね!!このベッドに染みついた妹成分といい、この空気といい、この机といい!!本当にパゥラァダァイィスゥ!!」


 何かが振り切れたかのように感極まるミヤゲ。


 今まさに、勝ち抜いて手に入れた愛する妹の部屋での同室を許可されて、こうしてその部屋に来たわけだが・・・・。


「あふぅん」


ばたっつ


「ミヤゲ姉様!?」



 いきなり糸が切れたかのようにミヤゲが倒れ、慌ててルナがその様子を見るとミヤゲの鼻からは亜物凄い量の鼻血が出ていた。


・・・・原因、鼻血過多による貧血である。だが、どう考えても普通の量を超えているように思われた。






「ふふふ、よくやったわエイミスさん」

『興奮剤を少々やったけど・・・よかったのでしょうか?』

「ええ、問題はないわ」


 その光景を魔法で見ている学園長と、その原因を創り出した新入生であるエイミスは互に学園長室で話し合っていた。


 エイミスの武器は吹き矢。そして、その吹き矢にはありとあらゆる薬を付与することが可能である。


 そして、今回学園長に頼まれてエイミスはこっそりばれないように興奮剤を付与した吹き矢をミヤゲに撃っていた。


 一応、これはバレたら犯罪な感じだが、あくまでも寮の風紀を守るためである。



「少々精神面で危険だったしね」


 あまりにもシスコンをこじらせているようなので、夜中によからぬことをルナにやる可能性が高い。


 この寮は不純異性交遊は禁じているし、同性でも同じである。


 なので、念のためにこうして興奮剤を打ち込んで、その興奮のあまりに鼻血で貧血で倒れるように学園長は計算していた。


 そうしてしまえば、一応ルナとの同室はできるが、気力などもなくなって安全だろうと思えたからである。


「ま、今回は助かったわエイミス。今週は宿題を少なめにするように話しておくわね」

『はい、ありがとうございます』


 そう言い、エイミスは部屋から出た。



 ぶっ倒れた姉をベッドに寝かせるルナの姿を見て、一応あの様子なら当分は大丈夫かしらねと学園長は思った。


「それにしても・・・木刀が壊れてしまうほどの力って、ミヤゲさんって適正者でもないのに変よね・・・」


 あの木刀は、適正者が練習用に使用してもある程度は大丈夫なほど頑丈に作られている。


 いくらジャックと本気でやりあったとはいえ、木刀が見事に木っ端みじんというのはどうも学園長の府には落ちなかった。


「妹パワーと言っていたけど、思いで適正者並になるのは・・・・ありえないわね」


 ここで考えられる可能性が、ミヤゲ自身が適正者である可能性だ。


 だが、帝国での水晶の儀の際に適正者ではないことを確認済みである。


次に考えられるのは・・・・・


「旅先で妙なことをしたかもしれないわね」


 薬によるドーピングや肉体改造などが挙げられ、この可能性の方が高い。


 自身に自覚がなくとも、その環境によっては気が付かれないようにすることも可能である。


 念のために、ミヤゲの旅での行動記録を学園長は調べ始め・・・


「・・・そういえば、あの興奮剤ってジャックにも効くかしら?興奮すればあっちから手を出して・・・」


 ふと、思いついた可能性に学園長は腹黒く思いを巡らせるのであった。


 あの時、ジャックとの模擬戦で物凄くぼっこぼこにしたとはいえ、半裸を見られたあの羞恥心。


 ただみられるだけなら、まだしも、ジャックに見られてそういう羞恥心があったのは・・・・学園長自身はじめてである。


(もしかしたら、いつの間にか自分もジャックに惹かれたのかしらね)


 そう思うと、なんとなく頬が赤くなる学園長であった。


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「ひょぇつ!?」

「どうしたんですかマスター?」

「いや、今何か嫌な予感がしたんだけど・・・・」

「・・・そうかのぅ?むしろ妾にとってはなにか手ごわいものが出てきたような・・・」

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「・・・・ん?今なにか手ごわい相手が出たような気がする」

「奇遇ぜよね。拙者もぜよ」

「私もですのん。・・・・なんとなく、関わってはいけないひとがこう、ジャックに恋心をですのん?」


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「ん?嫌な予感がしたのですわ」

「それはあたしが妹の胸を揉みしだいて貧血を解消としている事かしら?」

「そんな方法はないですわ!!」






おや、学園長がなにやら思いついた様子

>ジャックは嫌な予感を覚えた!!

>ジャックに恋する乙女たちの勘が警鐘を鳴らした!!

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