155話
あの親にしてこの子あり・・・って言葉があったような気がする
「ダメです」
「どうしてですか!!あたしはただ可愛くて守ってあげたい妹が住む部屋に同室してしばらくここに滞在したいのよ!!」
「できたらどうするつもり?」
「そりゃもちろん、部屋いっぱいの妹臭を補充し、妹成分を確保し、妹が寝ている布団に入り込んで抱きしめほおずりし、くんかくんかすぅはぁと」
「ダメです」
・・・・デート終了後、ルナの姉の第2皇女であるミヤゲさんが、寮のルナの自室に寝泊まりすることを申し込んできたが、何処からか現れた学園長がその許可をしなかった。
学園長がいきなり現れたのでジャックたちは驚いたが、まあミヤゲさんのその変態性を考慮して許可しないのは英断だと思えた。
ルナも若干引いているし。
「そもそも、適正者たちが住む学園寮です。できるだけ健全なようにしているのですが、その変態性を入れた途端カオスになりかねません」
学園長がいつも以上にまじめであった。ん?でも学園長の無茶苦茶さを考えると・・・・ブーメランになってない?
「ぬぎゅぐぐぐぐぐ・・・・じゃあ何?あたしは目の前に可愛くて抱きしめてほおずりしたい妹が居ながら、一緒に寝たり風呂入ったりできないわけ?」
「ダメです。そもそも、学園の寮は男女完全に分かれていないので・・」
一応、学園長の監視の目が学園中にあるため変なことは学園内ではできない。
なので、学園寮も同様にできているから男女寮がはっきりと分かれていなくても、問題は起きなかったのである。
だが、その学園内にいるのは全員適正者(シラタマやシロ・クロを除いてである)。
ミヤゲさんはどうやら父親譲りの強さを持つが、適正者ではない。
適正者とそうでない人の身体能力はかなり差がある。
なので、万が一の間違いがある可能性も捨てきれないのだ。
「ならば!!あたしが強ければ問題ないのよね!!」
「いや、その他いろいろ問題があると思うんですけど」
シスコンとかシスコンとかシスコンとか・・・
「だったらルナの彼氏!!ジャックは適正者よね!!あたしと勝負しなさい!!」
「「「はあっ!?」」」
ジャックとルナと学園長はそろって驚きというか呆れた声を出した。
「聖剣・魔剣持ちで強いっていうのは聞くわ!!ならば、あたしがあんたと引き分け、もしくはぶったおゲフンゲフン勝利すれば身を守れるほどあたしは強いって証明になるのよね!!」
「ミヤゲ姉様・・・今何か不穏な言葉が聞こえたのですが」
「強いって証明にはなるかもしれないけど・・・・下手すると大怪我よ?」
「ふんっ!!『虎穴に入らずんば虎子を得ず』という昔の適正者が叫んだことわざとやらがあるのよ!!ルナのその豊かなむねゲフンゲフン、ルナの自室目当てにしたいから下手するとあたしは寮の壁をぶち抜いてやるわよ!!」
物凄く燃えるミヤゲさん。
もはや、学園長でも止められないような気迫で、その場に居合わせた全員を後ずさりさせるほどであった・・・・。
ここで作者自身疑問に思ったんだけど、ここまで妹が好きならなんで家出したのかな?めったに会えなくなるような気がするし・・・・。




