15話
初まともな戦闘シーン、未熟ですが。
とにもかくにも、学園長との模擬戦をやらされる羽目になった。
学園長は手加減してくれるそうだが、ロイスの様子からして手加減のつもりで本気でやっていないかという疑惑が・・・。
「では!!始めっ!!」
パァァァァァン!!
ゴリアン教官が開始の合図として両手を打ち鳴らす。
鳴らす必要あるのか?
まずは先手必勝、学園長が魔法を唱えるまでには隙がある。
魔法を使う相手ならその隙を狙うのが鉄板だ。
まぁ、ゴリアン教官の場合は肉体を生かして避けたり、攻撃したりしてきたので例外みたいな人だが。
身体能力は水晶の儀で上がっているため、素早く接近する。
「『星の雨』!」
だが、学園長の方がジャックが剣を向けるより早く魔法を唱え終わる。
その瞬間、大量の光弾が出現した。
入学式の時に比べて、数が多く、大きさも人の頭ぐらいである。
それらの光弾が雨のようにジャックに降り注いだ。
「早いだろ⁉︎」
入学式の時に比べて、魔法を唱え終わるのが早い。おそらくまだ手加減されているように思えたが、かなり強化されていた。
慌てて立ち止まり、避けられるものは避け、無理なものは左右の剣で防ぎ、弾き、切り裂く。
というか、死ぬ気でやらんとやばい。手加減しているのかと疑問に思うぐらい。
ジャックは必死になってなんとか光弾が途切れるまで耐え切った。
だが、学園長は無情にも次の魔法を用意していた。
魔法を使う人は、先に時間稼ぎになるような魔法を使い、それを相手が防御している間に強力な魔法をさらに唱える。
そのことを、授業で適正者の戦い方「魔法使い編」で習ったことを思い出した。
つまり、今学園長が繰り出そうとしているのは先ほどより強力な魔法。
「『雷の舞』!」
「雷系魔法⁉︎」
要は触れたら感電する魔法の中で強力な魔法。
剣だと持ち手の部分が絶縁体でない限り通電してしまう可能性があるので、うかつに防げない。
空中に魔法陣が現れ、そこからまるで踊り狂っているような雷がいくつも発生した。
先ほどの魔法に比べるとまだ避けやすいが、直撃したらやられてしまう。
(まてよ、雷か)
ジャックはふと、戦闘中に思いついた。
剣を片方地面につきさし、自身を地面に伏せた。
途端に踊り狂ってきた雷が迫ってきたかと思うと、地面につきさしていた剣の方に直撃した。
他の雷も同様である。
その光景に見ていた誰もが驚いた。
地面に伏せているジャックを狙うのだが、雷は剣をめがけてしまう。
つまり、剣を避雷針にして雷を避けたわけであった。
    
魔法によって生み出された雷だが、性質は自然界で普通に発生するものとおなじだったようである。
「よし!思った通り・・ん?」
雷が止み、また学園長が魔法を撃つ前に攻撃しようとした時だった。
避雷針代わりにしていた剣だが、普通そのまま地面に放電されるはずである。
だが、剣の刀身には電撃が残ったままである。
持ってみるが、持ち手の部分までに電撃はこない。
「理由はわからないけど好都合‼︎」
そのまま剣を引き抜き、電撃が残った状態で振りかぶると電撃がそのまま学園長めがけていった。
さすがに予想外だったのか、学園長は慌ててさけた。
だが、慌てたので体のバランスを崩し、倒れる。
すぐに 起き上がろうとした学園長に、ジャックは素早く接近し、首筋に剣をあてた。
「・・・どうですかね?」
「・・・ふふふ、さすがに予想外の戦闘センスだよ。まさかあんな形で魔法を防ぐなんてね」
このまま降参してくれれば楽なのだが、学園長は不敵な笑みをたたえた。
「でも、まだまだおしいよ」
「へ?」
剣を首筋にあてているから動かないと思っていたが、いきなり学園長の姿が消えた。
突然消えたので、素早く見渡そうとしたジャックだったが、首に衝撃があり、意識を途切れさせた。
「その場にいたのが本物とは限らないのよ」
意識が途切れたジャックの体を学園長が支えた。
あまりにもあっけない模擬戦の終わりと、いったいどうなっているのかという不思議さがある、その場にいた全員が呆気にとられたのであった・・・。
学園長が消え、また現れたそのトリックとは?
また、メタいですが読者とその他関係者が知っている、剣に吸収能力があるのに、なぜ剣に電撃が残っていたのか?
その説明は次回に続く‼︎
ついでにキーワードの擬人化のようなものあるかもしれない‼︎(あくまで予定)
こんな後書きも面白いかな?




