閑話 ギアス帝国での皇帝
かなり久々に出番を得たような気がする
ギアス帝国のレント=ギアス皇帝は、現在帝国が戦争を仕掛けている国との戦況の報告を聞いていた。
「ふむ、思ったよりも戦況は悪くないな」
「はっ、わが軍は今のところ被害も少なくはありませんが、それでも大体進撃できております」
念のため、皇帝直属の諜報部隊にも調べさせたが情報に間違いは見られなかった。
できるだけしっかり正確に報告させるようにしており、不正や隠蔽がないようにしているのだが、帝国軍の人数は多いので、不正をしようとする輩も出る。
それを防ぐために諜報部隊も派遣してはいるのだが、特に問題は見られないようであった。
「このままのペースで行くならば、秋までには戦争は終了し無事に属国に出来るでしょう」
「だが、このあたりの部隊の人数が不足している。ここは今現在出番が少ないこの部隊を回せ。その分の報酬も上乗せしておくのも忘れずにな」
なお、戦争中とはいえブラック企業のように過酷な環境にしないようにも一応配慮はしておく。
一部隊のみで攻めるのではなく、いくつもの部隊で組んでローテーションし、戦場の後方で疲れを癒させるのも戦法だ。
また、捕虜たちもそこまで苛酷にはせずに、帝国側に着けば好待遇をしてやるなどの搦め手も忘れない。
しばらくどのように戦場を動かすのか話し合った後、皇帝は自室に戻った。
そして、そこからいける隠し部屋にて、現在王国に留学中の娘からの手紙を読む。
「なるほど、結局学園長の訓練は免れることができたと」
ここ最近の事だが、中々面白いことになっているようだ。
「ふむ、ジャックと学園長の戦闘だったが、学園長が引き分けと言って結局無しと言ったのか。かなり強くなっているようだな・・・」
昨年の夏に出会った友を思い出し、強くなっているのだなと思う。
「そして、現在交際中だが他にも交際関係ありと。ルナを嫁にすれば皇族に入れるわけで多重婚はできるが・・・・・絶対に正妻にせねば許さぬからな」
一応、ルナが嫁に行くのは良い。
だが、正妻にしないと自ら殺しに向かおうと皇帝は思った。
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「ひぃ!?」
「どうしたのですかジャック?」
「いや、いまなーんか物凄い寒気が」
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「にしても、交際は清き関係のようだが・・・・」
このペースだと、結婚をするのは学園卒業あたりかと皇帝は思う。
だが、ルナの現在の学園での扱いは留学生。ここは正式に学園の生徒にしておいたほうが良いのではないかと画策を練っておく。
「それにしても、我が娘が巣立っていくのは早いな・・・・」
ふと、壁にかけられている肖像画を見る。
皇帝として厳しくあるのだが、一応父親の身。
こうして娘からの連絡があるのはうれしいことである。
一応皇子もいるが、父親の気持ちからすれば娘の方がうれしかった。
「しかし・・・・あとの二人からの連絡がほとんどないのが不安だな」
・・・・ルナの身分は第3皇女。
そして、その上には第1、第2皇女・・・・つまり、ルナの姉たちがいるのだが現在帝国にはいなかった。
第1皇女は現在、帝国の属国にある国の王と結婚しており、政略婚のようだが実は真面目な恋愛結婚である。
現在も恐ろしく甘い生活をしているようだが、手紙を出してくることはほとんどなかった。出してきてもものすごく甘い文章だったが。
そして第2皇女・・・現在18歳なのでそこそこ年齢的にはそろそろ結婚を考える年なのだが、城での習い事などに反発し、どこかへ逃亡。
どうやら各地を旅しているようで、たまに手紙が来る程度であった。
適正者ではないはずだが、どうも自分の強さも引き継いでいるようで体目当てに来た盗賊たちをもぼっこぼこにしたという連絡まである。
とりあえず、ルナに返事として今年の夏はまた帝国に戻ってくるようにと手紙を書くのであった・・・・
次回から新章です




