151話
本日2話目
主人公、やはり逃れられず
模擬戦?
ジャックVSアンド学園長・・・・・
「って、さすがに勝てそうにないんですけど!!」
「ふふふ、久々の生徒との戦闘ね」
ジャックは叫んだが、学園長は聞く耳なし。
意気揚々と、自身の武器である杖を取り出し構える。
「そうそう、ここでもしジャックが勝利したら、ここにいる全員今日から1週間は宿題無しにするわよ」
「え、負けた場合はなんですか?」
「逃げたり、負けたりした場合はそうね・・・・1週間学園長お手製地獄の戦闘訓練漬けを、この場にいる全員にするかしらね?」
「「「「「「え!?」」」」」」
その瞬間、その場にいた全員の顔がものすごく青くなった。
入学式の時の学園長の無茶苦茶ぶりを覚えている1年生たちはもちろん、ジャックの他に学園長の訓練を受けていたメンバーたちにとっては地獄というか、巻き込まれ損である。
「ジャック!!絶対勝利してですわ!!」
「模擬戦だからとはいえ、相手は学園長だから本気で頼む!!」
「死ぬことになるのよ!!」
「巻き込まれぞん」
「絶対勝つぜよよ!!」
「流石にその訓練は死にますですのん!!」
「「「「「先輩どうかお願いいたします!!」」」」
全員の心がその時、ジャックの勝利へと祈ることに一致した。
「これもう負けられないんですけど・・・・。シロ、クロ、お前らも覚悟は良いか?」
「大丈夫ですよ」
「流石に負けたくはないのぅ」
シロとクロ・・・・聖剣・魔剣をジャックは構える。
「今回は審判はいらないわよ。どちらかが降参するか、気絶するかできまるからね」
にこやかにそう言った学園長。
物凄く寒気しかしないが、これは模擬戦とはいえ本気じゃないといろいろまずい。
「それでは・・・・試合開始よ!!」
「先手必勝!!」
学園長が開始の合図を自ら言った瞬間、ジャックは全力の「疾風切り」を繰り出す。
学園長の攻撃の主体は魔法。
魔法を使う適正者のほとんどが当てはまるのは、その魔法を発動するまでの詠唱の長さだ。
物凄く強力なほど詠唱は長く、威力が低いほど短いのが大抵である。
まあ、学園長のお得意の「星の雨」などは詠唱がやや短いが、それでも唱え終わるまでの隙があるのは間違いない。
なので、一気に決めるべく超加速して斬りかかったのだが。
だが、さすがにそこまでは甘くなかった。
「ふふふ、甘いわよ」
学園長はそうつぶやき、超高速で迫ったジャックをかわした。
「なっ!?」
「軌道が見やすいからね。そのあたりが改善点かしら?」
そうつぶやきながら、素早く詠唱をし終えたようである。
「ちょっと初級の『火炎弾』」
ドォン!!
打ち出されたのは、スイカほどのサイズの火の玉。
本来なら握り拳程度のサイズなのだけど・・・・
「どこが『火炎弾』なんだよそれ!!」
剣で切り裂き、何とか二つに割って直撃を避ける。
初級と言われても、これ明らかにそれ以上なんですが。
なお、念のために周囲にいた全員は校舎内に避難。巻き込まれたらまずいのは確定である。
そうこうしているうちに、学園長の次の魔法が次々と打ち出されてくる。
短い詠唱程度で済んでかつ高威力へとなったものばかりだ。
「さすがにこれはひどいだろ!!」
「マスター!!今は耐えたほうが良いです!!無駄な魔力消費を避けましょう!!」
「魔法を使う相手には、その魔力が切れるまで待つのが正しいのじゃ!!」
「あら?持久戦は無駄よ?」
その会話が聞こえていたのか、学園長が会話に入ってきた。
「私の魔力回復量は、この魔法に使用している魔力量を上回るのよ。だから」
「尽きないって言いたいんですか!!」
ならば、ここは接近戦に何とか持ち込んだ方が得策だ。
「せぇいやっつ!!」
「ふふふ、接近戦も平気よ」
キィンッツ!!
「!?」
学園長の杖に、ジャックが降り下ろした聖剣と魔剣が受けとめられた。
「魔法を使う適正者でも、近接戦闘位はたしなんでおかないとだめなのよ」
「いや、さすがにいろいろむりありますよね!!」
剣戟を繰り返し、学園長は杖で見事に聖剣・魔剣と渡り合っている。
伊達に年齢が3桁行っていないらしく、戦闘経験も物凄い様だ。
学園長がバックステップで後ろに下がり、すぐに魔法を使用する。
「~~~『拡散光弾』!!」
次々と生み出されてくる光弾が襲いかかってくる。
キィンガィンキィンガィン!!
聖剣・魔剣で弾き、切り裂き、かわし、いなし、受け止め、ジャックは根性で魔法の連続を耐える。
「このままだと負けるな・・・」
降り注ぐ魔法の雨あられ。
しかも、こうして何とかしている間にも、学園長はすぐに詠唱をして魔法を変えて襲ってくる。
「一撃一撃はまだ軽いですが・・・・弾幕で押されてます」
「一撃にかける魔法を分散しておるようじゃし、その分数も増えてやっかいじゃ!!」
シロとクロが冷静に解析するも、この状況は押され気味だ。
「こうなったら一気に最大火力をぶつけたほうが良いか・・・・?」
数で攻めてくるならば、質で攻めればいい。
「とはいっても、さすがにこの弾幕を振り切る分の火力を出すには相当な魔力消費ですよ!!」
「現時点での成功確率は中途半端な状態じゃ」
「だけどな、負けたらまずいだろ!!」
さすがに1週間学園長お手製地獄の戦闘訓練漬けは死ぬ自信がある。というか、確実に死ぬ。
そもそも、ここで負けてその特訓を受けたら余計きつい。
「一か八か、一気に最大出力だ!!」
「「了解」」
一気に聖剣・魔剣にジャックは全魔力を流し込む。もはや模擬戦を超えているような気がするけど気にしない。
ゴォォゥッツ!!と聖剣と魔剣の輝きが強くなり、その力が最大になったのを感じさせた。
「でりゃぁぁぁぁぁっ!!」
ザンッツ!!と切り裂き、まずは魔法の弾幕を一気に切り裂き進む。
「!?やるわね!!」
学園長がそのことに気が付き、魔法をさらに増やす。
水流、火炎流、電流など様々な物が増えたけど・・・・もはや関係ない。
「ちょっと久し振りの魔剣投げ!!」
全力状態の魔剣を学園長に向けてジャックは投げた。
強く黒く輝く魔剣が魔法を切り裂いて学園長のもとに到達する。
「そうはいかない!!」
学園長はその軌道を見て、横にかわす。
だが、その動きこそジャックの狙いだ。
その動きこそ、一瞬だがジャックの姿を学園長の視界から逃れさせる。
「っ!?」
そのことに素早く学園長が気が付いたが、魔剣を投げた場所にはすでにジャックはいなくなっていた。
この弾幕は横に広がっている。ならば、聖剣一本だけでも逃げられるのは・・・
「上ね!!・・・違うっ!?」
聖剣で使える「白き翼」で上に飛んで攻撃してきたのかと思いきや、上空にはいなかった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「下っ!?」
地響きがして、そのことに気が付いたがもう遅い。
「どりゃぁぁぁぁっつ!!」
「つぅっ!?」
地面からジャックが飛び出してきて、それと同時に吹きあげた何かによって学園長は吹き飛ばされた。
実は、かなり力づくなことをジャックは行っていた。
まず、「白き翼」使用分の魔力を思い切って指向性を持たせて地面に噴射。
そしたら、足元に大穴ができたのでそこに落下。
そのまま落下して、壁を蹴って学園長がいる方向に剣を突き刺し同様に魔力をぶっ放す。
そのあとは剣で無理やり根性で掘り進んで・・・もとい切り進んできたのであった。
剣を剣とは思えない方法で使用してはいるが、さすがにこれは学園長も驚いた模様。
ジャックが出てくると同時に学園長が飛ばされたのは、あまりにも高速で地面が掘られたのでそこに空気が入り込んで、さらに剣で無理やり掘るというよりも切って進んできたのでその斬撃も飛び出したのである。
いわば、衝撃波の様なものもあったのであろう。
ジャックは地面から出てすぐに魔剣も回収し、学園長が体勢を立て直す前に、素早く目の前に聖剣・魔剣を突きつける。
「・・・・どうですかね?」
「ふふふ・・・やるわね」
飛び出した勢いであたりには土ぼこりが待っていたが、その土ぼこりがおさまって・・・
ハラリ・・ ハラリ・・・ ハラリ・・・・・
「あら・・・・・!?」
「!?」
晴れた瞬間、学園長の姿がはっきりしたのだが、少々まずいものになっていた。
・・・・原因は、吹き飛ばした時に発生した衝撃波とでもいうべきもの。
その衝撃波の中には、ジャックが地中を掘り切り進んだ斬撃も混じっていた。
空気を切り裂き、いわばカマイタチのようなものが発生していたともいえよう。
学園長を吹き飛ばしたものの、どうもそのかまいたちの方は威力が低かったようで、衣服のみを切り刻んだようだ。
そして、その下にあった下着も少々切り刻まれていたので・・・今の学園長の格好は・・・・
・・・・そのすぐ後に、何が起きたのかはジャックはよく覚えていない。
ただ、学園長は普段は大人な女性の態度を取ってはいたが、その実物凄く純情なところがあったようで、物凄く顔を真っ赤にしてぼっこぼこにされたという事だけは言えよう・・・・・・。
まあ、そのすぐ傍らにいた聖剣と魔剣・・・シロとクロはしっかりとその様子を見ていたが、さすがにものすごい学園長による攻撃で一緒に気絶しました。
意外にも 学園長は 乙女です byジャック、シロ クロ
素肌をね 見られて走る 羞恥心 byアンド
・・・少々字余り。そして、何かフラグが立ちそうです。




