146話
模擬戦だけど、人数的に余りが出そう
模擬戦
ミツVSキヨ
「先輩も祖国は同じでごじゃるね・・・・」
「拙者としても、同郷のものと戦えるのはうれしいぜよ」
組み合わせとしては、同じジポン出身者同士ということになったんだけど・・・・・
「なんか、ミツのテンションがいつもより高そうなんだけど・・・・・」
「キヨもなんか高いですよ・・・」
どうも、同郷の者同士ということでテンションが上がっているようである。
「二人とも、一応模擬戦だから命をとるような真似はするなよ?」
一応ここは学園の校庭内。
大けがしても、校庭外へ出れば無かったことになるのだが、さすがに命をなくして意味がないのである。
というか、かたやクナイ、かたや刀・・・・・近接戦闘だけならミツの方が有利そうだが・・・・・。
「では、両者とも模擬戦はじめ!!」
ロイスが珍しく審判をすることになり、模擬戦の合図をした。
万が一の時は抑える役目をするのだが・・・・まあ、ロイスなら簡単には死なないだろうという判断である。
「いくでごじゃるよ先輩!!」
「どこからでもかかってくるぜよ!!」
まず、素早く動いたのはキヨだ。
一瞬で間合いを詰めたかと思うと・・
「なっ!?」
ミツがみねうちで斬ろうとした瞬間、キヨの姿が消える。
「せやっつ!!」
「なんの!!」
キィンッ!!
いつのまにか背後に回っていたキヨだが、ミツは素早く身体をひねって受け止める。
「早いぜよな・・・」
「ミツ先輩こそ、素早く反射して動けるなんてすごいでごじゃるよ」
そのままキヨは素早い動きで四方からクナイで斬りかかる。
かなり素早く、ジャックの「疾風切り」よりも早いように思えた。
ここまで素早いのは、キヨ自身が母親からどうもシノービのくノ一の訓練を受けていたことが原因らしい。
それでもともと素早かったところに、水晶の儀によって適正者は身体能力も上昇するのでさらに早くなったそうな。
ただ、早いだけではミツにとっては不足はない。
すばやく動けていても、反射的に素早く予測して受け止めている。
それに、一打一打のクナイの攻撃が軽めなのも原因だ。
「決定打がないぜよ・・・・これはそもそもそのくノ一の能力事態が戦闘向きではないからぜよね」
「ありゃ、やっぱりばれていたでごじゃるか?」
そもそも、ジポンではシノービは暗殺業・・・・つまり、戦闘特化というわけではない。
影から襲い、人知れず暗殺する・・・・それが本来のシノービだが、こうしてまともに戦闘するとその真価は発揮できないようだ。
奇襲攻撃などが妥当なところなのだが、ミツ自身すきがなく奇襲もできていないようす。
そして、ミツの方は剣士。
こちらは元々戦闘に対してむいているので対人戦ではこちらが有利なのである。
こういった不利・有利となった組み合わせだが、別にいじめとかそういうものではない。
そもそも、モンスターとの戦闘に立て同じようなことがある。
あらかじめそういうことを経験しておくことによって、いざという時に対処出るように今はこの組み合わせがされているのである。
キィィィィィン
キヨのクナイがはじかれて、地面に突き刺さり、ミツの刀が首もとに添えられる。
「参ったでごじゃる」
降参が出て、模擬戦はミツの勝利となった。
「ふぅ、それにしてもなかなかの素早さぜよな。結構ヒヤッとしたぜよ」
「いえ、先輩には見抜かれていましたからまだまだ精進が足りませんでしたでごじゃる。もっと鍛錬をして、いつかは勝利を願うでごじゃるよ!!」
「うむ、こちらこそ受けて立つぜよ!!」
互いに称賛しあい、がしっと手を取りあう二人。
どうやら友情が生まれたようであった。
「次はだれがいく?」
武器の相性って結構あるからな・・・・・




