145話
本日2話目
学園長に呼び出されたその日の午後、ジャックたちは校庭の方にいた。
ジャック側のメンバーはまずはもちろんジャック、次にルナ、ミツ、ヨナ、カレン、リン、ロイス。
で、学園長の誘導によって連れてこられた適正者の後輩たちが・・・・・。
「クナイ、パイルアンカー、戦車、吹き矢、鉄籠の武器って言うからどんなのかなと思っていたけど・・・・」
目の前にいる後輩の適正者たち・・・・・。
「所持武器『クナイ』のキヨ=カゲマサでごじゃる」
まず、クナイの武器を持っているのはミツの故郷でもある「ジポン」の職業の一つ、「シノービ」とやらというモノの中の「くノ一」とかいう恰好をしていた。
一応人間らしいが、先祖に魔族が混じっているらしくその血のせいか気配を隠すのがうまいらしい。
もともとジポンで生活していたそうだが、両親の職探しのために10年ほど前にこの国に引っ越し。
で、今年15歳になって水晶の儀を受けてこのような適正者になったそうな。その着ている服は、母親の方のお下がりらしいけど・・・・。
「ミツ、シノービってたしか・・・・」
「・・・・暗殺業部隊ぜよ」
ただ、それは影の職業と言われているらしく、最近では不人気職なのだとか。
身長的には小柄だが、ミツと同じような黒髪で、ポニーテールのようだがその伸ばしている髪の長さが身長とほぼ同じぐらいながい。というか、語尾かんでない?
「所持武器『パイルアンカー』のレッサー=パダです。先輩方今日はよろしくお願いいたします」
こちらはパイルアンカーというのが武器の魔族の熊の獣人の少年だ。
種族としての体の大きさと、持っている武器の凶悪感がすごい。
殴って固定した後、更に一撃として鋼鉄・・・・いや、成分不明の金属の棒が勢い良く突き出してくるというモノである。
武器の外見としては、ルナのガントレットを薄くして、上側の方に何やら金属の棒を固定している感じである。
突き出す際には、瞬間的に魔力を流して爆発するようなものらしいからそこまで連続で使えるわけではないらしいが、それでも相当な破壊力を持つ。
「一応、趣味はガーデニングですけどね」
なんか意外だと一同は思った。
「所持武器『戦車』のトリン=ガトールや。先輩方よろしく頼みまっせ」
「いや、その引きこもられている状態だと姿見えないんだけど・・・・」
戦車に引きこもっている適正者とはこれまた珍しい。
なんでも、水晶の儀で出てきた際に試し乗りして見たら意外と快適だったのでそのまま住み着いたのだとか。
そして、現在引きこもり生活を楽しんでいるのだとかいう。
「ほら、学園の規則で武器は基本所持やろ?うちの戦車はでかいからなぁ、寮の部屋に入らんのや」
「そこで、この子は学園の車庫の方に住み着いているのよね・・・・」
学園長も困り顔。
ちなみに、座学時にはさすがに出てくるそうだが、それ以外ではこうして引きこもっているんだとか。
「うちはちょいわけありでな、魔族と人間のハーフなんやが・・・・」
その魔族の血の方が問題らしい。
魔族「吸血鬼」の父と母の間に生まれたのだが、中途半端に受け継ぎまくって昼間でも普通に出歩けるのだが物凄く速く日焼けをしてしまうんだとか。
「それでな、日焼けしたてってかなり風呂がしみるやろ?うちは風呂が大好きなんやが、それが辛くて・・・」
で、日中完全引きこもりがここに爆誕したという。
「いやー、ほんまにこの武器が出てよかったわー。これで日中でもこの中におれば防げるやもん」
というわけで、姿は見れないんだが納得はできた。
『所持武器「吹き矢」・・・・・・エイミス』
もう一人は人間の少女。髪の色がちょっと金髪で、肌白く、どことなく病弱そうに見えるんだけど・・・・。
「なんで筆談?」
何やらホワイトボードのようなものを持って筆談している。
『声・・・・出ないの』
なんでも、昔は普通に声が出ていたそうだが両親の虐待を受けたときに喉をつぶされたらしい。
そして、その後両親によって売り飛ばされそうになったところを命からがら逃げて孤児院に入ったらしい。
その後、両親が追いかけて来たそうだけど様々な犯罪を犯していたらしくその場で御用・・・・重い。
『でも・・・・息は出るから武器は使える。この吹き矢・・・・・思い通りの薬をつけて飛ばせる』
普通に強力な毒薬から、眠り薬、痺れ薬などさまざまらしい。
『惚れ薬は・・・・無理だよ?』
「なんで俺の方を!?」
ロイスの方を見たかと思うと、物凄く残念そうな顔でそのことを書いた。
後輩にまで言われるのかロイスは・・・・・・・。
「所持武器『鉄籠』のアイン=ルーメでス」
「鉄籠?」
いまいちわかりにくい武器である。
アイン自身は普通のボーイズカット風の髪形の、ちょっと男の子に見えるけど女の子らしい。
華奢な体つきで、スレンダーともいえるけど、その手に持っている武器が変わっていた。
なんかこう金属製の籠のようなものだが・・・・2つほど半分に分かれてあわせて人一人ぐらいのサイズ?
「こういう感じに使うンですヨ」
ちまちまなまりが入っているのか発音がおかしいところがあるけどわかることはわかる。
で、アインが何やら大きな鉄籠に自信の身体を入れたかと思うと、籠をそのまま閉じて丸い球体の様な感じになった。
「なるほど・・・中に入って自分からあたりに行く特攻の様な感じか」
「はイ、トゲなんかも任意で出せテ、転がって攻撃トかや、飛んで体当たりなドあるんでスよ」
・・・・凶悪そうかも。
いつぞやかの学園長のあの大砲みたいな感じで人が飛んでくるようなものか・・・・・砲弾として。
しかも、内部から思い通りに動かせるらしいので、一度狙えば自動・・・というか自分から動いて体当たりしてくるってことか。
まあ、だいたいそれぞれの自己紹介が終わったところで、ジャックたちはそこからまずは模擬戦を行うことにしたのであった。
今回は新キャラが一気に増えたかな?
名前を考えるのが大変なんだよね・・・・・あとその見た目。
出身地などは後々まとめて出す予定。




