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聖剣と魔剣に選ばれてしまった俺はどうしたらいいのだろうか?  作者: 志位斗 茂家波
帰還・そして対魔勇団を壊滅させたいで章
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閑話 月夜の夜に2

お久しぶりのシロクロコンビ回

ちょっと考え事が多いかな。

「・・・・いよいよ明日から新学期ですよね」

「マスターも2年生になるんじゃな」


 綺麗な月が出ていた夜、シロとクロの二人は寮の屋上に上って眺めていた。


 今日は綺麗に晴れており、夜空の星々もきれいに瞬いている。


 そして・・・・


「だいぶこの姿になれるようになってきましたよね」

「力がもうだいぶ戻ってきたのじゃ」


 屋上の二人の姿は、本来はジャックたちと同じぐらいの歳の少女のはずなのだが、今の姿は成長した大人の女性の姿になっていた。


 この姿こそが、本来の聖剣・魔剣の人の姿の姿・・・・・勇者と魔王がいた時代の姿である。


 力が戻ってきていたために、この姿になれる時間も伸びてきていたのであった。


 ただ、いつもの姿になれないわけではないのでまだジャックにはその姿を見せてはいないが。


・・・あと、服のサイズが元の姿のままだったのでぱっつんぱっつんで半裸に近いからというのもあるが。さすがに羞恥心も成長しているようであった。最初にジャックに人の姿で会った時は、裸だったことを思い出すと恥ずかしくなって穴があったら入りたくなるレベルまでは。


 いつか、マスターであるジャックが大人になったときか、この姿のまま維持できるようになったときまで見せないつもりである。


「にしても・・・・依然としてメゾンの気配は感じませんよね」

「うむ・・・妾たちと同じような気配というのはわかっておるのじゃがのぅ・・」


 対魔勇団を創り上げ、そのリーダー格でジャックの命を狙っていたメゾン。


 対峙した時に、その正体がシロとクロと同じような、剣が人の姿をとった存在だとわかったのであるが、なぜか剣と分離できていたのが不思議であった。


「そもそも・・・・私たちが何でこうして人の姿になれているのかってこと自体が謎ですけどね」

「普通になっておるからのぅ・・・・気が付いたら帯刀されていたし、いつからこうして妾たちの自我があったのかもはっきりせんしのぅ」

「そうですよね。私も気が付いたら自我がありましたし・・・・」


 自分たちはいったいどこからきてなんでこういう物になっているのか?


 その答えは出ない。


「私達・・・適正者の武器って何ですかね?転生してもその主であるマスターのところに行きますし・・」

「モンスターに対抗できるのが適正者の武器という時点で疑問に持つべきかもしれぬな」


 普段、使用されている武器側の立場からでも、そのことに関しての疑問がある。


 なぜ、適正者がモンスターと渡り合えるのか。


 なぜ、武器というものがあるのか。


 なぜ、水晶から顕現できるのか・・・・



「考えれば考えるほどわからなくなりますよね・・・」


 頭を抱え込むシロ。クロも同様である。


「まあ、その中で最もでかい謎は妾たちのような意志を持った武器じゃがのぅ・・・」


 それが一番の謎であった。というか、メゾンも同じようなものだとすると・・・



「そもそも、誰が(、、)何のために(、、、、、)武器を(、、、)作っている(、、、、、)ですかね?」

「生みの親ってことかのう?・・・それはわからんのじゃ。勇者や魔王がいた時代からはるかに時間がたったこの時代でさえも、わからぬ事じゃからのぅ・・・」


 武器自体の材質などは様々な文献からも、今の適正者たちが使っている武器からも調べ上げることはできる。


 現段階では確実に作成不可能な金属などもあり、再現することができないのだ。


 壊れたとしても、水晶にかざせば復活した状態で顕現し直すし・・・。まあ、武器が壊れるっていうのはほとんどないことではあるが。



「考えるともうわからなくなってきましたよ・・・」

「そうじゃな。もうきりがないし・・・・そろそろ部屋に戻るかのぅ」





 寮のジャックの部屋に二人は抜き足差し足忍び足で、ジャックが起きないようにそっと入った。


「・・・マスターはまだ熟睡してますよね」

「こういうところは魔王様と同じかのぅ・・・」

「勇者様も同じでしたよ」


 二人にとってジャックは今のマスターでもあり、前のマスター(勇者と魔王)の生まれ変わりでもある。


 こうしてみると、類似点がよくわかるのだ。


「・・・・本当に、私たちにとっては大切な方ですよね」

「そうじゃな、妾たちを武器としても扱い、人としても扱う。愛しい方じゃ・・・」


 自然と、その顔を見ていると二人は微笑んでしまう。


 愛しいような、大切なような・・・・そんな感情がある。


 自分たちは人でも魔族でもない、ただの武器という存在だ。


 だが、こうして仕えるべき主がいることが、何よりもうれしいことである。


「・・・そういえば、メゾンも私たちのような存在だとしたら、彼か彼女かいまいちわかりませんでしたけど、武器として存在するならばその主である適正者もいるはずですよね」

「じゃが、あの場にはいないようじゃったし・・・仮に主がいない武器だとしても、この世に存在ができぬはずじゃ。適正者の武器というのはそのようなものじゃしのぅ・・・」


・・・・適正者の武器は、所持者である適正者が死ぬとこの世から消える。


 その存在そのものがなくなるわけではなく、どこかの空間に入り、次の所持者が出るまでそこで眠りにつく。


 つまり、その所持者がいない限りはこの世に顕現できないはずなので・・・・。


「そのあたりが本当にわかりませんよね」

「そうじゃな。あの『半分正解、半分間違い』という言葉も気になるが・・・・。まぁ、今はそのことを気にせずに寝るのじゃ。考えても仕方があるまい」



 聖剣・魔剣の姿に戻り、こっそり部屋から出て行っていた形跡を残さないようにする。


(今は、こうして仕えるべき人のそばに入れることが私たちにとっての幸せ。マスターは、主でもあり・・・・愛しい存在)

(妾たちにとっては使ってくれる存在というのは愛しいのじゃ。過去に魔王様にも迫ったことがあったが・・・・まあ、今更考えると恥ずかしいような迫り方もして居ったような・・・・)

(・・・なにか羞恥心に悶えていませんか?)


 寝ようとしたら、過去に魔王に対していろいろ迫ったことを思い出してしまって、今更育ってきた羞恥心によって悶えたのであった。


 数秒後、シロも同様の事になったのは言うまでもない。

次回からいよいよジャックたちは2年生へと進級。

後輩の適正者たちも出てきますよ。今年は何人の適正者が出るでしょうか・・・・。

そして、2年生になった彼らにはどのようなことが待ち受けているのか。

次回に続く!!


・・・・一応予告しておきますと、2年生編としてやる予定ですが、1年生の時には少なめだったモンスターに関しての話が多くなります。というか、本来適正者としての仕事で考えるならばそっちがメインだったんですけど・・・・。

討伐関連になるのですが、ご希望のモンスター討伐というのも受け付けますので、気軽にこのモンスターを討伐して欲しいというものがあればできるだけ出してみます。


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