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聖剣と魔剣に選ばれてしまった俺はどうしたらいいのだろうか?  作者: 志位斗 茂家波
帰還・そして対魔勇団を壊滅させたいで章
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135話

作者の立場で言うならば、出来るだけ被害は出したくないけど・・・・

タタタタタタタタ



 洞窟内をジャックたちは駆け抜けていた。


 奥深くに、この対魔勇団の創始者でリーダーであるメゾンという人物がいるはずだ。


 対魔勇団の適正者たちとの戦闘のどさくさで逃げた可能性があったのだが、それはないようだった。


 シロとクロはそれぞれ人間と魔族の気配が分かる。


 それによると、この奥の方から動いていない人物がいるようだけど・・・・



「なーんか変なんですよね・・・」

「この気配・・・・変じゃのぅ」


 シロとクロが疑問の声を上げる。


 彼女たちには、確かにそこに何かの気配があるのがわかっているそうだ。


 ただ、その気配が・・・・


「人間でも、魔族でもない感じってことか?」

「モンスターの可能性もありましたけど・・・・・」

「それじゃとこのような気配になるよいうことはないしのぅ・・・」


 いまいちわからないあやふやな感じだそうだ。ただ、一つだけ確実にわかっているのは、その場所に誰かがいるという事実のみ。


(というかこの感じ・・・・)

(気のせいじゃと思うのだが・・・)



 いまいちはっきりしない気配に、シロとクロはある可能性を思い当たった。


 だが、不確定な要素で不安にさせるのも微妙なので、その可能性は黙っておくことにした・・・。






 駆け抜けて数分ほど、洞窟の完全な奥深くに来たようで、あともう少しで行き止まりになるような感じだった。


 ここまでの洞窟内は、ご丁寧に天井にヒカリゴケとかいう光る苔がびっしり生えているようでそれなりに明るくて見やすかった。


 おそらくだが、この洞窟を進む際の明かりとして対魔勇団の誰かが丁寧に貼り付けていったのだろう。



 そして、その明かりによって先ほどからシロとクロが感じていた人物の姿が見えた。



「あれがメゾンか・・・?」


 ジャックたちはいったんその場に立ち止まって、その人物の姿を見た。


 しっかりと立っているようで、右が白色、左が灰色と縦にきれいに分かれたフードを深くかぶった、人物がいる。


 眼の色も、フードと同じ色に別れ、なんというか半分ずつとなっている。


 ただ、髪などは見えず、表情も見えづらい。



「・・・?」


 なんとなくだが、何処か物凄い違和感をジャックたちは感じた。


 人でも、魔族でもない気配・・・・それはわかるのだが・・・・どこかで感じているような?


 似たようなものというか、存在をどこかで見ているかのような・・・・・




「お前がメゾンか?」


 黙ったままでいる人物に、ジャックは問いかけた。


 いつでも戦闘に移れるように、ジャックたちは武器を構えておく。



「・・・・そうだ」


 ゆっくりとした口調でその人物・・・・メゾンが口を開いた。


 そのしゃべり方に、どことなく違和感を覚える。


(何かがおかしいような・・・・・)


 その違和感はいまいちわからないけど、確実に何かが変なような気がする。


 罠・・・・というわけでもなさそうだし、偽物というわけでもないようだが・・・・やはり何かが変だ。



「・・・・よく来たな、聖剣・魔剣所持者・・・・ジャックとやら」

「コッチの素性を知っているようでそりゃどうも」


 対魔勇団のリーダーで、ジャックを殺害対象にしているぐらいならそりゃわかるか。


 話し方がものすごくゆっくりしているけど、何か不気味さを感じさせる。


 恐怖というか、得体のしれないものというか・・・・。


「メゾン本人で間違いないのなら、おとなしく捕縛されてくれないか?出ないと殺害するしかないようだしね」


 一応、こちらからも話しかけて捕縛されるように促してみるけど・・・無駄な気がする。


「断る」

((((((そこは物凄くはっきり言うのかよ))))))


 はっきりと断れ、全員心の中で同様のツッコミを入れた。



「・・・聖剣・魔剣を所持するモノよ・・・・我は問う」


 何か語り始めた。


「争い、憎しみ合い、混沌しあう・・・・それがこの世の道理・・・・」


「それなのに、なぜ故・・・その道理に・・・・逆らおうとするのか」

「はぁ?」


 訳が分からないというか・・・なんというか。


 全員困惑の表情をだす。


「御託を並べるぐらいなら、今から戦闘を開始するぞ」

「難しい話はわからねぇんだよ!!」


 あ、ロイスが馬鹿正直に思いっきり突撃した。


「・・・・聖剣・魔剣以外の者にはわが剣は興味がない」

「!?伏せろ!!」


 メゾンが懐に手を伸ばした瞬間、ジャックは言いようのない嫌な予感に襲われた。


「ほう・・・」


 メゾンは何か感心したかのような声を出しながら、その手に持った(、、、、、、、)武器(、、)を振るった。


 その瞬間、その武器の軌跡が灰色の輝きで広がっていった。


 ジャックの叫びによりロイスは慌てて伏せたが少し遅く、その頭頂部の髪の毛がその武器の軌跡に触れた瞬間一気にそぎ取られた。


 禿げただけで助かったようだが、その軌跡は広がっていく。


 ジャックたちも慌てて避けて、その武器の軌跡は洞窟の岩肌を切り裂いた。



「今のは・・・・」

「夏のクラーケンに対してジャックが使用した技そっくりですわ・・・」


 ジャック自身には覚えがないけど、その場にいた全員がしっかりと覚えている。



 メゾンを見ると、その手には灰色の輝き(、、、、、)を持った(、、、、)剣を持っていた・・・・。

ジャックのおかげでギリギリ禿げた被害だけで済んだロイス

遂に始まる対魔勇団の創始者メゾンとの戦い!!

だが、メゾンが持っている剣はいったい何なのか?

次回に続く!!


・・・ネタバレというつもりでもないけど、なんかロイスが一番生き残りそう。


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