12話
短くなったりするのはスマホから書いていたりするためである。できるだけきり良い長めにしようとはしているのだけどね・・・
授業説明が終わって、時刻はお昼頃であった。入学式全体は午前中で終わりで、午後からは自由。明日からが授業である。
ジャックとしては午後までなかったことに喜んだが、ロイスはそうでもないようである。
「・・・長いようで短かった」
「俺は特訓決定されたんだがジャックも来ないか?」
「ロイス、あんたが寝たからでしょ」
「おとなしく受けてくるべき」
全員根性で寝なかったと思っていたが、最後の挨拶の際に目を開けたままロイスが寝ていたことが判明。
そのため、学園長のめっちゃ厳しいと言われる特訓を、ロイスは午後から受けることになっている。
女性陣からの援護はない。というか、先輩方がいるのだが物凄く哀れそうな目でロイスをみていた。
どうやらあの学園長の特訓は鬼畜じみたものがあるらしい。
「学園長の本気の魔法を直撃させられる」などと噂があり、一応特訓を受けた者は翌日にはちゃんと出席してくるが、トラウマが刻まれているという話である。
「ロイスよ・・・・おまえの骨は拾ってやるからな。武器は所有者が死んだら消えるそうだから大剣は形見として持てないけど」
「死ぬこと前提かよ!?」
ジャックのその発言にロイスはツッコミを入れた。
まあ、M気質疑惑があるロイスなら死なないだろうが・・・
と、この場にいたロイス以外全員の心が一致した。
ロイスが逃亡を企てたが、学園長本人がロイスになんか適当な魔法を当てて、気絶したロイスを引きずっていく様子をジャックたちは憐れむ目で見ていたのであった。
・・・なんか学園長がこっちを見たような気がするけど、学園長の訓練はロイスだけにしてください。生贄としてはそいつで十分です。
一応、怪我しても出れば治る校庭にでやるそうだけど、確か説明では死んだら無理ってあったな。
その日、ロイスの悲鳴が響き渡った。その悲鳴は恐怖から光悦したものまであったようである。そのため、より一層ロイスはM気質疑惑が深まるのであった。
ジャックたちは寮へともどった。
「さてと、こちらも済まさないとな」
哀れなロイスはほっといて、ジャックは宿題にとりかかった。
入学したばかりだが、すぐに宿題がでた。
中等部までの総復習のようなものだが、真面目に受けてはいるので問題はない。
なお、学園長の訓練を受けさせられるロイスは先生方から免除された。
学園長の訓練は宿題すらできなくなるほど厳しいらしい。
量としてはそこまであるわけでもないが、学園長の訓練とやらを受けるよりはましであろう。
「ジャック宿題手伝ってー‼︎」
「宿題を手伝ってください」
リンとカレンが部屋のドアを叩いて叫ぶ声が聞こえた。
どうやら終わらないかもと判断したようである。
一応、本寮は男子寮と女子寮と別れていない。何故なら何か不純な問題を起こせば厳しい罰則があると聞かされているので、だれも逆らわないからである。
まあ、適正者なので皆武器を持っているからタダでは済まないことがわかるのだが。
一昔前に、問題を起こしかけた適正者の男子がいたらしく、反撃くらって危うく男を止めさせられる一歩手前までいったという話はあるようだが。
ほっとくとうるさいので、渋々部屋の中に入れてやって3人で宿題を片付けた。
なぜか、立てかけていた二本の剣が面白そうに光ったように見えたのは気のせいだろう。
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「では、聖剣・魔剣の可能性は十分あるのだな」
「そのようなかんじよ。まあ、所有しているジャック本人はわかっていないようだけど」
学園長は城に報告しに来ていた。なお、ロイスとの訓練をしているのは魔法でつくった学園長の影のようなものである。
学園長が「影人形」と名付けた魔法で、たまに職務をサボったりするときに使用するのを関係者は知っていた。
対面しているのは国王ゼクト=アールスライド本人である。
適正者はモンスターに対抗できる存在。だが、その力の使いようによっては兵器とも化す。
なので、適正者を育成する学園とは親密にしておくのが国王としての役割でもあった。
学園長の口調がちがうのは、大勢の前だと素のはっちゃけた部分が出るからである。
「記録にある吸収能力があったし、力がだいぶ失われているようだけど間違いないかもね」
「力が失われているのか?」
「多分ね。長い間顕現しなかったから剣自体がまだ半寝している感じね」
要は目覚めきっていない。例えるなら「あと五分寝かせて・・・」という気分ぐらいの感じだろう。
「剣が寝ぼけている・・・剣なのにか?」
国王にはちょっと想像しにくかった。
そもそも、聖剣・魔剣はともに強力な武器だったと聞いていたので、どことなくイメージからずれているような気がしたのだ。
「記録によると、聖剣・魔剣両方とも人の姿をとれたらしいわよ?精霊・・・とはちょっと違うらしく、あやふな人格じゃなくて、しっかりとした自我を持っていて、たまに魔王や勇者に迫っていたらしけど」
「迫っていた?」
「まあ、勇者も魔王も男の人だったらしいからね。なかなか彼女たちの誘惑に互いに困っていたともあるわね」
この記録、実はかなりの重要機密であるのだが、学園長はさらりと軽く言った。
国王としては、そうゆうことに勇者も魔王も困っていたのかとどこか同情した。
と、学園長は真面目な顔をした。
「とにかく、今はまだ存在感溢れる剣としてしか見られていないけど、完全に聖剣・魔剣として目覚めたら厄介なことになるのは間違いないわ。聖剣・魔剣共に勇者と魔王が使っていた武器。狙う人や、嫉妬したりする適正者が出てもおかしくないわね」
未だに人間と魔族で互いに嫌悪している人々がいる。その中に担ぎ上げられたり、また、適正者としてではなく兵器として欲する国が出る可能性があるのだ。
「ジャックを鍛えて、自分自身を守れ、なおかつ正しく判断できるようにしてあげるのが一番いいのだけど・・・もし、敵対したら」
「それは考えたくないな・・・だが、今のままでは」
「弱いわね。聖剣・魔剣の力に頼りきりになる可能性もあるわ」
「ならば、学園長そなたが直々に鍛え上げた方がよかろう」
「・・・私が彼を利用する可能性は?」
「民を信じなくて、何が国王だと思うがね」
互いに確かめるようにみる。だが、裏切らないのはわかるのである。
「では、その命令は受けます。聖剣・魔剣の使い手となるジャックを鍛え上げる。以上でよろしいですね?」
「こちらは情報統制などを行うからな」
互いに見つめ合い、確かめるのであった。
ちなみに、互いの関係は恋人ではない。国王にはすでに3人の妻と3人の息子4人の娘がおり、学園長の恋愛対象外であった。
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「ひっ⁉︎」
「どうしたのジャック?」
「いや、今なんか勝手に何かやばいものを決められたかのような寒気が・・・」
宿題中、ジャックは寒気を覚えたのであった。
   
学園長最強説浮上
なお、学園長が未婚なのは理想が高いせいとも言われている。
 




