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聖剣と魔剣に選ばれてしまった俺はどうしたらいいのだろうか?  作者: 志位斗 茂家波
帰還・そして対魔勇団を壊滅させたいで章
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閑話 ロイス珍道中記録3

設定的には、本来ロイスは主人公のライバルか脇役としての予定だったけど、いつの間にかこうして閑話の主役にもなっているのが不思議である。


 俺の・・・以下省略だ!!


 だいたい何度もやる意味が分からんだろ!!


「誰に言っているんだ愛弟子ロイスよ?」

「いえ、別になんとなく叫びたくなりまして」





 俺たちは今、海底都市からでて、今度は空の上にあると言われていた幻の空中都市『ピュターラ』に来ていた。その前に対魔勇団海外支部とかいうやつらがいたので、ロイスたちはせん滅してきたのだが。


 友人(ジャック)の命を狙う組織なので、ついでとばかりに徹底的に戦かったのである。


 幸い、まだできて日が浅かったのかそこまで強い人がおらず、完全壊滅させた。


 学園長がいるところにも国際便での手紙を出したので、この報告は受けているだろう。


 それにしても・・・・ゴーリン師匠がいくら方向音痴にでも、幻と言われている場所にいつの間にかついているのはよっぽどじゃないか?


 全く気が付かない俺も相当だけど。


 


 この空中都市ピュターラは大昔に勇者と魔王の両方が訪れたという記録があるそうだ。


 どちらも、互いの戦力を確保するためにこの空中都市へとスカウトしに来たらしい。


 そして、それぞれどちらも大活躍したといわれている。


 なぜなら・・・・





『さぁーっ!!いよいよ決勝戦!!今回の決勝戦は最近ぶっちぎりナンバーワンと言われている戦士ドドドズン選手と!!』

『飛び入り参加の地上の適正者!!ロイス選手だぁぁぁぁl!!』

「なんで俺参加させられているの!?」


 この空中都市ピュターラでは、10年に一度このような武術大会を行うらしく、今年は偶々その大会の開催する年だったらしい。


 格闘、剣術、棒術、槍術、腹話術、暗殺術などの様々な武術を競わせて、盛り上がるのだ。


 ただ、幻の都市と言われているだけに、こうして地上からの参加者は珍しいらしい。


 あれよあれよという間に参加させられたのだが、なぜか俺は決勝戦まで勝ち残りました。


 師匠のしごきと、過去の学園長の訓練が生きているんだろうな・・・・。


 ちなみに、適正者の身体能力なら簡単なんじゃとかいうようなことはない。


 だって、この都市の人・・・・人?


『ほう、地上の者よ、お前がここまで、残るとはな』

「音声が途切れ途切れですよ・・・」


 目の前にいる俺の対戦相手、ドドドズン選手はその鋼鉄の皮膚(、、、、、)・・・いや、ボディを揺らしながら言った。


 この都市、人間も魔族もいません。


 代わりにいたのは・・・ゴーレムでした。


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「ゴーレム」

モンスターでも出る時があるが、ほとんどは人工的に作り出されたものである。

様々な種類があり、モンスターに対抗する適正者の代用として開発されていた時もあったが、生み出すときの材料費や維持費、整備費、燃料代などコストが高くて断念された。兵器として開発もされたことがあるが、同様の理由で断念。

水晶で作られた『ゴーレムコア』からの信号命令で動いている。魔力、モンスターから抜き取れる魔石、水、空気、燃える水、蒸気、何かしらの光線などを燃料として動く。

中には、人型のゴーレムを愛玩用として創り出そうとした猛者変態もいたが、小型化ができず断念したそうな。

勇者や魔王がいた時代には、より高度な作製技術があったらしいが今は滅んでしまい、失われた古代技術とも言われている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 どうやら、昔はこの都市にも普通に人がいたらしい。


 ただ、ここが空中ということもあり、大地に足が着けない不安感などもあったのか人が去って行って、ここにはこの人たち(ゴーレムたち)だけになったそうな。


 そして、長い年月を過ごすうちにいつの間にか自我が芽生え始め、今ではすっかり人々と変わらない感じである。


 これもある意味新種の魔族とでもいえばいいのか・・・・。奇跡だよね。


 ちなみに、繁殖方法とかがあるそうだけど無機質の身体でどうやってだろうか?


 普通に複製するモノなのかな・・・・でも、資源の問題もあるし・・・










 試合は白熱し、俺達は最後にクロスカウンターを互いに決めて、ダブルノックアウトとなった。


 そのため、今年は優勝者はいないということになったのだが、ドドドズンさんと仲良くなって今日は彼の家に泊めてもらえることになった。


 彼?彼女?ゴーレムに性別あるのかな・・・・しゃべり方から男だと思う。


 というか、見た目がゴーレムによってまちまちで、彼のように全身装甲のものから、筋肉繊維がむき出しの物など結構いるんだよね。



「にしても、まさかここで酒が飲めるとは思わなかったよ!!」

「師匠・・・それ酒は酒でもゴーレム用の魔酒らしいんですけど・・・」

『あっはっはっはっはっは!!もともと、ここに住んでいた人間も、飲んでいたから、問題ないぞ!!』


 家に着くと、互いの健闘を讃え合っていつの間にか飲み会と化していた。


 なお、シラタマは最近ついに大人の羽に生え変わったようである。


 ただ、本来ならカラスのような見た目に近づくらしいのだが、何やら白い塊となっていた。綿菓子かよお前は。可愛いと思うけど。



「えっと、そういえば俺の大剣でぶった切った右腕大丈夫ですか?」

『ああ、大丈夫だ!!このぐらい、直る!!』


 対戦中に勢い余って腕切り落としたんだよね・・バチバチ言っているけど、大丈夫だと言っているから大丈夫なんだろう・・・・多分。


『にしても、ロイスとやら、地上の者は皆、お前のように強いのか?』


 ドドドズンさんが疑問を口に出した。それで酒何杯目ですか?ゴーレムが酒に酔うってのも変なような気がするけど。


「まあ、俺以上に強い奴もいるだろうな。まだまだ師匠には勝てないからなぁ」

「お前の大剣の腕前はまだまだ未完成だ。あたしのような専門家クラスはまだ遠いな!!」

「そうですか・・・」


 やっぱへこむよなぁ・・・。エキシビションマッチとかいってゴーリン師匠と対戦したけど、参加者全員で戦って負けたからなぁ・・・・。学園長といい勝負だよ。


 強さも、容姿も、独身れ、


ごすっつ!!ばきゃっつ!!


「・・・何か余計なことを考えたかい?愛弟子?」

「考えというか・・・何で殴るんですか・・・・」


 ゴーリン師匠・・・勘が鋭いな。


 ロイスは久しぶりに天井に突き刺さったのであった。前にもあったな―。


 なお、天井の修理費用とかは別にいいそうだ。すいませんドドドズンさん。


『過去に、勇者、魔王、が訪れたときは、あちこちで壊れたしなぁ』


 その記憶とかそう言ったものは、この都市のゴーレム全員が共有しているらしくいつでも思い出せるらしいけど・・・あちこち壊れたって何やっているんだよ勇者と魔王。

 

 その生まれ変わりでもあるらしいジャックなら何かわからんかな?


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「はくしょん!!」

「どうしたんですの?」

「いや、なんか噂されたような」


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「そういえば、この空中都市って過去の勇者も魔王も訪れたといわれていますよね」

『ああ、その通りだ。それぞれ、当時最高の、この都市の戦士を、地上へと連れて行った』


 勇者と魔王の話に出てくる鋼鉄の戦士ってこの都市出身のゴーレムなんだろうな。


『当時は、目からビームも、出せたらしい。だが、人間と魔族、両方の争い、収まってから外した』

「どういうことですか?」

『ふざけて、「焼き払え!!」、「人がごみの様だ!!」とかいって悪用する奴、でたからだ』


 最初は面白半分で従ってみたけど、命を大勢奪うような感じで嫌になったらしい。


 なので、その設計図なども処分したそうだ。



「なるほど・・・そういう過去もあるのか」

『なので、我々、あまり地上の人と、交流しなくなった。だけど、たまにこうして、訪れてくれる奴が、いるのでうれしい。今日の戦いで、お前と俺、友達だ!!』

「ああ、友達だ!!」



 そのまま握手しあい、俺達は友情を結んだのであった。


・・・ところで、ここって空中都市だよね。


 俺たちどうやって地上に戻ればいいんですかねゴーリン師匠・・・・


ロイスの珍道中は続く!!

というか、そもそもどうやって空中都市に来たんだろう・・・・


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