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121話

こういう返事って、あいまいになりやすい

 突然のルナの告白に、ジャックは戸惑っていたがそこからさらに追い打ちをかけるようにカレン、ミツ、ヨナも告白をしてきた。


「えっと・・・」


 さすがこの形での告白を受けるのはジャックにとっても初めてのことである。


「私も村にいたときから・・・」

「拙者はいつのまにかぜよ!」

「同じですのん」

「ちょっと!!わたくしの告白に乗じないでくださいませんか!!」


 4人の女の子に追い詰められているジャック。


 他者から見れば修羅場のような光景だった。


 例えで言うならば、浮気相手が一堂に会したかのような・・・違うかな。




「つまり、全員が俺のことを好きだという認識でいいんだよね」

「そのとおりですわ」

「うん」

「異議ないぜよ」

「そのままですのん」


 ちょっと落ち着きまして、状況を整理する。


 ジャックとルナが二人きりでいた。


 ルナがジャックにキスして告白してきた。


 その現場を見たほか三人も告白してきた。



 異常が今の状況まとめである。


(・・・・って、何の解決にもなってない!!)


 ジャックは心の中で叫んだ。




一方、ルナたち側の心では



(ついに、ついに一世一代の告白をしたというのに・・・まさか横やりが入るとは思いませんでしたわ・・。というか、今になると物凄く恥ずかしい・・・)

(村で想いをあきらめて早何年、勢いで言っちゃったけど・・・・羞恥)

(勇者崇拝集団に引き込む予定だったぜよが・・・・こちらがいつの間にか籠絡されていたぜよ。この際、めんどくさいことになる前に集団から抜け出すべきぜよか・・・)

(籠絡予定だったのに、いつの間にか惹かれていたですのん。でも、このまま結ばれてもめんどくさいことになりそうですのんし・・・対魔勇団のどさくさでつぶして憂いが残らぬようにしたほうが良いかもですのん)


 二人は今頃羞恥心が来て悶え、もう二人は本来の目的からずれて、むしろ害しか及ばさなくなりそうな崇拝集団をこの際つぶしてしまおうか問う言う裏切りに近い算段を心の中で計算していた。



そんな時であった。



『・・・なんか面白そうなことになっているわね』

「ん?」


 上空から声が聞こえたのだが、どこかで聞いたことがあるような・・・・


トスン


「「「「「へ?」」」」」


 何かが下りてきた。


 その姿は、・・・・



「「「「「小さい学園長!?」」」」」

『はぁい♪』



 そう、エーランド学園のアンド学園長そっくりの小さな人形のようなものだった。


『これは1000分の1スケールの私そっくりの人形よ。昔友人にもらったものを、魔法で動かして連絡用に改造したのよ』

「本物とそっくりだよな・・・」

「しかも動いているのですわ」

「驚愕」

「細かいぜよな・・・・」

「もうあの人なんでもありですのん?}


 本当に学園長そっくりで、生きているかのような感じの人形なので、ジャックたちは「もうあの人なんでもありかよ」とツッコミを入れるのをあきらめた。


 それ以前に、どうやって今ジャックたちがいる場所を見つけたのかという事には誰も触れなかったが。


『にしても、本当は連絡をしに来たのだけれども・・・何やらお邪魔だったかしら?』


 ふふふ、とまるで本人そっくりに手を口のところにおいて笑いをこらえるような仕草をする学園長の人形。


「別に邪魔だとは・・・・ちょっと思ったけどそういう事はない!!」

『ちょっとはあるのね・・・・・ああ、そうそう。来た目的を忘れていたわ』


 この時全員思いだした。


 対魔勇団が壊滅したら確か学園長が連絡を入れてくれるはずだということを。


 ただ、どうやらそうもいかないことになったらしい。


『壊滅させたら連絡する予定だったのだけれども・・・ちょっと厄介なことになってね』

「厄介な事?」


 学園長が厄介というのはよほどの事であろう。


 どう考えても明らかに嫌な予感しかしない。


『実はね・・・』



 学園長人形が話し出す。


 対魔勇団の支部、組織の資金源となっていた貴族、適正者を勧誘して引き入れようとしていた人たちなどを次々と潰せてはいたらしい。


 だが、何処を探せども、対魔勇団を率いる人物が見つからないらしい。


『対魔勇団の核となる人物・・・・そいつが生きている限り完全壊滅ができないのよ』

「でも、その人物がいくら探しても見つからなくて、つぶしてもつぶしても出てくると・・・」


 イタチごっこのような状態で、あっちをなくせばこっちにできて、こっちをなくせばあっちにまたできるといった状態に落ちいっているらしい。


『というわけで・・・本当なら危険な目に合わせたくはないのだけれども・・』

「俺をおとりにしてその人物を引き寄せるってか」



 聖剣・魔剣所持者の抹殺が対魔勇団の目的では最も大事らしい。


 なので、その本人をおとりにしておびき寄せようということだ。



『対魔勇団からの適正者の刺客も来るでしょうけど・・・』

「先ほど来ましたからね」


 あの二人・・・ん?


「そういえば、リンとあの襲ってきたやつらは?」


 ふと気が付くとその三人がいない。


「そういえば・・・」

「木の上にいたはず」


見て見るがいない。


「どこに行ったんだ・・・・?」

「ここよ」


 と、リンの声が聞こえた。


 みると、その後ろには先ほどジャックを襲ってきていた二人が縛られた状態で土下座していた。


「すいませんすいませんすいませんすいませんすいません」



 ・・・・ものすごくおびえているようである。


「皆が何やら告白している間に、こっちはこっちで情報を聞き出したのけれども・・・あまりろくなのはなかったわよ」


 リンがちらっと二人を見ると、びくっと男と少女が震えた。


「・・・何したんだ?」

「ちょっとした聞き込みよ」


 悲鳴とかそう言ったものは聞こえなかったんだが・・・・どう考えても恐怖でおびえているようである。



 何はともあれ、この二人を見せた。


 どうやらこの適正者二人に学園長は見覚えがあったらしい。


『あら・・・この二人別の大陸にある国の適正者よ。ちょっとばかしやらかして死刑囚だったけど脱獄したといわれている・・・』

「別の国か・・・」


 となると、対魔勇団の手は国外まで伸びているよね。


「死刑囚で脱獄した・・・そういった人物もいるのか」

『まあ、何はともあれその二人もまとめて』

「え?」


 次の瞬間、ジャックたちは見覚えがある物の中に入れられていた。


 前に比べて大きいサイズだが・・『気分次第(どこに行くのか)(わからん)大砲(カノン)』という学園長の魔法。


「え?いきなりこれですか?というかなぜにこれ」

『いくわよ。荷物もまとめて発射できるから』

「またこれですの!?」

「あのめっちゃ飛ぶ・・・」

「まさかまさかの・・

「またですのん・・・」


『カウントダウン無し発射!!』


ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!


 以前よりも威力が上がっている魔法により、物凄く久し振りにジャックたちは発射されて大空に打ち上げられるのであった・・・・・・。


 行先告げていないけど、これ学園に向かっているよね?校舎に激突したらシャレにならんと思うのだけど・・・


再び打ち上げられたジャックたち。

この魔法によって久々に学園に帰還となるが、気絶するものは何名出るだろうか?

そして、うやむやになっている告白に対するジャックの返事は・・・

次回に続く!!


・・・やっと学園か・・・

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