119話
本日2話目
リンたちsideかな。
主人公出番なし回
「くらいなさい!!」
ガキィン!!
「ぐるぅぅっつ!!」
リンが降り下ろしたメイスを、虎は爪で受けきる。
そのまま素早く足をひっこめた後、その足があったところを銃弾と鞭が通っていった。
「ちっ」
「勘が鋭いですのん」
カレンとヨナが拳銃と鞭で狙ったのだが、素早い動きでよけられてしまうのである。
「またせたぜよ!!」
と、ミツが木の上から現れ、虎にめがけて刀を振り下ろす。
「がるぉぉぉつつ!!」
だが、読まれていたようですぐに避けられた。
「ジャックを安全な場所においてきたぜよ!」
ミツは着地後、すぐにジャックの状態を素早く述べた。
「裂傷、打撲など負っているぜよが、命に別状はないぜよ」
「こちらも応戦しているんだけど、あの虎体力が減って動きが鈍くなっているのにまだ素早いのよ!!」
ジャックとの戦闘により、相手は体力を大幅に減らされているはずなのだが、以前その素早さは今一つ衰えていない。
「気絶させた男を口に食わえているから牙による攻撃を封じてるけど、男の足とかが振り回されるから危険ですのん」
「味方をも武器に扱うのかぜよ・・」
男は気絶しているとはいえ、それなりに体格がいいので足が飛んできてもかなり危険である。
「このまま逃げられるのもまずいわね・・・」
相手はどう見ても、逃走の機会をうかがっているように見えた。
「ジャックの話によると、あの虎は適正者の獣人の少女が武器によって変身した姿ぜよ」
「武器によって・・珍しいタイプの適正者ですのん」
適正者の武器は、大斧や、メイス、ハンマーなどと言った見た目が武器らしい武器が多い。
だが、中にはかなり特殊なものもあるのだ。
適正者自身を何かの動物に変身させる武器がそのいい例である。
熊や巨大な鷹、ナマズなどといった例があるのは知られている。
そして、そうした動物に変身したら、通常の動物では考えられない能力を持っていたりする。しかもそれなりに強力でかつ凶悪なものを。
ナマズだと、雷を落としたり、半径5キロ内に大地震を起こせるらしい・・・・洞窟内で使って、モンスターを生き埋めにしたりするなどと言った使い道があるそうだ。
あの虎だと、おそらく通常以上の素早い動きと言ったところか。
ただ・・・
「そういった変身の類の武器は長時間は維持できないはず・・・」
武器が体を包み込んで変身させるのではなく、体そのものを変質させて変身させるので負担がかかるのだ。
なので、そこまで長時間維持できないのだ。
武器を使用しているのが、魔族の獣人の適正者とはいえ、年齢は幼い少女・・・そこまで持つはずがない。
だが、今なお動けているところから見ると、相当鍛えているようである。
しかし、その分相当の負担が・・・
「がるるるる・・・・がるわっ!?」
いきなり虎が吠えたかと思うと、ばったりと倒れた。
「時間切れ・・・といったところよね」
そのまま虎の姿のまま縮んでいき、元の少女の姿になった。
口で持たれていた男も地面に落とされて、両方ともぐったりとその場に倒れ込んでいた・・・。
「頑張りすぎて、限界を超えて倒れたといったところぜよな」
「とりあえず、縛るですのん」
このままここで殺せるが、武器を取り上げて縛り上げる。
牙を口から外し、男の方は探ると何やら笛のようなものが。
「音系統の武器よね。ひもが付いていて・・・・振り回して空気を流れ込ませて鳴らしていたというところかしら?」
某風の谷の人が使っていた虫笛のようなものである。まあ、そんな知識は誰も持っていないが。
とりあえず、何とか戦闘を終えて安堵の息を全員吐くのであった・・・・。
とりあえず、ジャックを殺そうとした2名を捕らえた。
対魔勇団の状況が聞き出せるので、ご・・・もとい聞き出そうとするジャックたち。
その時に、ある物が・・
次回に続く!
・・・ほら、某風の谷で、上に投げた瞬間に虫が飛び立つシーンあったじゃん。あの笛みたいなやつだよ。




