118話
・・・少し予定がずれた。
書いていたらね、ちょっとね。
安全な場所に誘導されてその場所にいるジャックとルナ。
どちらも体中に包帯を巻かれて、リンたちの戦闘が終わるまでその場で待っていた。
「うん・・・」
「あ、起きたかルナ」
ルナが目を覚ましたので、ジャックは少しほっとした。
ミツたちの説明によって、一応生きているのはわかっていたのだが、死んだように寝ていたので不安になっていたのである。
戦闘音が少し聞こえており、まだ戦闘が続いているのはわかっていた。
「・・・ジャック!?大丈夫でイタッつ!」
起きて数秒ほどで、ルナはすぐに意識をはっきりとさせたが、慌てて体を起こしたためガントレットで殴った部分に痛みが走った。
「大丈夫だよ・・・というか、ルナの方こそ大丈夫?}
「だ、大丈夫ですわ・・・」
ひくひくと痙攣するルナ。どうも自分で殴ったとはいえ相当痛みはあるようだ。
というか、今のは痛そう。
例えで言うならば、朝起きて足がいきなりつるみたいな感じだろうか?痛さは今の方が痛いだろうが。
「それより、ジャックの方こそ大丈夫ですの?結構包帯を巻いているようですけど・・」
「大丈夫・・かな」
ややふらふらするが、一応大丈夫かもしれない。出血していたとはいえ、そこまでの量は出ていないみたいだし・・・2,3日は貧血かもしれないけど。
ただ、爪や牙での攻撃を受けていたから感染症などが心配であるが。
互いに怪我の具合を確認し、生きていることにジャックたちは安堵した。
「戦闘音が聞こえるってことは・・・・リンたちが戦っているのですわね」
「ああ、ルナが呼んでくれたからな」
一応相手は対魔勇団からジャックを殺しに来たであろうやつらである。
ただ、片方虎になっているのはジャックとの戦闘でかなり体力が削れているだろうし、もう一人は気絶していた。
なので、リンたちなら確実に負けないという確信をジャックはもてた。というか、数からいってこちらが有利なのもある。
「しかし・・・ジャックもボロボロですわね」
「あはははは・・・・ほんとは全力で逃げたかったよ」
虎相手って怖いのである。
いや、適正者にとってはモンスターの方が脅威だと思えるし、普通の熊や虎相手ならまだ楽である。
しかし、今回の相手に限っては武器で虎に変身した少女・・・・適正者だ。
通常の虎以上に手ごわい相手であった。
まあ、学園長からの訓練の一つ「猛獣だらけ訓練(武器無し、素手で対応)」よりはましであろう。
あの時は・・・・・・
思い出すのをジャックとルナはやめた。ちょっとトラウマ気味である。
「でも、そこまでして助けを呼んでくれてありがとうな」
ジャックはルナに感謝した。アハハと普通に笑顔で。
その途端、
ボンッツ!!!
「ルナ!?」
一瞬でルナの顔が赤くなって、湯気が出て爆発した。
その一瞬の出来事に、ジャックは驚いた。
「ちょっと今のは反則ですわ・・・」
「え!?なにが!?」
ルナが両手で顔を隠し、ジャックは何があったのかわからなかった。
・・・・この日ルナは学んだ。無自覚かつ鈍感な人ほど不意打ちは物凄いものだと・・・。
ジャックの素直な笑顔攻撃に不意を突かれたルナ。
その一方で、リンたちは戦っていた。
それぞれの武器をうならせ、追い詰める。
次回に続く!!
・・・・本当はね、ジャックも自覚して互いに甘い感じにしたかったんだけど、ちょっと勢いで書いてみたら作者の精神的なところに来たので予定を繰り上げます。甘い、甘すぎた・・・・・




