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116話

適正者の武器ってよく考えたら無茶苦茶なものもあるよね

「コホン・・・・とりあえず、まず先にいうならば俺はロリコンではない!!」

(そこまで堂々と言われると、逆に怪しいんだよね・・・)


 落とし穴の上で、堂々と言い切る男性に対し、ジャックはかなり疑わしいまなざしを向けていた。


 どう考えてもろくでもない状況であるが、ツッコミ癖というか・・・・



「さて、聖剣・魔剣所持者・・・・我が『対魔勇団』での殺害対象よ!!この場で俺達二人であの世にさよならバイバイさせてやる!!」

「さよならも、バイバイも同じ意味なんだが・・・」

「きー(気にしない気にしない)」

「いや、そういわ・・・あれ?」


 今なんか会話できた?一文字しか言っていないのになんか内容が分かった?


「って、『対魔勇団』関係者かよ!!」


 すばやくジャックは剣を構える。


 明かに殺害対象とか言っていたし、学園祭の時の暗殺者みたいなもので間違いないであろう。


 男性の方は見た目と中身が一致してない感じでアホッぽいけど、こっちの小さい少女は・・・・。


「ぬ?マスター、あの少女は・・・魔族じゃ」


 と、クロが反応した。


 魔族の『対魔勇団』関係者・・・・どう考えても嫌な予感しかしない。


 確か、適正者も入っているって話あったな。


 というか、どう考えてもこの二人適正者としか思えん。この落とし穴を作っている技量からして判断できるし。



「きー(気が付いても、この落とし穴に入った時点で負けているよ)」


 少女が落とし穴に入ってきて、ジャックと向かい合ったかと思うと、懐から何かを取り出した。


「入れ歯・・・・?違う、牙か?」


 牙が武器の適正者・・・・聞いたことがない。


「あー(あーん)」


 少女が牙を口にセットする。


 そのとたん、少女の姿が変化し始めた。


「な・・・・!?」

「ふーーーーっつ!!」


 体がやや大きくなり、服が破れて毛が生えてくる。



 すぐに変化が終わったが、すでに少女の面影が無くなり・・・


「がぁぁぁぁぁおぉぉぉぉぉっつ!!!」

「と、虎!?」


 少女の姿はでっかい白い虎の姿になっていた。


 落とし穴の中で、底まで広くないのでやや小さい虎のようだが、それでも十分人よりは大きいサイズだった。この場所がやや広めの感じに掘られていたのはこの変身を考慮しての事か。


「はっはっはっはっはっは!!ラネットは牙が武器の適正者!!そして、魔族の獣人の虎の適正者でもあるのだ!!」

「さっきの少女の姿のどこに虎の要素があった!!」

「ぶっちゃけ武器のあの牙をつけなければその姿になれぬのだがな‼︎」


 詐欺と言いたくなるレベルの変化である。・・・・というか、獣人ってこんなんだっけ?あの牙が原因だよね?


「ついでに言うならば、今回の標的はお前だけなので先ほど別の落とし穴にかかったやつには眠り薬を投下した!!仲間を呼ばれたら困るし、無駄な犠牲を出すのを俺たちは好きではないんでな!!」

「だったら最初から俺に眠り薬当てて眠らせればいいじゃん!!」

「金ねぇんだよ!!」


 ツッコミを入れた途端、そういわれてジャックはとりあえず黙った。切実な問題だな。


(・・・こいつらは確かに『対魔勇団』と言った。が、今のお金がない発言から察するに『対魔勇団』の資金が無くなってきているのか?)


 つまり、『対魔勇団』の資金が無くなってきているということは、もうそろそろ学園長あたりが壊滅してくれる可能性がある。


 だが、その前にここで死んでは意味がない。


「ぐうるるるるるうるるる!!」


 虎となっている少女に向き合い、ジャックは戦闘態勢に入った。


 今はこの戦闘に勝たねばならない。上の方の男性が攻撃してくる可能性にも注意しなければならない。まだ何が武器がとまで入っていないからな。


・・・よく考えたら、今話している間に襲ってきてもおかしく無いのに、何もしなかった。なんか作戦とかあるのだろうか?


 落とし穴の底の閉鎖空間・・・聖剣・魔剣は長剣なので、こういった場所で使用するにはあまり向いてはいないが、この際壁ごと斬る勢いで攻めることにしたのであった・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ジャックが虎と向き合っている頃、もう一つの落とし穴の方では・・・



「・・・・眠り薬ですわね」


 ルナは眠気が襲いかってくる中、必死になって起きていた。


 落とし穴に落とされた後、上から何かビンが投げ込まれて、そこから出てきた液体がすぐに揮発して落とし穴の中に充満し、ルナの眠気を猛烈に誘ったのである。


 だが、ルナは根性で眠らなかった。


 学園長との訓練で、眠り薬に耐えながら互いの攻撃をかわし続けろという無茶苦茶な訓練のおかげでもあるが、何よりジャックが心配だったからである。



 頬をつねり、自身を殴って何とか起きているのだが、この落とし穴の底からジャンプして出るだけの気力がない。


「大きな音で他の皆を起こして異常を知らせられれば・・・」


 しかし、今はもう眠気で意識がもうろうとしている。


 ガントレットで地面をたたきまくって音を出そうにも力が入らなくてできない。


「けど・・・このままでは・・」


 ルナの乙女の勘が言っている。このままではジャックが危ないと。


 眠気が邪魔をするならば・・・・・


 






落とし穴の中での戦い・・・

状況としては、ジャックの方が不利であった。

一方、ルナはジャックを助けるために、自身の眠気を覚めすために・・・

次回に続く!!


・・・襲ってきた二人さ、強力な毒薬を買ってジャックに投下するというやり方を思いついていないという抜けた部分があるよね。

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