10話
学園長が安定しないのでその部分を修正する予定あり。
「それでは、諸君らはこれより教室に入りたまえ。入学式は以上だ!」
学園長がその場から消え、校庭には適正者たちが死屍累々のごとき倒れていた。
学園長・・・手加減したんだよな?
ジャックはなんとか防ぎきったが、他に無事な人は数人ほどしかいなかった。
使ってきた魔法は「星の雨」という魔法名らしいのが聞こえた。
光系魔法で、光弾が大量に降ってくるものであった。
手加減したとか言っていたけど、一人当たり平均20発ほどきたぞ。
ガンガン当たるから剣を持つ手がしびれた。
大剣を持っていたロイスは、大剣の表面積が広いため防ぎきれるかと思ったが、途中で剣に潰されていたな・・・。
リンは3発目で直撃。カレンは華麗に全てかわしていた。なにあの綺麗な避けかた。体がクニャアッと曲がっていたぞ。
カレンの避けかたに驚きつつも、ジャックはとりあえず教室に移動した。
学園長は学園長室に戻って己の椅子に座り、先ほどの事を思い出していた。
生徒たちに向かって先ほどゲームと称した確認。
なにを確認していたかというと、ジャックの剣についてである。
「やはり、聖剣・魔剣のようね」
魔法を防御か弾き返せといって、その魔法が剣に直撃した瞬間を見ていたのだ。
普通に魔法は弾き返したり、切り裂いたりできたりはする。
だが、ジャックの両方の剣に魔法が当たったとき、わずかにだが魔法を吸収しているかのようにみえたのだ。
ほんの微妙な量、だが確かに魔法を吸収していた。
聖剣・魔剣の特徴の一つ『魔法吸収』。直撃した魔法の10分の1だけ吸収し、剣のエネルギーに変換するというものだ。
今回は手加減し、かなり抑えたものだったのでその変化には気づきにくいが、しっかりと吸収していたのを学園長は確認していた。
魔法の10分1だけしか吸収しないというのは一見意味がないように思える。
だが、魔法全体の10分の1ということは、対象の魔法が強力なほど、かなり吸収できるのだ。
つまり、聖剣・魔剣持ちの相手に強力な魔法を浴びせるほどパワーアップしてしまうことでもある。
また、記録によると勇者も魔王も味方に魔法を撃ってもらい、剣に吸収させて無理やりパワーアップしたことがあるようなのだ。
城にその事を伝え、なおかつできるだけジャックに干渉するのを避けるようにと忠告を学園長はおこなうのであった。
下手に干渉した場合、せっかく現れた聖剣・魔剣持ちの適正者がどこかに姿をくらませ、暴れられても困るからなのである。
聖剣・魔剣は両方とも強力な武器であるのは間違いないからであった。
騒ぎ立てて、他の国に目をつけられても困るからね




