表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/344

108話

本日2話目

不幸貴族は・・・・

「ん?」


 ジャックはふと立ち止まった。


「どうしたんですの?」

「いや、なーんかこっちの方面から嫌な予感が」

「虫の知らせってやつよね」


 なんとなく、ジャックはこのまま進めば何かろくでもないようなことに巻き込まれるような気がした。


 最近こういう勘が妙に当たるので、気になっているのである。


「ジャックの勘は妙に当たる」


 カレンいわく、もうそりゃかなり当たっているようである。


「あまり自覚はないけど・・・虫の知らせというかなんというか」


 実はこの勘の良さ、シロにはなんとなく思い当たることがあった。


(勇者様も妙に勘がよかったですし・・・・・マスターも同じ魂ならば、同様の能力があってもおかしくないですね)


 ジャックの魂は、勇者と魔王が混ざっているようなもの。なので、こういった危険予知みたいな能力とかが出てもおかしくはないのである。


 なお、勇者の時は常時発動していたようだが、ジャックの場合は魔王の部分もあるので常時ではなくたまにしか働かないようであった。


 


「まあ、気にしなくてもいいか」


 そう気になる物でもないし、無視することにし「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」


「なんだ!?」


 悲鳴が聞こえてきたので、ジャックたちがその方向を見ると上から何かが降ってきた・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時間は少し前に遡る・・・・


「い、いったいいつになったら停止するのねん!!」

「わかりません!!」


 ラドムスコ男爵&執事セスバが乗った馬車は、ものすごい勢いで坂道を下っていた。


 馬車の馬がよりによって坂道で逃げ、馬を操縦していた人も同時に転げ落ちたようで坂道を物凄い勢いで下っていた。


 さらに運が悪いことに、途中に何か段差でもあったのか馬車がはねて、そのまま別の坂道がある方向へ進路を変更し、よけい加速されては別の坂道へといった具合に止まらなくなっていたのである。


 そのうえ、勢いが良すぎて上り坂を超えてしまい、また下り坂と無限ループのような状態に陥っていた。


 なお、領内にあるすべての坂道を今日で制覇してしまってもいる。


「こうなったら馬車から飛び降りるのねん!!」

「危険です!!」

「だけど、こうでもしないとこの地獄からは!!」


 というか、ラドムスコの運の悪さを理解して言っているのである。


「下手に飛び降りて、岩なんかに激突し、自身も転がって熊とかに襲われてしまう未来しか見えませんよ!!」

「そういうふうに思っているのかねん!!」


 むしろ、それで済めばまだ軽いかもとセスバは思っているが。


 ラドムスコの運の悪さは、モンスターが憑いているのではないかと思って調べてもらったが、適正者の方々にぼっこぼこにされたけど結局天性のもので「アキラメロ」と全会一致で言われたほどである。


 「対魔勇団」とかいう組織からその運の悪さを治せるといわれて、一時は財源の提供とかをして頼んだけど、相手側から土下座してまで無理といわれて、半分だけ財源を返されて結局治らなかった。


 半分損しているし・・・・・・。


 

「だが!!いまやらなけらばどうなるのねん!!」

「ええい!!こうなったらお供しますよ!!」


 セスバも覚悟を決めた。


「1,2の3でいきますよ!」

「わかっているのねん!!」


「いきますよ!!」

「1!!」

「2の!!」

「さぁんっつ!?」


 飛び出そうとした瞬間であった。


 このままいけば、地面に転がって擦り傷程度で済んだであろう。


 だが、二人は失念していた。現在下っていた先の道が曲がり角になっていたことを。


 遠心力が働き、二人とも馬車からすっ飛ぶ。


 このまま木に激突したりするのならまだいい。


 だが、坂道の曲がり角(、、、、、、、)ということは・・・・


「へ?」

「ほ?」


 二人が飛び出たところには、地面がなかった(、、、、、、、)


 崖であった。しかも、物凄い断崖絶壁のような。


 そのまま重力には勝てず、二人とも真下に落ちていくのであった・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」


「なんだ!?」


 悲鳴が聞こえてきたので、ジャックたちがその方向を見ると上から何かが降ってきた。


「ひ、人っ!?」


 よく見ると、二人ほど人間が降ってきた。


「なんで上から!?」

「いや助けましょうよ!!」


 とにもかくにも助けないとまずいか。


「そのままそのまま!」


 全員で着地地点を予想し、キャッチすることに。


 まず、最初に落ちてきたのはちょっと細い老年の男性。どこかの執事か?


「た、助かりました・・・」

「よし次!!」


 後の方からも落ちてきた人も無事に、


「このままできゃっつ!!」


ドッスウゥゥゥゥゥゥン!!


・・・とはいかなかった。


 受け止めようとしたルナがこけて、しかも風が吹いたようで予想からずれてもう一人は地面にめり込んだ。


「ラドムスコ様ーーー!!」

「え?」

「それって不幸貴族の・・・」


 執事っぽい人が叫んで出た名前で、ジャックたちは今落ちてきたのが貴族だとわかった。


 ・・・・空から貴族が降ってくるって何があったんだ。


 ジャックたちは、その謎に頭を悩ませるのであった。





 



親方!!空から女の子が!!・・・・って展開にできなかったのがものすごく残念。

勢いよくポーンってとんだからね。


空から落ちてきたのは、不幸な貴族として有名な人だった。

その不幸度合いにジャックたちは驚愕する!!

果たして、そんな人といて大丈夫なのか!!

次回に続く!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ