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97話

前話の被害確認

「・・・・で、昨夜この怪しい人たちが宿に侵入してきていたと」

「そうなのじゃが・・・・」

「全部で6人ですが・・」


 翌日、ジャックはシロとクロから昨夜の状況を説明された。


 目が覚めた途端に説明され、見ると黒づくめの人が縛られている。


 さらに、他にもいたというのだが・・・・。


「それにしても、骨折はまだわかるけど重傷者が多いよな?」


 全身複雑骨折と内臓座礁、肺を銃弾で打ち抜かれている、顔面がつぶれたアンパンのようになっている、腰の強打と骨折、腹が薄く裂けている・・・・。


 重症患者ばかり発見された。宿の人に見つかる前に、とりあえず回収したのである。


 全員同じような服装をしており、それぞれの部屋や、宿の外、屋根裏といった具合に見つかっているけど・・・・。


「一体何があったんだ?」

「真夜中に、襲われそうになったから撃退しただけですわ」

「変態に天誅しただけですのん」

「みねうちで済ましたんだぜよ」

「私はなんかイラついたのだけど・・・・いまいち覚えていないのよね」

「実弾と間違えた」

「私たちは忍び込んできたところを」

「抑え込んだだけじゃよ」


 全員目を合わせない。なんか不安をジャックは覚えた。


「こいつらは一体何が目的で宿に忍び込んだのかは・・・・まあ、わかるな」

「わたくしたちを明らかに狙っていましたからね」


 襲おうとしていたってのと、眠り薬などの所持品が発見されたからである。


「ただ、対魔勇団の者じゃないことは確かじゃよ。そ奴らからならマスターのみを殺すことを目的にするじゃろうし、まだ妾たちの居場所もつかんでおらんじゃろう」

「ということは、それとは関係がないような誰かからの者ってことか・・・・」


 なんにせよ、襲った相手が悪かっただけだと同情をジャックは覚えた。


 全員適正者で、それぞれそれ相応に腕が立ち、容赦もない・・・・・うん、相手が本当に悪かったとしか言いようがない。


 しかし、全員気絶しているようだし(息していないのも混じっているけど)、誰からの者か情報が聞き出せないのである。


「うーん」


 とりあえず、早めにこの町をでようとジャックたちは決めたのであった。


 この黒づくめの人たちは気が付くまで宿で面倒を見てもらうことにしよう。瀕死だけど。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ぬぐぐぐう・・・・まだ帰ってこないでふね」

「もう朝ですからね」

(予想だと、たぶん捕まっているだろうな。もしくは逃げられたとか、ざま―ミロ!!)


 マーレイが昨晩から落ち着きなくうろうろしているのを見て、ヤプソンは内心ざまぁと思っていた。


 案の定、屋敷に戻った後マーレイは、屋敷にいる今まで幾度も命令で娘を攫わせてきた「シノービン」たちを夜にあの娘たちを攫ってくるように命じたのである。


 彼らは本来、前当主が各地の情報を集めるための諜報部隊であった。


 だが、その腕をマーレイは卑猥な方向へと曲げて使用してしまったのである。


 彼らの手にかかれば、何処にいようがその娘たちを命令通りに攫ってこれるはずだったが・・・。


 一晩経っても戻ってこないところを見ると、おそらく撃退されて捕まったか、もうこんな大豚野郎に仕えてられないと思って逃げたかのどちらかであろう。


 諜報部隊としては優秀だったため、いなくなられると困るものだが、今は娘が攫われてこないことに安心していた。


「彼らは任務に失敗したのでしょう。ここはあきらめたほうが良いですよ」

(ざまーみやがれ!!いい薬だ!!)


心の中でバカにしていることがばれないように、ここは執事として対応した。


「ぐぬぬぬぬ・・・・彼らがいなくなるとは思っていなかったでふ。これから先、攫うように命令しても受けるやつがいないならどうすればいいんでふか!!」

「経済状況的に、新たなシノービンを編成するのはもう無理ですよ」

(というか、いい加減まともにならんのかこの腐れ豚?)

「はっ!この手があったでふ!!」


 と、いきなり何やらマーレイがまたろくでもないことを思いついたようである。


「ヤプソン、あの薬(、、、)はまだあるでふか?」

「あの薬・・・この間、強情な女性を無理やり手籠めにしたあの薬ですか?」

(ああ、絶対この薬の事だよな。この野郎、あきらめの悪さだけならどこの貴族にも負けていないな)


 マーレイの質問の意図を、ヤプソンはすぐに悟った。


「そうでふ。その薬をでふね・・・・」




 マーレイのその案は、確実にこいつの身を滅ぼす物だろうとヤプソンは直感で悟った。


「なるほど、そのようにして・・・・では、すぐに準備をさせていただきます」

「うむ、頼りにしているでふよ」


 マーレイはすぐに屋敷へと戻り、その薬のビンを持って思った。


(よくよく思い出してみると、あの娘たちはそれぞれ武器を持っていた・・・ということは適正者。なぜここにいるかはわからないが、適正者だとすればシノービンたちが戻ってこないのに説明がつく。だとすれば、あの豚野郎の案通りに行けば・・・腐れ豚野郎の死体ができる!!家をつぶすような感じになってスイマセン前当主様!!ですが!!確実にあの汚物を処分できるチャンスですよ!!)


 もう、あの腐った野郎をこの世から消し去るチャンスはこれしかない。


 ヤプソンは、そう思いながら通常の3倍ものスピードで素早く与えられた命令をこなすのであった・・・。







なにやらろくでもないようなことを企むマーレイ。

だが、その執事のヤプソンはこれが滅びの道になるのをわかっていたが、あえて黙った。

果たして、ジャックたちはどうなるであろうか!!

次回に続く!!


・・・シノービンの人たちは一応鍛えていたからまだいいけどね、鍛えるどころか緩みまくっているマーレイは・・・・

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