誕生
おじいちゃん生まれました。
ちゃんと伝わるように書けてるか心配です。
目が覚める。
うお・・まぶしっ!
久しぶりの感覚に驚きながらも自分が生きておることを確認する。
儂は転生を繰り返しておる。
ざっと99回目になるか。
初めて転生したときはそりゃ驚いたもんじゃった。
しかし今じゃ、赤子のふりからおもらしまで完璧じゃて。
転生はいつも赤子の時に自覚出来る。
生まれてすぐじゃ。
今回も例にもれず生まれたばかりじゃの。
ここはひとつ産声を上げてやらんと儂を生んでくれた親が心配してしまう。
どれ、ひとつ。
「おんぎゃあああああぁぁ・・・・!!おんぎやぁあああ・・・お?」
うむ、完璧な赤子じゃて。
なかなかよい声をしとる。
「×××・・・!!×x・・××x×・・××x×・・・!」
儂を抱き上げる若い女性。
ふむ・・べっぴんさんじゃの。
驚いて変な声が出たわい。
しかし、やはり・・か。
泣いておるのぅ・・・。
いや、もちろん儂がじゃなくて、若い女性が泣いておる。
理由はわかっておる。
儂がたぶん一度死んでしまったんじゃろうな・・。
儂、というよりこの赤子のことじゃな。
確認するすべはないが、儂の体はいつも虚弱であることが多い。
といっても主に、風邪をひきやすい、ということぐらいか。
赤子を乗っ取っておるんじゃないかと、4度目の転生時はそれは悩んだものじゃ。
未来を奪うことはそれは心苦しい。できるなら返してやりたいと思い立って自殺した人生もある。
しかし、そんなことをしてどうなるというのか。
どうにもならん。
ならば、精一杯生きるのみと半ば自分を言い聞かせていたころじゃな。それに気が付いたのは。
どうも、50の人生をこえて今までの生まれを考えてみると、体が弱いことが多い。
だから儂は、命の火が消えそうな体を貸していただいていると考えるようにしてきた。
まあ、ここ最近の転生ではバリバリ元気な赤子続きじゃったもんで、ちょっと面食らったがの。
そこで、じゃ。
今回は、今までと違うことがもう一つある。
というより、儂が驚いているのはそっちの方がでかい。
この人ら、外国人じゃね?
金髪の髪の女性、瞳は黒いがその隣の夫は茶髪。
しぶいの。
儂、今まで転生してきたけど、生まれはいつも日本じゃった。
ハワイ楽しすぎて国外で死んだこともあるが、次生まれたときは北海道じゃったし。
いやなに、日本在住の外国人ということもある。
しかしの、声がの・・・。
言葉が英語じゃないんじゃが・・。
儂、たいてい言葉はしゃべれるが先ほどからの会話、全く聞き取れん。
などと考えておると、母と父に連れられ、祭壇のようなものの前まで連れていかれる。
祭壇の後ろはガラス張りになっており、外が見える。
掲げるようにお祈りする両親。
儂はそこで言葉を失った。
ガラスの向こうに見える空に、太陽が2つあるのだ。
・・・・・・・ついにボケたか・・・。
夢か、と思い眠りにつく。
なんじゃ、まだ98回目死んでおらんかったんじゃないかい。
よんでくださりありがとうございます。
そろそろおじいちゃんの人生紹介したいし、話も進めたいし、腕がもっとほしいです。