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罪過の守護者  作者: アバン
第一章 目覚め
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プロローグ

勢いだけ過ぎで連載開始してしまったので、内容を少し見直しました。

主人公の名前や、中身が一部変化しております。申し訳ありません。

ある者は言った。

―神は存在する!―


またある者は言った。

―存在が実証できぬ以上、神など存在しない!―


そして、人類第二の進化とも呼べる事象は傍観者である彼の一言から始まった。

―ならば、神を作ってしまえばよろしいのでは?我らを受け止める大地に宿る聖霊を。我らを導く救世主を。我ら、人類の守護者たる神を―







それは愚かな人類に本当の意味での神が下した天罰なのかもしれない。







◇◇◇◇◇◇◇◇




若年男性「だめです、今年も食物生産量は全世界で前年割れです」

年配男性「そうか・・・もう10年連続で減産か・・・」

若年男性「はい。海水の濾過水利用も内陸部までは及ばず・・・」

年配男性「このままでは本当に三回目の大戦に転がり落ちてしまうかもしれん。どうにか今は各国首脳陣の牽制で収まってはいるが・・・仕方ない、あの計画発案の準備だけは現状と並行で進めてくれ」

若年男性「あれ・・・ですか?」

年配男性「あぁ、楽園を目指し、我ら泥人形の子孫の希望を乗せる、ノアの箱舟をな」




◇◇◇◇◇◇◇◇




若年男性「・・・大戦により、世界人口は110億人まで減少しました。が・・・」

年配男性「食料生産率はむしろ悪化、か・・・当然だな、戦争をしているのだから」

若年男性「言いたくはありませんが、我々人類は原罪から逃れられないのでしょうか・・・」

年配男性「私も神は信仰している。が、君ほど熱心では無くてね・・・既に神に頼る事はやめてしまったよ。運命は、我々自身、それぞれの確固たる意志が無ければ切り開けない。キリストやブッダ、アッラーもそうであったろう」

若年男性「私は議長ほど、確固たる意志は持てそうにありませんよ」

年配男性「ふっ、なに、そう言うな。これからは縋る神ができるやもしれんし、確固たる意志がないと切り開けない世界が暴かれるのかもしれん・・・まぁ、結局どう転んでも今とさほどかわらんよ」

若年男性「はい・・・何にせよ、食糧事情は悪化の一途を辿るばかりです。あの計画を議題に挙げるという事でよろしいのですか?」

年配男性「うむ、次の議会で挙げてくれ。本命である和平は成らんだろうが、並行してこちらを進めることもできるだろう。大戦の根底は食料事情だが、もう引っ込みの付かない処まで来ているし、この計画に関する利権で更に揉めるだろう。この計画は我々が主導するしかないな。アレは実用化したのだろう?」

若年男性「はい、プロトタイプが完成し、動作も想定通りと聞いております。寿命までは実際のところ不明ですが・・・」

年配男性「ある程度の結果が出るまで待つ訳にもいかんしな・・・よし、各国への根回しをもう一段階進めてくれ」

若年男性「かしこまりました」

年配男性「果たして鬼が出るか、蛇が出るか、な」




◇◇◇◇◇◇◇◇




 男性リポーター「ご覧下さい!今!正に人類の歴史にまた偉大な一ページが刻まれようとしています!正に!正に今!人類の希望を乗せたノアの箱舟!ホープシーズが外宇宙へと旅立つのです!」

年配アナウンサー「松戸さーん、このエリュシオン計画というのは本当に各国の首脳陣の皆さんが成功を信じているんでしょうか」

 松戸リポーター「・・・はい!えー先日の記念式典の際にガイウス議長からもお話がありましたが、各国の公式見解としては平和を尊び、人類の新たな一歩となるとの考えで一致しているとのことです!」

年配アナウンサー「現在でも、我が国を含めいわいる第三次世界大戦が続いている訳ですが、どうして国連は大戦が終結する前にこの計画を推し進めたのでしょうか」

 松戸リポーター「・・・はい、その指摘は実際各国のメディアから相次いで指摘が出ておりますが、あくまで戦争と経済活動は別という、過去2回の大戦には無かった事項が―――」




◇◇◇◇◇◇◇◇




男性「み、水・・・水・・・み、みみみみみ・・・・・・」

女性「・・・いけない!気を確かに・・・さぁ、ゆっくり飲んで下さい」

男性「み、みずぅっ・・・んぐっ・・・ごほっ!げはっ!ごほっ!ごほっ!」

女性「いけません、ゆっくり、そう、ゆっくりと飲んで下さい。水や食料もたくさんありますから」

男性「おぉ・・・おぉ・・・正に、聖女だ・・・・・・」




◇◇◇◇◇◇◇◇




女性「もう二人ともやめて!こんな・・・こんな事をしてもどうにもならないじゃない!」

男性「何を!こいつが、こいつさえ居なければ・・・お前はいつもそうだ!いつも俺から攫っていく!お前はトロイアのパリスの生まれ変わりだ!」

男性「落ち着け!俺たちは前から」

男性「黙れパリス!ならば俺はヘレネ―を取り戻す為に戦った先人達に倣うだけよ!」

女性「お願い、待って、なぜ、なぜこんな事を・・・・・・うぅっ」




◇◇◇◇◇◇◇◇




男性「なぁ、最近魔法の効果が薄くなってねぇか?」

女性「なぁに言ってんのよ、アンタが耄碌しただけじゃないの?」

男性「なっ、てめぇ!それが家族を養う亭主に言う言葉か!」

女性「だったら私以上に稼いできておくれ!やれ、獲物が少ないだの、今は産卵期だからだの!」

男性「お、そ、そりゃおめぇ狩りには周期ってもんがな・・・」

女性「次もボウズだったら酒から切り詰めるからね!」

男性「おい!そりゃぁ!・・・勘弁してくれよ・・・」




◇◇◇◇◇◇◇◇




こうして時は神聖歴900年。

とある山の一角から地震により遺跡が出現した。

物語はとある王国の兵士が奇妙な物を発見したことから端を発した。


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