Chapter1:Foolishness
Chapter1については特筆すべき事は特にないですが、これから先の話に過激な表現を書き入れる可能性がありますのでご注意願います。
太陽が真上に昇りきったし、そろそろ授業が終わりそうな時間だ。晴れてるから、昼休みはいつものようにアイツと屋上でランチだな。単調で面白みのないスクールライフで唯一俺が俺になれる時間であり、楽しい時間。
四十五分一セットの授業の終わりを告げるうるさい鐘の音が鳴り響いた瞬間、クラスのガキ供が俺に集る。俺はいつもの演技で適当に笑わせ、振り切って屋上に向かった。そこに着くと、すでにアイツはいた。約束の時間を一分程まわっていた。
「榊、遅い。」
「悪い翔。馬鹿の相手も結構疲れるんだよ。」
コイツとはもう10年近い付き合いになる。名前を翔といい、昔から用件のみを簡潔に喋るいけすかない野郎だった。でもいつでも俺の本音を理解してくれる、唯一の俺の本当の友達。世界でただ一人、俺が演技をしないで話す人。
「波風たたないように表面だけでも仲良くしとこうってか?馬鹿らしい。」
「俺は敵を作りたくないんだよ。あんな馬鹿供と仲良くする気なんかさらさらないけど、面倒なことが起こらないようにするには仕方ないことだ。」
「お前らしくない。誰の相手をしなくても僕のように暮らせるのに…無駄な努力だな。」
「うるせーな。あーあ…人類滅亡しねぇかなぁ…。そしたらこんな面倒な演技しなくて済むんだよ。」
「そうだな…。」
俺はこの腐りきった今の日本が大嫌いだった。どこを見ても、教育が行き届いてないんじゃないか?と言いたくなるような騒がしい馬鹿ばかりで吐き気がする。そんな世の中に不満を持って、いつか全てが無に還るのを望んでいる人間。それが俺と翔だった。
「んで、話したいことって何だよ?」
昨夜、普段は全く自分から連絡をしてこない翔から、話したいことがあるから明日必ず屋上に来い。と珍しく電話があったのだ。
「いや…大したことじゃないんだが。」
いつどんな時でもスパッと物を言う翔が言葉を濁すので、俺は苦虫を潰したような気持ち悪さに襲われた。平生を装って必死に話そうと思ったが、何だよ?と一言だけしか絞りだす事ができなかった。
「昨日電話しただろ?あの時に…正確にはあの前に、家族を全員殺したんだ。」
「はぁ?殺したってお前…。」
…また出たよ。翔お得意の法螺話だ。コイツは小学生の頃からよく嘘をついた。最近になってわかったことだが、翔の両親にとって翔は望まない子であり、幼い頃からずっと虐待してきたらしい。その境遇が彼を虚言癖持ちにしたのだろう。
しばらく黙々と弁当箱から塊を口に運び、塊が全て箱から消え去ると、
「今から家に見にこいよ。」といつもの口調で言った。
「わかったよ…。」
ちょっと深刻そうに言っては見たみたものの、どうせ何もないんだろ?なんて内心考えたりしていた。しかし、さっきの翔の俺に話すときの躊躇い方を思い出すと、今話されたことに寒気を感じた。本当にこの翔が家族を殺していたら…。そう考えると、先に立って歩きだした翔の姿は黒い影にしか見えなかった――。
何だか眠い時に書いたので記憶が曖昧な水倉です。こんなつまらない小説を手にとって(?)読んでくれたアナタ!感謝感激です(涙)まだ読みたいなんて言う頭のオカシイ変り者がいましたら(コラコラ笑)、どうか私の作品にもうしばらくお付き合いくださいm(_ _)m