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僕だけしか知らない話  作者: 六木 正道


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埴輪

お母さんに新しい本を買ってもらったんだ、特にこれといった読みたい本はなかったけど、目に留まった短編ホラー小説集が気になって、買って読むことにしようと思うんだ、、、読者の君たちにこの小説を一話ごとに紹介していくよ、、、覚悟してね、

「第1話 埴輪」


僕は友達が少なく、いつも一人で遊ぶのが好きな子供だった。

一人で絵を描いてり、物を作ったりと何をするにもいつも一人だった。


そんなある時僕は公園で一人で土から土人形を作っていた。普通なら泥団子などを作るのが相場ではあるが、、

「出来た!」出来上がったのは不恰好な土人形いわゆる埴輪だ。


そうこうして遊んでいるとそろそろ門限の帰る時間になり、作った土人形を踏み潰そうとした時、「やめて、、」土人形が喋った。


僕は驚いて、腰を抜かした。「土がしゃべった、、、」

土人形はさらに小さな声で喋る。「み、み、水」土人形は夕陽に照らされ風に吹かれて、乾燥していたのだ。哀れに思った私は慌てて水道の水を手に濡らし湿らせた。


「ありがとう。助かったよ。」僕は不思議に思って聞いた。

「なんで、喋れるの?」土人形が言うには孤独に遊ぶ僕を見かねて神様が土人形に命を吹き込んだそうな、僕は信じられなかったが、友達ができた気がして嬉しかった。


僕はそれからと言うもの毎日土人形と遊んだ。そして外で遊んで家に帰ると少しずつ土人形は外の土を自分自身に取り込んで大きくなっていった。さらに、自分自身の体の大きさを変幻自在に操れるようにもなっていた。


ある日僕くらいの背丈になった土人形と公園で遊んでいると、他で遊んでいる子供たちが声をかけてきた。

「君何と遊んでいるの?」

「僕が作った土人形だよ。」

「気持ち悪りぃなぁ、こっちきて一緒に遊ぼうよ、そんな奴と遊ぶよりこっちの方が楽しいぜ。」僕は初めて同年代の子達に誘われて、心の底から嬉しかった。

それからと言うもの僕はたくさんの友達ができて、その友達とばかりと遊ぶようになった。土人形はというと家で一人寂しく留守番だった。


土人形は乾燥してきて「前みたいに、水で湿らせてよ。」と言っても、

僕は「友達との約束があるんだ。君には構ってられないよ。」と突っぱねた。

その夜、僕と土人形は喧嘩をした。腹を立てた僕は土人形を追い出した。

「二度と帰ってくるな!土ごときの分際で、馴れ馴れしいんだよ。」


僕はさらに友達との遊びに熱中した。

とある日、家に帰ると僕の部屋に土人形がいた。僕は急に現れた土人形にびっくりしたが、前急に追い出したことを謝ろうと思っていたし、後悔していた。

「ごめん、前はカッとなって追い出して謝りたかったんだ。」

しかし、土人形は表情ひとつ変えずにこう言った。

「いいんだよ、もう僕と君はこれからずっと一緒だから、、、」

「えっ、、、どういうこと?」僕がそう言った時にはもうすでに遅かった。

土が僕の体全体を覆い被さった。



夕食の時間だ。お母さんが下から叫んだ。

「ご飯よ!降りてきなさい!」

しかし、返事はなかった。

僕の部屋の窓際には二つの埴輪人形だけが残っていた。






怖くなかったかな???次の話が楽しみだね。

そして本を閉じ、ベッドで眠りについた。

窓には埴輪のような影が佇んでいた。



第1話 埴輪 〜完〜


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