高市氏の「台湾は存立危機事態になりうる」発言の主要登場人物が「全員ヤバい」件について
高市氏の「台湾は存立危機事態になりうる」と言う発言に主に関わっている人物・組織が「皆ヤバい」ことについて各カテゴリに分けて時系列で個人的な分析を行いましたのでどうぞご覧ください。
◇高市総理について
11月7日 高市早苗首相が衆議院予算委員会で、日本が直接攻撃を受けていなくても、密接な関係国(米国など)への武力攻撃が日本の存立を脅かす状況を想定したものとして台湾有事について、
「戦艦を使い武力行使が伴うような場合、それは『存立危機事態になり得る』」と発言されました。
まず皆さん、高市総理の「存立危機事態発言」について「僕と認識が違い過ぎる」と思います。
※高市氏の存立危機事態発言を評価しているのは7割前後
確かに「問題無い派」が主張するように「存立危機事態になりうる」ということは「なりえない」と言う可能性もあり、他の要素も関わってきます。
しかしそれでも2015年に成立した「安保法制」の「存立危機事態」の実例にはこれまで「日本邦人を乗せている米軍艦隊を守る」と「ホルムズ海峡封鎖に伴う原油途絶の恐れ」の2例しか存在しなかったんです。
この状況下で「台湾」をどういう形であれ「追加してしまった」ということをは中国にとって大きな意味を持つんですね。
また、「問題無い派」はアメリカ軍が参戦していることが前提なので日本が自発的に救援に行くことは無いと主張していますが、
「内戦」にアメリカ軍が出ていくことはまずないために「台湾を国」として間接的に認めてしまったも同義であるということも同時に意味しています。
僕とて中国は好きではないが国際法上は「日中友好」で「台湾を中国と一体として承認まではしていないものの理解までしている」「台湾と国交断絶」と言う状況を絶対に忘れてはいけないと思います。
国民感情としては「台湾一択」と思うのですが、国際法上の関係とは切り離して考えるべきです。
※ちなみにこれまでは 「いかなる事態が存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即し情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難だ」(2024年2月、当時の岸田文雄首相)などと答弁していました。
◇立憲民主党
問題発言「呼び水」となる質問をした岡田氏が「アドリブ質問」として無理やり引き出そうとしたからこその、高市総理の「アドリブ回答」だったわけです。
3度も同じような質問をし、最後は答弁にも無い内容で突っ込んでおきながら「答えてくるとは思わなかった……」と岡田氏が後日発言しているのは異常とも言えます。
岡田氏は民主党政権時代外務大臣も経験しており、政治家としての資質すら問われる状況とも言えます。
高市発言を問題視している側は岡田氏については追及しないことは問題だと思います。
岡田氏はイオン創業者の家系であり、日本のコンサートイベントや映画が中止になる中、湖南省長沙市にあるイオンは11月27日に予定通り新しく開業することができています。
このような状況から岡田氏が「中国のスパイです」と名乗ってくれた方がまだ道理が通るぐらいの話だと思います。
しかも、党代表の野田氏は11月21日に「外相経験者だったら過去の首相の発言を巡って真意を確かめたいと思うのは当然だ」と全面的に岡田氏を擁護しました。
つまり質問側の政党も「異常な状況」であるという事です。
◇自民党
自民党は基本的には評価できます。取り敢えず高市総理の「尻ぬぐい」として、「これまで通りの答弁」と一貫して主張し続けているからです。
中国との直接の関係ではありませんが、個人的には評価できなかったのは
自民党の高見康裕議員が12月9日衆議院予算委員会で「韓国による不法占拠という現状は1ミリも動いていない」として対応を要求すると「竹島は日本領土」と主張したという答弁です。
これは完全なる事実なのではあるのですが、このタイミングで質問することはご法度だと思います。
なぜなら、中国は国連での働きかけも行っており、国連決議で「日本が軍国主義に走っているかどうか」の決を採る可能性があるからです。
その際に、こんな答弁をしていたなら韓国も場合によっては中国側につくまであるのでこのタイミングで敢えて刺激する必要性は無いでしょう。
◇中国政府
中国はに中共同声明などに基づいて「台湾は中国領土」と主張することまではまだ分からなくは無いのですが、
中国総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない(11月8日)」
であったり、
攻撃用レーダーを自衛隊機に照射させるといった危険な敵対行為(中国も結んでいる海上衝突回避規範(CUES)違反)を犯す(12月8日)
など仮にも友好条約を結んでいる国相手にやるべき行為ではないでしょう。
また日本への渡航自粛の理由も当初は「治安の悪化」だったものが、合理的に数値で否定されてからは「地震の頻発」に変更されたりと非常に一貫性が無く大人気のない対応と言えます。
◇マスコミ
マスコミは上記のような複雑な状況について解説をしてくれることはほとんどありません。
特に「存立危機事態」というのが一般的な定義ではなく、法律用語であり、自衛隊を動かすか否かの大きな鍵であるという事。国際法上は中国を尊重しなくてはいけないことを述べてくれません。
そうなると国民側は「台湾を応援するか? しないか?」の2択の状況になり、高市氏を応援する方向に自ずとなってしまうという事です。
〇まとも(順当)な動きをしているグループ
◇台湾
日本の対応に関して素直に歓迎しています。
そりゃ、台湾の国防に少しでもプラスになってくれるのであればこの上ないことですからある意味順当と言えます。
また、日本が中国から完全に禁じられた水産物についても総統自らが食べるなどのPR宣伝も抜群と言えます。
ただ、それ以上の行動(武器輸出や部隊派兵確約など)要求はしていないというのも立場をよく理解していると言えます。
◇アメリカ
中国からはレアアース、台湾からは半導体を依存しているためにどちらにも顔をそれなりに立てていると言えます。
ただ、民主党・共和党共に台湾に議員が乗り込んだりすることからどちらかと言うと台湾に力を添えたいのでしょう。
文化交流の促進(12月4日)や1.7兆円の武器輸出(12月17日)など台湾にとって有利な動きも見せていますからね。
中国はこの動きに対して怒りのコメントは見せているものの具体的な動きは見せていないので、ギリギリのラインを突いているのでしょう。
◇中国国民
少なくとも記事上伝えられている限りでは、大規模反日デモなどが行われていないです。
いつもであれば、中国の意に沿わないことを日本がしでかせば、すぐさま国民を扇動した「官製デモ」を行うためにかなり意外な状況であると言えます。
一部の噂ではありますが習主席の求心力が低下している説や日本に行けなくて残念がっている中国の方も多いために命令しても動かないのではないかという説もあるようです。
高市首相は12月16日の参院予算委員会で、台湾有事について「存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことについて「従来の政府の立場を超えて答弁したように受け止められたことを反省点として捉える」と述べつつ答弁の撤回には応じなかったことからも「問題だった」ことは意識しているようです。
それぞれの役者が異常な雰囲気を感じますが、今のところは何とかレッドラインを超えていない感じではあります。
中国側も日本の技術に依存している側面があるためにある程度のラインで収まっているという話もあるようです。
いずれにせよ最悪の事態(戦争や海上封鎖など)が起きないことを心から祈りたいですね……。




