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第5話〜憂鬱…計画外…〜

金島side


「なんで…」


今までとは何かが違う怪人との一騎打ち中、必殺が生身の男に止められた

それは別に良かった…それよりもその男の顔には見覚えがあった


「圭…佑…くん…」


「名前呼びなんかしてたっけ?」


久しぶりに会う彼は前より素っ気なく感じる

半年ぶりに会うからだろうか…それとも…


『よくやったケイスケ…さすが我が弟だ』


「せんきゅ〜兄さん」


怪人の隣にいるからだろうか

……………………………………………………………………

橘side


「圭佑くん…なんで?」


「あ?なんでって」


「なんでそっちにいるの?あなたは人間でしょ?ならこっちにいないと…」


「いや人間だからとか怪人だからとかじゃなくて普通に俺がやりたいことやるためにいんのよ」


「何?それは怪人側じゃなきゃいけないことなの?」


「まあな」


(敵対ルートだしな)


「ハハッ…アッハハハハハハハハハハハハハ!!」


急に笑いだす金島

そしてまたドライバーに手をかける


「変ッ身!」


マスクドソルジャードーナツに再変身する金島

そして武器を持ち、こちらにゆらりゆらりと歩み寄ってくる

その姿はまるで幽鬼のようだった


「大丈夫だよ…君は…圭佑くんは洗脳されてるんだ…今助けてあげる…」


『なぁ弟よ…あの人間とは何かしら深い関係だったのか?』


「いや全然」


「なんで?なんで?あんなに楽しくお話したじゃん!」


頭に手を当て、狂ったように叫ぶドーナツ

そのまま駆け出してくる


『2人でやるか?』


「いや…1人でやるよ」




そのまま自然体に構える


「ア゛ァァァ!」


ドーナツの振った剣をシールドで防ぐ

そのまま手から波動を放ち、ドーナツを吹き飛ばす


「グハッ!?」


【チェンジ!】


叩きつけられながらもまた新しい形態に変化する


【グリーン!チェンソー!】


【グリンチェンソー!】


「ノコギリ人間かよ…」


「ハッ!」


そのまま両腕についたチェンソーを振ってくる

それを避けながらがら空きのボディに拳を振る


「グッ!?なんで!?なんで攻撃してくるの!?何をしようとしてるの!」


「お前には!関係ない!」


後ろによろめいたドーナツとの距離を瞬間移動で詰め、首をつかみ地面に押し付ける


「ガッ…」


「なんでよ…なんで…」


ドーナツは変身解除され金島蜜李に戻る

その顔は涙や鼻水でぐちゃぐちゃになり、嗚咽が漏れている


「さようなら金島」


首から手を離し、そのままレックの元へと歩いていった


『よくやった。帰るか』


「そだな」


そのまま扉を開き、魔界に向かう


「待っ…て…」


後ろから微かに聞こえる声を無視し、扉をくぐった

……………………………………………………………………

金島side


「なんで…」


私は今、ボロボロな体を引きずり、仮面寮の自室へと戻っていた

鏡も私の心情を察したのか多くは語らなかった

今、私の心はボロボロになっていた


『さようなら金島』


「嫌だ…嫌だ…圭佑くん…」


金島蜜李の人生は美貌と能力に狂わされてばっかりだった

幼少期はギャンブル狂いの父と色狂いの母の元に産まれ、暴力や暴言に晒される日々だった

少し体に丸みが帯びてきた時、父親からの性欲が籠った視線に恐怖を覚えた

そして家出同然で飛び出した

行く宛てもなく彷徨い、泥水を啜って生き永らえていた

そして運命の日…怪人に連れ去られ、魔界に幽閉されていた時だった

冷たい牢屋で飢え死にかけていた時、ある人が牢屋の前を通りかかった


「君…大丈夫?」


金島と変わらないただの人間

なのに牢屋の外で自由に出歩いている

しかし、今はそんなこと重要ではなかった


「助…けて…」


「どこか痛いの?」


「お腹…減った…」


「わかった!今ご飯持ってくるね!」


そのまま走り去り、すぐにご飯を持ってくる彼

私はそのご飯を貰いすぐにかき込む


「ありがとう…」


「ううん!あ!もう帰らなきゃ!じゃあね!」


「うん…また会える?」


「うん!次は遊ぼ!」


そのまま月日は流れ、壊れた牢屋から逃げ、そのまま人間界に帰った

あの時の男の子を探そうとしたが、帰る時そんな余裕はなく、そのまま記憶の奥底に閉じ込められていた


『…ええ何とか』


あの時、初めて見た時から気づいた

あの男の子だと

でも、馬鹿な私はあの男の子…圭佑くんがなんで魔界で自由に動けていたかなんて思い出さず、ただ楽しい日々に心を踊らせていた

会うことは少なかったが、それでも楽しかった

だからこそ…今は心がバラバラになりそうだった


「なんでよ…」


そのまま布団を深く被り、また泣く

泣いて泣いて泣いて…泣き疲れて眠りにつく

……………………………………………………………………

橘side


「これで…完成!」


金島との戦闘から数日後、俺はあるアイテムを開発した


『それは?』


「ああエウレカか…これは変身アイテムだよ」


『変身アイテム?ドライバーがあるのに?』


「あれは怪人専用だろ…俺はまだ使えないんだよ」


『だから作ったの?』


「そ…まぁ、擬似ではあるけどな…」


何故変身アイテムを作ったか

確かに怪人用のドライバーが使えないのも一理ある

しかし、橘圭佑の力は最終フォームにも引けを取らない

しかし、原作では最終フォームに敗北していた

それは何故か

所謂販促期間終了(大人の事情)

橘圭佑はエウレカから貰った変身アイテムで変身したマスクドソルジャーとして戦い、販促期間の終わりとともに敗北した

それを回避するため、俺は自ら変身アイテムを作り出した


「さて…あとは実践で使うだけだな」


俺は作業台から立ち上がり、変身アイテムを持つ


『どこか行くの?』


「ああ…少しな」


次に行こうとしている場所は魔界のアダム家

魔界でのレルリック家に次ぐ名家であり、この後の展開での黒幕になる勢力の旗持ちである


(あの家…潰さないと俺が大変なことになる…)


ゲーム版での主人公のハッピーエンドの中で、橘圭佑は死体をアダム家に回収され、生きる屍として使われていた

それをしたのはベルーナ・アダム

アダム家の一人娘であり、レルリック家として創り出されたケイスケ・レルリックの許嫁であった

しかし、その性格はお世辞ですら良いと言えない程であった


(今やらないと絶対傀儡ルートに入る…)


『あら…ケイスケくん…お元気でしたか?』


考え事をしながら歩いてると横の通路からひょっこりとバトラーが出てきた


「ああ…元気ですよバトラーさん」


『なら良かったです。ケイスケくんはどこかに行くのですか?』


「ええ。アダム家に挨拶に行こうかと」


『あら…アダム家ですか…ですが今アダム家は出払っているはずですよ。確か…人間界に行っているはずてすよ』


「え?」


バトラーから出てきた言葉に俺は呆然となる

アダム家が…人間界に行っている…


(それはつまり…)


『確か…あのアホらしい…ああそうでした。「箱庭計画」を実行するなんて騒いでましたっけ』


箱庭計画…人間界を征服し、牧場にする計画

元々何故怪人が人間を攫うのか

前に見た通り、薬物を打たれ怪物態になった結果、理性無く暴れるようになるタイプが多いが、稀にアダム家から派遣された怪人が居る

その怪人は魔界に人間を連れ去り、ある機械に入れることで人間からある物を抽出…それを他の世界との抗争に役立てている

箱庭計画はその武器資源を確保するための掃討作戦だ


(もう箱庭計画が動いた?いやそんなわけない)


箱庭計画が動くのは終盤も終盤

ファンの間ではアダム家の詰めの甘さが指摘され、笑いものにされていた


(なんで…いや今は考えても意味が無い)


『そういえば…何者かが魔界に侵入したようなのです』


「何者かが?」


『ええ…門番が全員殺されていたので間違いなく怪人では無いでしょう』


記憶よりかなり早まった計画…怪人ではない侵入者…何かが繋がりかけている気がする


「ありがとう…少し俺も調べてみるよ。アダム家も居ないなら今日は少し魔界をぶらつこうかな」


『あまり遠くに行ってはダメですよ?』


「分かってますよ」


心配するバトラーの言葉を軽く流し、屋敷を出る

向かったのは湖

何となく水を見たくなったのだ


「かと言ってやることもないし…少し昼寝するか」


昼なのに月が登っている赤い空を見上げる

段々と眠気で瞼が重くなってくる

そのまま意識が遠のき、完全に夢の中へと旅立った

……………………………………………………………………

???side


『ここはどこ?」


目覚めたのは水辺

起きたら知らない場所におり、そこから逃げ出してきたのだ

排水溝の中を通り、川に出た所までは良かったのだが、それから激しい川の流れに呑まれ、ここまで流されてしまった


『頭…痛い…」


脳裏に何かがよぎり、頭痛がする

そのまま水辺に沿って歩く


『おなか減った…」


向こうになにか…誰かが見えた

誰かが…倒れている


『助けて…」


倒れている人の手を握る

久しぶりの人肌の暖かさに目が潤む

そのまま瞼が重くなり、意識を失う

握った手を離さんしっかりと握りながら

おはようございます!バラッパーです!

今度から毎週日曜日の9時に投稿します!

時系列的にはもうマスクドソルジャー側から見るともう少しで主人公最強フォーム出るんですよね…

因みに圭祐くんの筋書きではまだ第三中間フォームくらいなんですよ

さ~てこれはどうなるんだ~^^

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