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第3話〜船の突撃!俺を放っておいてくれ!〜

橘side


「やっぱり嫌がるんだ…フフッ…」


提案を断られた金島は下を向きながらも体を震わしながら笑う

そして、手に持っていた銃…レコードバスターを向けてくる


「なら…動けなくしてでも連れてってあげる!」


そのまま銃撃を続けるドーナツ

それを躱しながら撤退しようとするが、ドーナツが回り込み脱出が出来ない


「逃がしてくれると助かるんだけど…なっ!」


手に持った剣をドーナツ目掛けて投げる


「そんなもの通用しないよ!」


「それはどうかな」


「ッ!?」


剣は確かにドーナツに弾かれる

しかし、足場は砂であり、回転そのまま砂に刺さり砂埃が起きる


「んじゃ…またね〜」


砂埃に紛れて逃げる

流石にヒーローは後ろから撃たないだろう

そのまま海の家の屋根に登り、いつも通り屋根をつたって帰宅する


「はぁ…次の怪人探さなきゃだな」

……………………………………………………………………

金島side


「けほっごほっ…」


砂埃が晴れ、砂浜に残されているのは金島1人だけだった


「またダメだった…」


変身を解除し、砂浜に座り込む

そこに残された剣を見ながら考え込む


「なんで彼はここに?」


警報は出されていた

一般人の立ち入りも警察が見張っているから普通の経路だと難しい

前見た光景から察するに…屋根を伝っての侵入

そして…先程聞こえた舌打ち


(倒したはずなのに舌打ち…)


その行動はある種の共感を覚えた

まだ自身が仮面寮に入ったばかりの頃、力のみを求めていた時に怪人を倒した時に生成されるディスクが無かった時にした反応と全く同じだった


(あの時は蒼華かから叱られたっけ…)


げんこつを受け、数時間に及ぶ説教を受けた記憶がフラッシュバックし、身震いする


「あっ…報告書書かないと…」


砂浜から立ち上がり、その場を後にする

スマホから鳴る着信音を無視しながら仮面寮への足を早める

……………………………………………………………………

橘side


数日後


「さて…ここであってるのか?」


俺は今、ある扉の前にいた


「これが魔界への扉…」


怪人について今はまだ人間に知られていない事実がある

それは怪人は別世界である魔界に住んでいること

そして稀に現れる扉から出てくること

おそらく前回のシャークモンスターは海の家の扉から出てきたのだろう


「入るか…」


扉に手をかけ、魔界に入る

扉の向こうには赤い空に陰鬱とした空気が充ちた異質な空間が広がっていた

そして、入った瞬間に何者かから攻撃を受ける


『何!?』


「執事怪人バトラー…か」


そこに居たのは執事服を着た蛇の髪を持った怪人がいた

魔界では怪人態より人間態でいる方が多く、バトラーもまた髪こそ蛇だがツリ目の碧眼美人だった


『貴様…ここがレルリック家の庭であることをわかっていながら入ったのか?』


バトラーが剣を構え直し、俺に問いかけてくる

レルリック家…本作のラスボスであり魔界を統べる王家である

そして、橘圭祐の本当の親でもある


「いや〜実家に帰ってきたのにそんな言い方無いな〜」


『実家?貴方のようなゴミはこの家にはいないと思いますが』


「はぁ…酷いなぁ〜あんたらが実験で産んだんでしょ?」


その言葉にバトラーは何か思い当たることがあったのか顔が青くなる

そして何故か自身の胸を抑え、震える手でこちらに近づいてくる


『まさか…貴方…』


バトラーが何かを言いかけた時、上から声が聞こえた


『何やってるのバトラー。そんな人間早く片付けてよ』


『申し訳ありませんお嬢様。しかし、この男について調べるべきだと思われます』


上にいるお嬢様と呼ばれた女…蜂怪人ビークイーン

黄色と黒の色でハニカム模様の服を着ており、背中から生えた羽でホバリングをしていた


『ふぅん…』


ビークイーンは俺の全身を見回し、踵を返す


『分かったわ。バトラー、おもてなしなさい。私はお母様にも報告するわ』


『了解致しました』


そういうとバトラーはこちらを向き、一礼してから言う


『ではご客人、こちらへどうぞ』


「もうご客人なのか」


『ええ…お嬢様がもてなせと仰られたので。さぁ、お屋敷はこちらです』


そう言いながら少し遠くに見えるお屋敷へと歩き出す

その途中で何か騒がしい声が聞こえる


『嫌だ!嫌だ!離してくれ!』


『暴れるな!よし打て!』


どうやらうさぎ耳の持つ怪人が扉の前で囚われ、何か薬剤のようなものを打たれてる様子だった


『あれは流刑ですね』


「ふ〜ん…」


『魔界で罪を犯したものはこちらである薬剤を打たれ、人間界に流されます』


「薬剤?」


『怪人を怪物態にする薬剤です』


そうこの怪人とは本来今のような人間態のことを言うものであり、人間界で怪人と呼ばれるのはこちらで言う怪物なのである

なのでこちらでは名前の下にモンスターは付いていない


『到着しましたよ。ようこそレルリック家へ』


考え事をしている間にたどり着いたようで大きな門の前に居た

その門が開き、バトラーはそのまま進んでいく

俺もその後を着いていき、ある広い空間に出る

そこには大テーブルが置いてあり、その奥には4人の怪人が座っていた


『いらっしゃい』


1番奥の婦人が声をかけてくる

その瞬間、体が硬直し冷や汗が吹き出す


『お母様怖がらせては行けませんよ?脆くて愛おしい人間にお母様は毒すぎます』


少し手前の席からまたもや女の声がする


(いやお前も同じようなもんだろ…)


その威圧感はお母様と言われた怪人と同等かそれ以上

しかし、それは懐疑的ではなく好奇の視線


『いらっしゃい人間。ここに立てることを光栄に思いなさい』


『ねぇ〜お姉様〜あの男私が貰っていい?』


そして、ビークイーンが机にダランとなりながらこちらに指を指してくる


『ふんっ…』


そして1番左奥にいる男の怪人はこちらを一瞥した後、興味なさげに前を向く


「ここに立ち入らせて貰ったこと、誠に感謝致します」


『堅苦しい言葉は良い…何が目的だ』


「私を…俺を君たちの仲間に入れて欲しいんだ」


『何?』


その瞬間首に剣が突きつけられていた


『人間如きが…ここに入って思い上がったか』


段々と首に剣を押し付けてくる


「はぁ…そんな乱暴しないで欲しいな」


剣を能力を使って押し返す


『貴様⋯それは…』


『え〜〜〜!?』


『そんな…』


慌てる怪人

しかし、お母様と呼ばれた怪人…マザーは冷静にこちらを見据える


『良いでしょう…あなたの仲間入りを許します』


『『『⋯⋯⋯』』』


「意外と反発の意見は少ないんだね」


『それを見せられてはこちらも頷かなければ行けません』


「ま、だと思って来たからね」


『歓迎しましょう。名前は?』


「橘圭祐」


『なら今日からあなたはケイスケ・レルリックです』


「ありがたき幸せ」


名前を貰い、恭しく一礼する

その後食事が行われ、部屋に案内された

そこで一通り説明を受けた後、自由時間になる


「さて…こっちだっけか」


そして魔界に来た一番の目的を探しに行く


「これで完全敵対ルートだな」

……………………………………………………………………

金島side


「ッグ!?」


怪人からの攻撃を受け、変身が解除される

桃兎の跳躍力と脚力に翻弄され、上手く攻撃が加えられなかった


『ギャギャッ!』


桃兎は知能を感じさせない動きでこちらに近づいてくる


「くっ!」


また変身し、相対する

しかし、またすぐに変身解除されてしまう


「クソ…」


「みっともないわね!!」


後ろから聞こえてくるのは仮面寮の同期であり、ライバルの獅子音奏音(ししねかのん)の声

吹き飛ばされた時に落としたシップ陰ディスクを片手でいじりながら言う


「逃げて…貴方はまだマスクドソルジャーには…」


「な〜にふざけたこと言ってるのよ!あなたにできて私に出来ないことなんて無いわ!」


そう言うと彼女もまた、腰にベルトを巻いた


「変身!」


その言葉と共に船の幻影が彼女を挟み込み青色のインクが溢れ、爆散…そこにはマスクドソルジャーがいた


「マスクドソルジャーインチ!ここに参上よ!」


そこからは、格闘技の得意な彼女らしい一方的な蹂躙劇だった


【チェンジアップ!】


そして3つ目の音溝に合わせた奏音は低い態勢になる

音声に合わせて地面から鰐の顎が現れ敵を噛み砕く


【急急如律令!青船(ブルーシップ)突撃(チャージ)!】


巨大な船の幻影と共に敵に突撃した


「ふんっ!楽勝ね」


空中から落ちてきたバニー陰ディスクをキャッチし、変身を解除する奏音


「ほら!立ちなさい!」


金島は手を取り、立ち上がる


「助かったわ…ありがとう」


「ふ、ふんっ!ならいいわ!」


踵を返し歩いていく奏音

金島はその後を追い、走った

読んでくださりありがとうございます!

いや〜書くのが楽しい楽しい!

少し日常パートとか少なめなんですがそこはまぁ…大目に見てください(´>ω∂`)

次も楽しみにしてくれれば嬉しいです!

また次のお話で!

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