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黒月の使徒との死闘

ロイは振り返り、仲間たちを一瞥した。その眼差しには、確かな決意と共に一抹の不安もあった。しかし、そんな気持ちは仲間たちを見た瞬間に消え去った。


「これまで通りだ。皆で戦おう」


その言葉に、カイルが力強くうなずく。


「そうだな。俺たちがついている」


リリィもその背後で呪装を発動させ、さらに気を引き締めた。


「私も後ろから支援するわ」


エファトは無言で剣を抜き、前へと踏み出す。その鋭い目は、まるで長年の戦士のような冷徹さを持っていた。


「行こう、みんな」


ロイが呼びかけると、仲間たちは一斉に動き出した。彼らの周りに立ちこめていた黒月の呪いがますます強くなり、空間が歪み、まるで異次元に引きずり込まれるような圧力がロイたちを包み込む。


その瞬間、敵の使徒たちが再び動き出す。先ほどよりも数倍強力な攻撃を繰り出してきた。


「来るぞ!」


カイルが盾で攻撃を受け止めながら叫ぶ。しかし、ロイの心は決して揺るがなかった。彼は力を込めて呪装を発動させ、体全体にその力を巡らせる。呪装の力が彼の身体を圧倒的に強化し、黒月の呪いの使徒たちとの戦いが始まった。



ロイは目の前に迫った使徒に向かって、まずは一歩踏み込んだ。その瞬間、敵の使徒の一体が手をかざし、黒月の呪いを込めた波動を放ってきた。


「しまった!」


ロイは反射的に横に跳び、攻撃をかわすが、その攻撃の威力は凄まじく、周囲の地面を抉るほどだった。


「だが、それで終わりじゃない」


ロイは冷静に呪装を再起動させ、攻撃のリズムを読んで次の瞬間に一気に反撃を開始した。呪装の力で振るった剣が、黒月の使徒の防御を打ち破り、鋭い一撃を加える。


「おおっ!」


エファトがその瞬間に使徒を一閃で斬り伏せ、さらに進んでいく。彼の動きはまるで流れるようで、無駄が一切ない。彼の剣術の極みと、不老剣の威力が一気に発揮される瞬間だった。


「後は俺たちに任せろ」


カイルはロイの側に寄り、剣を振るう。彼の体力は並外れたもので、敵の猛攻をものともせず、盾で防ぎながら確実に一体一体を倒していった。


「リリィ、援護を頼む!」


ロイが声を掛けると、リリィは呪装を使い、魔法の矢を次々と放つ。その一撃一撃が精密に敵を貫いていく。


「この呪いの使徒たち、ただの軍団じゃない。奴らは、黒月そのものの力を帯びている」


エファトが冷静に呟きながら、さらに前進し、使徒のひとりを斬り伏せる。


ロイはその言葉の意味を理解しつつ、また新たな使徒の動きを感じ取る。それと同時に、彼の体に流れる呪装の力が、今まで以上に強く感じられた。以前は彼を制限する力だったその呪装が、今では全身を貫くエネルギーとなって、まるで一つの巨大な力へと成長していた。


「来る!」


使徒たちの中からさらに強力なものが出現した。それは他の使徒とは一線を画する、まさに黒月そのものを宿しているような存在だった。


その影は巨大で、暗い霧のように広がっていた。視界が一瞬にして暗くなり、周囲の空気が冷え込み、時折、鋭い風が吹く。ロイはその敵の姿を目の当たりにし、胸の奥に迫る圧力を感じた。


「奴が黒月の使徒の長だ……!」


エファトがその姿を見て、冷静に言葉を発する。その長は、見た目こそ人間の姿に近いが、周囲を取り巻く闇のエネルギーは常識を超えていた。


「お前が黒月の使徒の元凶か!」


ロイは剣を構え、全身の力を集める。仲間たちもそれぞれの役割を果たすため、戦闘態勢を整える。


「そうだ。私は黒月の使徒、闇の主。この世界を呪いで満たすのが我が使命だ」


長がその口を開き、低く響く声で告げる。その言葉と共に、闇の力が集まり、次の攻撃が放たれる。


「この力……!」


ロイは目を見開き、全身の呪装を解放してその攻撃を受け止める。しかし、それでもその力は凄まじく、ロイの足元が崩れ落ちそうになる。


その時、エファトが動いた。


「私に任せろ!」


彼の不老剣が一閃し、長の攻撃を弾き飛ばした。その瞬間、ロイは一気に間合いを詰め、剣を振るう。


「行くぞ!」


ロイの一撃が、黒月の使徒に放たれ、激しい衝撃が走った。

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