運命の決戦、そして新たな道
ロイは仲間たちと共に、かつて自らが通った道を進んでいた。目の前には新たな試練が待ち受けていることを、彼は十分に理解していた。しかし、今のロイには確固たる覚悟と、仲間たちの力がある。どんな困難が待ち受けようとも、彼はもう一人ではないのだ。
「ロイ、あれを見ろ」
エファトが静かに指摘する。その視線の先には、暗い森の奥に灯りがともる集落が見えた。あの場所は、かつてロイたちが初めて戦った場所だった。しかし、今ではその集落も、呪いに侵されているのだろうか。
「俺たちの力だけでは、あの呪いを完全に消すのは難しいかもしれない。しかし、これだけの仲間がいれば……」
カイルが言葉を続けた。彼の言葉には、確かな自信と覚悟が込められている。
「うん、確かに。だけど、気をつけろ。あの呪いの力は、ただの呪装とは訳が違う。黒月の呪いが絡んでいる以上、僕たちだけの力では……」
リリィの声は少し不安そうだったが、ロイはその不安を感じさせることなく、しっかりとした声で答えた。
「大丈夫だ。僕たちはもう一人ではない。みんなの力を合わせれば、必ず乗り越えられる」
その言葉に、仲間たちはそれぞれしっかりと頷き、ロイに続いて進んでいった。彼らの心に共通しているのは、ただ一つ。決して後退しない、という強い意志だ。
◆
夜になり、彼らは集落の近くに到達した。今までの静けさとは打って変わり、辺りには不気味な静寂が漂っている。空には黒月が照り、星一つない暗闇が支配していた。
「気をつけろ。ここから先は、呪いの力が濃くなっている」
エファトが低い声で警戒を促す。ロイもその声に耳を傾け、全身を張り詰めた。これから彼らが対峙するのは、ただの呪いではない。黒月の呪い、それも巨大な力を持つものだ。
「気配がする……」
オルガが静かに呟く。その目が鋭く、何かを感じ取ったのだろう。突然、あたりが重く沈黙し、空気が冷たくひんやりとした。
そして、その時だった。
「来た!」
リリィが叫んだ瞬間、闇の中から無数の影が現れ、彼らを取り囲んだ。黒い装甲を纏った、異形の存在。彼らはロイたちを見て、無言で近づいてくる。
「これが……」
ロイはその姿を見て、息を呑んだ。それは、かつて彼が目にしたことがある呪いの使徒たちだった。しかし、今目の前に現れたのは、その何倍もの強さを誇る者たちだった。
「敵か!」
カイルが飛び出し、最初に相手を切り裂こうとする。しかし、その瞬間、敵の一体が振り向き、激しい気配を放った。
「この力……!」
ロイはその気配を感じ取る。目の前に立ちふさがる敵の中に、特に強い気配を持つものがいた。それは、黒月の呪いを使いこなしている者だ。
「お前たちが、黒月の呪いの使徒か!」
ロイが声を張り上げると、敵の一体が薄く笑みを浮かべて答えた。
「そうだ。貴様らのような者たちが、我々に逆らうとは、愚かだ」
その言葉と共に、黒月の呪いを操る使徒が動き出す。手をかざすと、周囲の空間が歪み、黒月の力がロイたちに迫る。
「気をつけろ!」
エファトが叫び、すぐに自らの不老剣を構える。ロイもその瞬間に自らの呪装を引き出し、全身に力を込めた。仲間たちもそれぞれの力を解放し、準備を整える。
「行こう、みんな!」
ロイは叫び、最初に敵に向かって突っ込んだ。仲間たちもそれに続く。ロイの体を駆け巡る呪装の力は、以前のものとは比べ物にならないほど強大だ。しかし、それでも黒月の使徒たちの力はそれを上回っている。
激しい戦闘が始まる。ロイはその力を全て解放し、敵に立ち向かう。エファトは冷静にその剣を振るい、敵の攻撃をかわしながら切り裂いていく。カイルは盾となり、リリィは遠距離から呪装を駆使してサポートする。
だが、敵の数は多い。黒月の呪いの使徒たちは次々と現れ、ロイたちを囲みながら迫ってくる。
「これだけでは足りない……!」
ロイは自分の力だけでは限界が来ていることを感じ始めていた。その瞬間、心の中で仲間たちと絆を感じる。
「俺たちなら――」
ロイは一度深呼吸をし、仲間たちに向けて叫んだ。
「みんな、力を合わせろ! 一緒に戦うんだ!」
その言葉に、仲間たちは答えるように戦いの中でさらに力を込める。ロイもまた、呪装の力を最大限に引き出し、全身の力を爆発させる。
次々と呪いの使徒を倒し、ロイたちはその中心へと向かっていく。しかし、その先には、さらなる強敵が待ち受けていることを、ロイは予感していた。
次回に続く。




