仲間との再会、そして新たな力
ロイはエファトと共に、荒れた大地を進みながら、これからの戦いに向けて心を整えていた。彼の中で何かが変わったことは確かだった。呪装の力を完全に使いこなすことで、彼の内なる力は一層深まった。しかし、その力だけでは足りないことも理解していた。今、彼には仲間たちとの絆が必要だった。
「ロイ、少しは休め。無理しすぎだ」
エファトが静かに言ったが、ロイはそれに答えずにただ前を見据えた。彼は今、全ての力を使い果たしたような疲労感を感じていた。それでも、歩みを止めるわけにはいかない。彼の背負うものがあまりにも大きすぎて、休む暇などなかった。
「大丈夫だ、エファト。俺にはもう少し歩く力が残っている」
その言葉に、エファトは黙って頷き、さらに前へと進んだ。ロイの瞳には、これから待ち受ける運命に対する覚悟が宿っている。
しばらく進んだ後、前方に小さな村が見え始めた。それは、ロイがかつて仲間たちと共に過ごした場所だった。村の風景が見えると、ロイは自然と足を速める。その胸には、再び仲間たちと再会できる喜びとともに、何か不安が広がるのを感じていた。
「まさか、まだあの場所に…」
ロイは口に出さずとも、仲間たちと再び出会うことが不安でもあり、楽しみでもあった。その村には、ロイの知っている顔がいくつもある。だが、それと同時に、何かが変わっているのではないかという予感もあった。
「ロイ」
エファトの声がロイを現実に引き戻す。ロイは足を止め、エファトと視線を交わした。
「ここから先は、もはや君一人の力では解決できない」
エファトの言葉に、ロイは一瞬黙って考え込む。確かに、今までの戦いで感じたことだ。力だけでは、この世界の呪いを消し去ることはできない。仲間と共に、これからの戦いに挑む必要がある。
「俺はまだ――」
ロイが言葉を続けようとしたその時、村の広場から大きな叫び声が響いた。
「ロイ!!」
その声に、ロイの心が跳ね上がる。見覚えのある、仲間の声だ。それを聞いたロイは、一気に駆け出した。エファトもその後を追う。
広場に到着すると、そこには懐かしい仲間たちの姿があった。リリィ、オルガ、そしてカイル――。ロイの心は高鳴り、彼の顔に笑みが広がった。
「お前、無事だったのか?」
ロイがリリィに駆け寄ると、彼女は涙をこらえながら言った。
「もちろんよ、ロイ。お前が無事に帰ってきてくれて、本当に嬉しい」
ロイはその言葉に心から安心する。仲間たちは何も変わらず、いつも通りの笑顔を見せてくれていた。だが、同時にその笑顔には、長い戦いの中で培われた絆と覚悟が見て取れた。
「やっと会えたな、ロイ」
カイルも力強く言って、ロイに向かって歩み寄った。その手を取ったロイは、少しだけ力を込めて握り返す。
「カイル、お前も元気そうで何よりだ」
オルガは少し照れくさそうに微笑みながら言った。
「お前の帰りを待ってたんだ。どれだけ長かったことか」
ロイは仲間たちと再会した喜びを噛みしめながら、その後ろに控えているエファトの方を一度見た。エファトは何も言わず、ただロイを見守るように立っていた。
「ロイ、どうする? これからの戦いは、またお前が中心になるのか?」
リリィの質問に、ロイは一度目を閉じて、深呼吸をした。自分が何をすべきか、何をどう切り開くべきか。それがわからないわけではない。しかし、全てを一人で背負うわけにはいかないことを、今はっきりと感じていた。
「俺一人ではダメだ。仲間たちの力を借りないと、俺は前に進めない。だから、頼む。みんなで一緒に戦おう」
その言葉に、仲間たちは何も言わずに頷いた。彼らの目には、確固たる決意が宿っている。
「私たちも全力で戦うわ。ロイ、あなたのために」
リリィが微笑みながら言うと、オルガも同じように頷いた。
「俺も全力で支える。君がいなければ、俺たちもここまで来れなかったからな」
カイルも言葉を添え、ロイの肩に手を置く。
その瞬間、ロイは確信する。自分がこれから進むべき道には、仲間たちがいる。彼の力は、もう一人で戦うためではなく、仲間たちと共に戦うために存在するのだ。
「ありがとう、みんな。俺たちなら、きっと勝てる。絶対に、勝とう」
ロイは力強く言い、再び前を見据えた。その先には、まだ見ぬ強大な敵が待っている。しかし、仲間たちと共に力を合わせれば、きっと乗り越えられる。ロイはその覚悟を胸に、次の戦いに臨むことを決意する。




