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呪装の崩壊と新たな力

ロイが呪装の真髄をつかみ、黒月の呪いを消し去るために全力で力を解き放ったその瞬間、彼の周囲の空気が一変した。


呪装が引き寄せたのは、無数の呪いの粒子。目に見えないほど微細なその力が、まるで彼の体内から外へと放たれていくように感じられる。

ロイの体は、呪装の力を完全に制御できるようになったわけではない。だが、以前とは全く違う感覚が彼の内面に広がっていた。呪いを、ただの破壊力として使うのではなく、世界との「繋がり」として感じ取ることができた。


「これなら、全てを止められる」


ロイはそう心の中で呟き、解き放った呪いの力が次第に集中し、形成されていく感覚を掴んでいった。その力は、まるで自分の一部であるかのように、ロイの意識と一体化していった。

しかし――その力が外に向かうとき、まだ見ぬ強敵が待ち構えていることを感じ取った。


「ロイ!気をつけろ!」


エファトの声が響いたその瞬間、黒月から放たれる力が一気に膨れ上がり、周囲の大地を震わせた。まるで世界そのものが呪いの力に飲み込まれようとしているかのようだ。


「これは……!?」


ロイの視界が揺れる。呪装の力を使いこなすことで、力そのものは増大した。しかし、それに伴い、黒月の呪いの力も増していく。

その力が、ロイを試すかのように迫ってきた。


黒月から放たれた呪いは、今までの何倍も強大で、ロイの体内にすら触れようとしている。ロイはその力に耐えるため、呪装をさらに強化し、全身を駆け巡る呪いの力を制御しようと試みた。しかし――その力は暴走し始めていた。


「やっぱり、まだ足りないのか……」


ロイは必死でその力を抑え込もうとする。しかし、呪装の力を使いこなすには、まだ経験と意識の深化が足りなかった。それが今、目の前の黒月の呪いと正面からぶつかる形になっていた。


「ロイ!」


エファトが叫ぶ。その声に、ロイは必死で自分を取り戻す。彼の内なる呪装が暴走しそうになるたび、エファトの声がロイを冷静にさせる。


「お前は、呪装を理解した。今、その力を完全に解き放つことができる。だが、暴走するわけにはいかない。呪いを乗り越えろ」


ロイは、エファトの言葉を胸に、再び集中する。その力が暴走しようとするたび、彼は自分の「源」に手を伸ばす。

呪装が生み出す力、そしてその力が持つ「意味」を、ロイは完全に理解する。呪いそのものを、力として使うのではなく、世界と調和させることができるのだ。


そして――


ロイの体が、まるで光を放つかのように輝き始めた。その力が制御され、呪装の力が暴走することなく、黒月の呪いと衝突する。


「これで――」


ロイは呪装を完全に解き放ち、黒月の呪いの力と対峙する。まるで時間が止まったかのように、ロイの周囲の空間が歪んでいく。その歪みの中で、彼の体から放たれた呪装の力が、黒月の呪いを一つ一つ浄化していく。


だが、それと同時に、黒月の呪いがさらに強く、そして膨れ上がっていくのを感じ取るロイ。黒月の力は決して簡単に消え去るものではない。呪装の力を使いこなしたとしても、その呪いを完全に消し去るには、さらに多くの力が必要だ。


「どうすれば……」


ロイの中に、再び不安が芽生える。しかし、その不安を払拭するように、エファトが静かに言った。


「お前が思うより、呪いそのものには意味がある。お前がその力を解き放つことで、世界の呪いを解放することができるんだ。だが、そのためには、自分を信じて戦い続けろ」


ロイはその言葉を胸に、再び力を集中させる。そして、呪装の力を自分の意志で完全にコントロールした。


「行くぞ!」


ロイは全身に呪装の力を纏い、黒月の呪いに立ち向かう。全ての呪いを解き放ち、世界を呪いから解放するために――

その力は、もはやロイのものとなり、呪装は彼を新たな領域へと導く。

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