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神代兵カースバニッシャー

《試練の殿》。神託の塔、第二層。

そこに現れたのは、かつて神が“呪いを否定するため”に造り上げた異形の兵――


【神代兵カースバニッシャー】


その存在自体が「呪いを否定する構造」を持ち、呪いに適応した者ほど効率よく殺すための兵器。


まさに、ロイにとって“最悪”の天敵だった。


「……俺のスキル『呪装適応カースリンク』に、ここまで反応してくるとはな」

ロイは呟きながら、背負っていた大剣を引き抜く。


赤黒く爛れた刃、触れるだけで精神を侵す呪いの塊――

【重呪剣ダマスク】。彼が最も頼る呪い装備のひとつ。


『認識完了。対象、呪い適応者。危険度:神域指定。抹消を優先』

カースバニッシャーは、機械的な声でそう告げると、両腕を横に広げた。


その双剣から放たれたのは、“空間ごと呪いを刈り取る”聖なる波動。


「……来いよ。呪いにすがった化け物が、どこまで抗えるか見せてやる」


ロイは剣を構え、真っ向からその波動に飛び込んだ。



ガッ――――ン!!!


刃と刃が交差した瞬間、空間がひび割れる。


カースバニッシャーの双剣は、接触しただけで呪いの効果を削り取っていく。


ロイの装備には常時発動しているデバフが山のようにある。

だが今、それが一つ、また一つと“無効化”されていった。


(こいつ……! 装備の能力を逆転していた分、今は“祝福として扱われて”剥がされてる……!)


ロイの「呪装適応」は、“呪い”を“有益なバフ”として扱えるチートスキルだ。

だが、それは“呪いとして認識される”ことが前提。


カースバニッシャーの聖なる干渉は、その“呪いの構造”そのものを無効化してくる。


(なるほど、これが神の造った呪い殺し……)


汗が流れる。

久々の“スキルが通じない相手”。


「だがな……」


ロイはニヤリと笑った。


「俺が呪いに“適応”したのは、スキルだけの話じゃねぇんだよ」


その瞬間、彼の体が赤黒い光に包まれる。


解放するは――呪装連結・中枢解放カースリンク・コアブレイク


ロイの体内に埋め込まれた“呪い装備のコア”が解放され、身体能力と反応速度が爆発的に上がる。


「理屈が通じねぇ敵ほど、殴りがいがある……!」


ロイの剣が閃く。

速度が、密度が、重さが、段違いだった。


(たとえ無効化されても、上から叩き潰せばいい)


理屈を覆す力こそ、呪いが“突き抜けた”証。


ギィィィィン!!!


斬撃と双剣がぶつかり合い、衝撃で周囲の大理石が砕ける。


『干渉強度、上昇。呪い耐性、急激に上昇……解析不能……』


「当たり前だ。俺は“呪いそのもの”を力に変えてるんだ」


カースバニッシャーは後退する。

反応速度と斬撃密度の差に、徐々に押され始めていた。



その様子を、神託の塔の最上階から“ヴィゼル”が見下ろしていた。


「……やはり、興味深いな。ロイ・ヴァレス」


浮遊玉座の上、彼は指を顎に添えて笑う。


「本来、呪いなど“選ばれなかった者”に落ちるゴミのはず。

だが君はそれを反転させた……いや、“肯定”した」


ヴィゼルは立ち上がり、手を翳す。


彼の背後に浮かぶのは、七つの“神聖装具”――祝福の頂点に位置する神器たち。


「このままでは済まない。塔を登る者として、君には《正規の審判》を受けてもらおう」


――“祝福騎士団・七翼”を動かせ。


彼がそう命じた瞬間、王都全域に緊急の“聖告”が鳴り響いた。


《告:神託の塔に侵入した異端者あり。至急、対応せよ。対象:カースリンク所持者、ロイ・ヴァレス》



一方その頃――


ロイは、戦闘の末にカースバニッシャーを“破壊”することに成功していた。


装備はボロボロ。呪い装備の効果も一部剥がされたままだが、勝利は勝利だ。


「……ふぅ。神造兵器も、ぶん殴れば倒せるんだな」


だが休む暇はない。

塔はすでに彼を“異端者”と認定し、全階層で警戒を強めている。


その中でも特に危険なのが――祝福騎士団の精鋭部隊《七翼》。


“聖騎士団最強の七人”。

そして、ロイの宿命とも言える相手たちだった。


(ついに来るか、“祝福の本体”が)


呪いを力に変えた者 vs 祝福に選ばれたエリート。


ここから先は、真っ正面から“祝福の正義”を叩き潰す戦いだ。


ロイは立ち上がり、再び塔の上層を見据えた。


(行くぜ、祝福王子。お前の作った“天国”を、呪いで焼き尽くしてやる)


第三章、本格反撃編へ突入――!

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