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第二章最終話_終焉と継承

戦いは終わった。


神印騎士団の最強・ルドヴィクが倒れ、

呪い装備を極めた青年――ロイ・フレイが、勝利を掴んだ。


だがその勝利の代償は、あまりにも大きかった。



「ロイ、しっかりして……!」


仲間たちの声が遠くなる。


【呪装・奈落ヘルリンク】――

それは“命を削る呪いの最終段階”だった。


体の奥底で、何かが壊れる音がした。

骨ではない。肉でもない。

もっと根源的な、“生きるというシステム”そのものだ。


「はは……こりゃ、限界か……」


気を失いそうになる意識の中で、ふと浮かぶのは、かつての自分だった。



「祝福を受けた者だけが英雄になれる?

ふざけんなよ……!」


あの頃のロイは、誰からも相手にされず、

呪いしか得られず、

ただ“劣等”と見下され続けていた。


「……だから、俺は這い上がってきた」


その姿を、ようやく“誰か”が見てくれるようになった。


仲間たち。

同じ呪われた装備を受け入れ、彼に希望を見出した者たち。

そして、目の前の光景――“聖騎士団の瓦解”。


世界は、変わり始めている。



ルドヴィクは拘束され、治療班に引き渡された。

だが、彼の意識は未だ戻らない。


「聖騎士の象徴が敗れた……これから、どうなる?」


「混乱するだろうな。でも……」

ロイは、立ち上がった。


満身創痍のはずなのに、その瞳は燃えている。


「ここからだ。俺たちが、世界に“選ばれなかった者たち”の誇りを見せるのは」



その夜、ロイはかつて使っていた古い剣を手に取り、山のふもとへ降りた。


そこに、一人の旅剣士が立っていた。


「来ると思ったよ」


「……エファト」

ロイが、わずかに笑う。


「お前が“選ばれた側”なら、今ごろ俺を見下してただろうな」


「違うよ」

エファトは、肩に担いでいた鉄剣――**不老剣インフィニットソード**を地面に突き立てた。


「おれは“選ばれなかった側”の先輩さ。

何千年かけて、それを“実力”でひっくり返してきた」


ロイは、黙って剣を見つめる。


「ロイ、お前の“呪装適応”は、祝福を否定する力じゃない。

それは、“誰にだって可能性がある”って証明だ」


「……ああ」


「だから――お前が次に壊すのは、“世界のルール”だ」


エファトはそう言い残し、背を向けて去っていった。

その背中は、あまりにも遠く、そして、信頼に満ちていた。



夜が明ける。


ロイは山の上から、まだ眠る街を見下ろし、

その中心に立つ“王都”を見据える。


「あとは……てめぇら王族どもだな」


呪いが、静かに揺れる。


第二章、ここに終幕――

だが、ロイの戦いは、まだ終わらない。

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