虚神殿Ω:祝福と呪いの終端
――《大呪核》最終断章:神域構造体《虚神殿Ω》。
白く無機質な空間。その中心に、巨大な歯車が浮かぶ。
『祝福は秩序。呪いは逸脱。
お前の存在は、この世界にとって“バグ”である』
神を名乗る人工機構《Ω》。
その周囲には、かつて祝福を授けられた英雄たちの“複製体”が出現する。
「……こいつらは、まさか」
ロイは顔をしかめた。
見覚えのある姿──聖騎士団、歴代の王、そして《七祝星》と呼ばれた英雄たち。
『祝福の正統継承者たちの情報記録を元に構成された“祝福演算体”だ』
『呪装適応者よ。祝福の正義と力の意義、その全てを知ったうえで──
それでも、神に刃を向けるか』
「ああ、向けるさ」
ロイはゆっくりと呪装を展開する。
黒銀に煌く“混成の装甲”。その身を包むのは、祝福と呪いの両極を内包した力。
《融合呪装:黒銀律式(シルヴァ=カース)》
《適応形態:終極限界(Ω-Over)》
《効果:祝福・呪いの強制反転適応/神性干渉可能化》
「俺は“選ばれなかった側”の意志そのものだ。
お前が見捨てた者たちの力で──お前を倒す!」
◆決戦開幕:呪装 vs 祝福演算体
ロイ vs 七体の祝福演算体。
第一体:不死の祝福 → 呪装効果で“蘇生制限”をかけ撃破。
第二体:光速の祝福 → デバフ反射により自身の速度で自壊。
第三〜第五体:同時召喚 → 群魂適応スキルで過去の適応者の戦術を借りて粉砕。
第六体:聖騎士団長“ラザリア”の複製 → リリィの中に残る記憶で戦術を先読みし撃破。
第七体:かつての“ロイの父”の姿を模した演算体
精神攻撃型。だが、ロイは叫ぶ。
「そんな偽物で、俺の決意は揺るがねぇよ!」
渾身の一撃で粉砕する。
◆Ω、本体起動──そして真実
『演算体、全損失確認。
本体制御へ移行。
第零律式《祝福の起源》、展開』
Ωの本体が歪んで変形する。
まるで“神像”のような形を取りつつ、その中央に──一人の少女の影があった。
「……これは……?」
リリィが震える。
「この子……私と同じ顔……?」
『この個体は《祝福の原初母体》。
祝福体系を構築するため、“選ばれし意志”を元に人工生成された存在。
よって、祝福を受ける者は皆、彼女の意志を通して選ばれる。』
「つまり、祝福は……“神の意志”でも“才能”でもなく……
《造られた少女の偏った基準》で決められてたってことか……」
ロイが呟く。
Ωの声が続く。
『お前たち呪装適応者は、祝福の定義から外れた存在。
よって、この世界に必要ない』
「だからって……!」
ロイは拳を構える。
「その基準で“全ての価値”を決めていい理由にはならないだろ!」
「生まれじゃない。血じゃない。神じゃない。
“生きる意志”で、俺たちは戦ってるんだッ!」
◆最終段階へ
Ωの神核が発光し始める。
『最終命令:世界再構築プログラム《Ωリフォーマット》開始』
『呪装適応者の存在を記録ごと消去する』
「させねぇよ!」
ロイは全力で呪装を展開し、リリィがその魂核を重ねる。
《終極適応・最終形態》
《スキル名:零因適応》
《効果:全祝福/全呪いの系統根本干渉。構造破壊権限取得》
神域そのものに干渉できる力――
世界の“法則そのもの”を握る一撃。
「お前が世界を支配するなら、俺はその支配を──拒絶するッ!!」
ロイがΩへと跳躍する。




