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◆ 閑話 ――2000年の祈りを知る時

白い空間。


青年は、どこか居心地の悪そうな顔で立っていた。


「……で?」


目の前に響く、

人でも神でもない“管理者の声”。


『あなたが祝福を受け取れない理由を説明します』


青年

「いや、そんな理由ある?

 俺、普通の日本人だぞ?」


『普通だからです』


青年

「……は?」


『あなた方の魂には、

 約2000年分の“祈り”が染み込んでいます』


青年は、眉をひそめた。


「2000年の祈り……?

 そんな事ができる存在がいるのか?」


『個ではありません』


『“大御心”と呼ばれる、

 継承された祈りの体系です』


青年

「……大御心?」


『民の幸福を願い、

 ただそれだけを繰り返してきた祈り』


青年は、少し黙った。


やがて、ぽつりと呟く。


「……あー……」


『理解しましたか』


青年は、乾いた笑いを漏らした。


「幸せを祈ってもらってたんだな。

 だから……民度、高かったのか」


『はい』


青年

「そりゃ……

 外から正義とか祝福とか、

 押し付けられても入らねぇわな」


『あなた方は、

 守られる前提で生きてきたのではありません』


『祈られる前提で、生きてきた』


青年は、自分の手を見つめる。


「……で、それがなんで

 剣振るのに関係あるんだ?」


『祈りは、集中の極致です』


『願い、雑念を捨て、

 ただ“こうあってほしい”と想う』


『異世界ではそれが

 剣技・身体操作として顕現しています』


青年

「……あー……」


納得したように頷く。


「剣振ってる時、

 なんか“祈ってる時”に似てると思ったんだよ」


『それが《大御心》です』


青年は、肩をすくめた。


「スキル名、仰々しいな」


『自覚させるための名前ではありません』


『世界が、そう認識しているだけです』


青年は、空を見上げて笑った。


「恵まれてんな、俺たち」


そして、静かに言った。


「……でもさ。

 それって“守られてた”んじゃなくて、

 願われてたって事だよな」


『その通りです』

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