表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/203

◆ 第152話 ──塔の静寂、最終祝福体Ω

祝福の塔・外縁。


ロイたちが塔の入口に足を踏み入れた瞬間、

アークが息を呑む。


「……音が……しない……?」


リリィが小さく頷く。


「まるで……塔そのものが“死んで”いるような……」


バルドルが剣を握る。


「騎士団も審問官もいない……?

 何があった……?」


ロイは柱の影を指差した。


「……血痕もない。

 死体もない。

 戦闘の痕跡すらねぇな。」


エファトが床に触れ、目を細める。


「祝福の流れが……全部、奪われてる。」


アーク

「奪われてる……?」


バルドル

「まさか、塔そのものが“何者か”に……?」


ロイが歩を進める。


その先には──

“白い粉末”のような残滓。


リリィ

「これ……人の……形……?」


アークが震える声で言う。


「これ……鎧……?

 もしかして塔の守護騎士……?」


ロイは黙って跪き、残滓を指で払う。


鎧が、あるべき形のまま崩れ落ちて固まったように見える。


バルドルは真っ青になった。


「これは……間違いない。

 祝福塔最強の守護者、

 《白鎧ホワイトメイル》の……ルーガス……!」


皆が息を飲んだ。


アーク

「最強の騎士が……こんな……!」


ロイはゆっくり立ち上がる。


「誰にやられたか……

 もうわかってる。」


その言葉と同時に──


塔の奥から、

白い光が“歩いてくる”音が響いた。


コン……コン……コン……


白銀の青年が姿を現す。


Ω。


全身から祝福が漏れ出し、

世界そのものから掌握されている気配があった。


Ω

「来たか……灰王。」


ロイ

「お前が……ここの皆を喰った張本人か。」


Ωは微笑む。


「喰ったのではない。

 “統合”だ。

 祝福の理に従い、

 不要な個体は処分した。」


アークが叫ぶ。


「ルーガスさんまで……!?」


Ω

「強者だった。

 だが“器”としての容量が足りなかった。」


アーク

「人を“器”って……!」


Ω

「祝福世界において、個体に価値はない。」


ロイは灰剣を肩に乗せた。


「そうか。

 なら……俺がここで、お前を否定する。」


Ωの瞳が鋭く光る。


「呪いの王──灰王ロイ。

 君を討つことで、祝福は完全体となる。」


二人の“視線”がぶつかった瞬間──

塔の空気が震えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ