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◆ 第149話 ──逆張りの力、継承

コアナイト化されていたアークの同期たちが救われた後。


戦場に、静かな余韻が流れていた。


エファトが嬉しそうに拍手する。


「理央くん、本当にありがとう!

 これでコアナイト計画は完全に破綻──」


だがその途中で。


逆刃理央はすでに踵を返していた。


「じゃ、俺帰るわ。」


アーク

「早っ!!?」


リリィ

「せ、戦いはこれからですよ!?」


バルドル

「おい逆張り男!説明くらい……!」


ロイはぽかんとした顔で理央を見る。


「お前……本当に帰るのか?」


理央は振り返らずに言った。


「役目は終わった。

 ここに居続けたら“強すぎる味方”扱いされんだろ?」


ロイ

「あぁ……まぁ……」


理央はニヤリと笑った。


「そういう“正解ムーブ”は嫌いだ。」


エファトは慌てて理央の腕を掴む。


「ちょっと理央くん!

 まだ彼らの世界、混乱してるよ!?」


「だから帰んだよ。

 混乱してる世界に強者が長居すると物語が崩壊すんだよ。

 それが“テンプレ”だろ?」


アーク

「この人、メタ的すぎない……?」


レオン

「世界を救って、即帰宅する英雄……?」


ガブリエラ

「逆張りすぎて理解できません……!」


ロイは肩をすくめる。


「まぁいいんじゃねぇか。

 助けてくれたのは事実だしな。」


理央はぴたりと足を止め、ロイに視線を向けた。


「……おい、灰王。」


ロイ

「ん?」


理央は片手を前に出す。


そこに黒い魔法陣が浮かび上がる。

先ほどレオンの洗脳を破壊したときと同じ“逆張り因果”の波動。


「お前に……少しだけくれてやるよ。」


ロイは目を細めた。


「……力を?」


理央

「“逆張りのことわり”の一部。

 簡単に言えば、“運命の補正をひっくり返す感覚”だ。」


アークが驚く。


「ロイさんに……逆張り!?」


理央はロイの胸を指で突いた。


「お前の剣は“境界を視る”。

 そこにこれを混ぜれば……」


黒い光がロイの身体に吸い込まれる。


「“ことわりを斬る剣”になる。」


ロイ

「……名前がダサい。」


理央

「うるせぇ。逆張りはダサくてなんぼだ。」


ロイ

「まぁ……悪くねぇ力だな。」


理央はニヤっと笑って言った。


「ただし。

 この力は“困ったときだけ発動する”。

 普段は働かねぇ。

 なんでって? 逆張りだから。」


ロイ

「使いづれぇな……!」


バルドル

「いや逆張りにも程があるだろ!!」


リリィ

「ロイさんを困らせたいだけでは……?」


エファトは困った顔をしながらも、どこか誇らしげだ。


「この人は、こういう人なんだよ……」


理央は裂けた次元へと向かう。


「じゃ、俺は別の世界で逆張ってくる。

 ここの“運命の流れ”は……面白くなりそうだしな。」


ロイ

「お前、また来るのか?」


理央

「来ねぇよ。

 “来る”と思われてると来たくなくなるんだよ。」


そのセリフに全員が固まった。


アーク

「めんどくさい……!」


リリィ

「逆張りすぎて、言動が読めません……」


エファトは笑って手を振った。


「ありがとう、理央くん。またね!」


理央

「またはない。」


そう言い残し、

逆張りの男は次元の裂け目へと消えていった。


だがロイの胸には――

確かに新たな感覚が宿っていた。


世界の“理”。

運命の“補正”。

祝福の“テンプレ”。


それらを逆方向にねじ曲げる、不思議な力。


ロイは自分の掌を見つめ、呟いた。


「……ふっ。

 面白ぇじゃねぇか。」


エファトがくすりと笑う。


「さぁ、ロイ。

 逆張りパワーも入ったことだし……」


バルドル

「あとは議会をぶっ倒すだけだ!」


アーク、レオン、仲間たちの目に覚悟の光が宿る。


ロイは灰剣を担ぎ、にやりと笑った。


「行くぞ。

 祝福の塔を……ぶっ壊す。」


灰王連合、

議会中枢へ。

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