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『灰王 vs 黒王』 ◆

夜空が裂けた。

黒月の王と灰王ロイが睨み合う。


世界は息を潜めていた。

風も止まり、空気すら凍る。


黒王の声が低く響く。


「選ばれぬ者よ。

その力、どこまで通用するか見せてみろ。」


ロイは灰の剣を握り直し、

不敵に笑った。


「言われなくてもやってやる。」


ドンッ!


地面が砕け、ロイが瞬間移動したかのように消える。

黒王の背後へ回り込み、一閃。


黒い剣が迎撃する。


ガァァン!!


光と闇が衝突し、衝撃波が大地を引き裂いた。

瓦礫が空へ舞い上がる。


リリィは目を覆いながら叫ぶ。


「ロイッ……!!」



黒王の足元に、闇の根が生える。


「呪いとは、力ではない。

存在そのものを侵す“災い”だ。」


根が無数に伸び、ロイの身体を絡め取ろうとする。


しかしロイは叫ぶ。


「だったらその災いを……俺が使いこなす!」


灰の剣が振り下ろされ、

闇が光に焼かれて弾け飛んだ。


ロイは自身の胸に手を当て、

鼓動を確かめる。


(呪いも、自由も、全部俺の一部だ)


黒王が笑う。


「呪いに愛された者よ……

ならばその身で証明しろ。」


空から黒い隕石が降り注ぐ。

世界規模の破壊。



ロイは一歩も退かずに剣を構え、

ただ一言。


「《カースリンク・オーバードライブ》」


灰の剣が巨大な斬光を放ち、

隕石ごと空を切り裂いた。


星が砕けるような閃光。


黒王が目を細める。


「ほう……ならば次だ。」


漆黒の剣が唸り、

空間を歪める。


ロイの足元が崩れ、

視界が反転する。


――精神の世界。



目の前に浮かぶ光景。

倒れ伏す民衆。

ロイへ手を伸ばすリリィ。


そして、ロイ自身が刀を振り下ろす姿。


黒王が囁く。


「お前は人を救えない。

救うつもりで殺すのだ。

それこそが“呪い”だ。」


ロイの握る剣が震える。


(俺は……間違っているのか……?)


その一瞬を狙い、黒王の刃が迫る。


「終われ、灰王。」



「終わらせて……たまるかよ。」


カンッ!


火花が散る。

ロイの剣が黒王の刃を受け止めた。


「俺は間違ってるかもしれない。

迷ってばっかりだ。

でもな――」


ロイは大声で叫ぶ。


「人間は迷って生きてくんだよ!!

完璧じゃねぇから!

その不完全さが――自由だろ!!」


精神世界がひび割れる。


黒王が瞠目する。


「……その言葉こそ、人の象徴……か。」


ロイは灰の剣を振りかぶり、

精神世界ごと斬り裂いた。



現実に戻る。


黒王の胸元から黒い血が滴る。


「……人間の自由を語るか。

愚かな。」


ロイは肩で息をしながら、剣を掲げた。


「愚かで結構。

そっちの方が、カッコいいじゃねぇか。」


黒王は笑い、王冠を高く掲げる。


「ならば見せよう。

人間が絶望で沈む世界を。」


黒月が爆ぜ、世界中に闇の柱が伸びる。


暗黒の呪いが

全世界へ侵蝕していく。



ロイが息を呑む。


(やべぇ……)


エファトが叫ぶ。


「ロイ!時間がない、決断しろ!!」


ロイは黒王を見据える。


「てめぇを倒す。」


声は震えていない。


リリィが涙ながらに叫ぶ。


「ロイ!!生きて!!

世界を敵に回しても、私は味方だから!!」


ロイは振り返り、不敵に笑った。


「当たり前だ。

お前は俺の女だからな。」


リリィの顔が真っ赤になった。


「~~~~っ!!」



黒王が闇を刃とし、

最後の決戦に備える。


「来い……継承者。」


ロイは灰の剣を肩に乗せ、

前へ踏み出した。


「終わらせてやるよ――

呪いの歴史も。

英雄の歴史も。

神の歴史も。

全部な!」


灰王と黒王。

呪いと自由の戦争。


決着の時は、迫っていた──。

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