表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/203

神を穿つ刃、呪いが導く答え

バルゼリオの主砲が収束する。

それは“世界律”に干渉する次元衝撃、《光律崩壊〈セラフィム・オーバー〉》。


「この一撃で、あなたごと呪いを消し去る……!」


ルミアの叫びとともに、純白の崩壊波がロイに襲いかかる。


だが――


その中心で、ロイは静かに構えを取っていた。


「……リリィ。届いてるぞ、お前の声」


彼の足元に、黒と赤の紋が浮かぶ。


《双適合因子:完全同期》

《禁呪コード:X-001〈咎呪再現レプリカ・コード〉展開》

《発動:最終呪装リンク〈カースリンク・オーバーフェイズ〉》


ロイの身体が変化する。


禍々しい呪装が黒翼のように広がり、

その瞳に映るのは、神をも貫く“呪いの刃”。


彼が放つは、**《神殺し(ゴッドキル)》**の最終形態。


「これが“呪いの力”。否定され、拒絶され、それでも……

俺はここに立ってる。祝福じゃない、信仰でもない。

“生きる意志”だけで――ここまで来た」


ロイが疾走する。

光律崩壊の衝撃波を、“呪い反転”で逆吸収しながら。


《特攻属性:神性+聖女核 付与》

《対象部位:神罰装備 核心神枢コアシード

《命中推定:100%》


ルミアが叫ぶ。


「やめて……っ! 私は……“あなたを殺すため”にここに来たんじゃない!」


その言葉に、ロイの動きが一瞬止まる。


「……何?」


光が爆ぜる前に、ルミアが告げる。


「私は、最初から知っていた。“祝福”なんて幻想だって。

“神”なんていないって。

でも私は、《聖女》としてそれを信じるフリをしなきゃいけなかった」


バルゼリオのコアが軋む。


「あなたの“呪い”こそが、本来の世界の力。

だから私は――あなたに“神罰”を撃たせたの。

王国も、神も、祝福も……全部、あなたに壊してほしかった……!」


ロイの動きが止まる。

ルミアの光装甲がひび割れ、その下から見えたのは――まだ若い少女の、涙に濡れた顔だった。


「……そんな顔で、神なんて名乗ってたのかよ」


ロイは拳を握りしめる。


「なら、俺の呪いで、あんたの祈りを叶えてやる」


ロイが跳ぶ。

空に向かって、すべての呪いを纏い――


《神穿呪解・終ノ式──カースリンク:ゼロ》

《全呪式を自己崩壊変換・祝福律を内側から破壊》

《対象:神罰装備バルゼリオ》

《戦闘結果:神罰システム消失/聖女機能停止》


ドォォンッ!!


世界が、一度だけ“無音”になる。


直後、爆風が廃都の空を飲み込んだ。


時間が経ち、粉塵が晴れる。


中心に、ロイが立っていた。


その腕の中には、意識を失ったルミアの姿。


「……よくやった、お兄ちゃん……」


そこに、リリィの声が届く。

目を覚ました彼女が、黒い結界を展開しながら駆け寄ってくる。


ロイは静かに告げた。


「祝福の象徴は、終わった。

これからは、呪いを“生き抜く力”に変えていく――

そのために、俺は……《聖女》も、守る」


彼の背に、呪装の影が消えていく。


その夜、世界中の“祝福装備”が一時的に機能停止した。


それは、《神》の律が一度破られた証。


そして翌朝。


ロイは黒装束を脱ぎ捨て、目の前の少女――リリィに、静かに言った。


「もう逃げねぇ。俺が“世界”を壊すなら……

そのあと、ちゃんと“作り直す”とこまでやるよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ