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黒月を止めろ

ロイの力が暴走し、周囲の景色がまるで嘘のように崩れていく。ダルクの周囲を取り巻く黒月の力が次々と消し飛び、空間が歪み始める。ロイの手のひらから放たれる黒い波動は、まるで世界を破壊する力のように広がり、彼の周りに漂っていた黒月の魔物たちは次々と消えていった。


「これが、俺の力だ…!」ロイは息を切らしながらも、目の前に立つダルクを睨みつける。彼の中に渦巻く力が、まさに黒月の呪いそのものであることを、ダルクは見逃さなかった。


「貴様の力は、黒月の力の一部でしかない。」ダルクは冷徹な笑みを浮かべながら言った。「だからこそ、黒月の力を解き放つことが、すべての呪いを解消する鍵なのだ。」


ロイはそれを聞いて、ふと立ち止まった。彼の中にある呪いの力は、確かに黒月の力の影響を強く受けていた。だが、同時に自分がそれを制御できることも分かっていた。


「なら、試してみろ。」ロイは顔を歪め、笑みを浮かべながら言った。「だが、俺はお前の計画を阻止する。」


その言葉をきっかけに、ダルクが動き出す。その手から放たれる黒い波動が、ロイに迫るが、ロイはその力を一度も振り払うことなく、逆にその波動を吸収し始めた。


「何をしている!?」ダルクが叫びながら、ロイの動きを見守る。


「俺は…お前のようにはならない。」ロイは低く呟くと、その力を制御するように手を広げた。黒月の力が次々とロイの体内に吸い込まれ、彼の体が光を放ち始める。


その瞬間、周囲に漂う黒月の力がまるで収束するように、ロイの体の中に集まっていった。そして、ロイはその力を完全に引き寄せると、今度はそれを一気に解き放った。


「これで、終わりだ!」ロイの声が響き渡り、黒月の力が爆発的に拡大した。そのエネルギーが、ダルクに向かって放たれる。


ダルクはその攻撃を避けることなく、両手を広げてその力を受け止めようとした。だが、その瞬間、ロイの力がダルクの体を包み込んだ。


「ぐっ…!」ダルクが声を上げると、黒月の力が一気に彼の体を支配し始めた。ダルクはその力に抗おうと必死にもがくが、次第に力を失っていった。


そのとき、エファトが冷静に言った。「ロイ、そのままだと暴走してしまう。力を制御しろ!」


ロイはその言葉に反応し、すぐさま自分の力を収束させようとした。しかし、力の暴走があまりにも強く、収束できる状態には程遠かった。


「くっ…!」ロイは、何とか自分の力を抑え込もうと必死に足掻く。


だが、カイルがその瞬間、ロイに向かって駆け寄った。「ロイ、俺たちも力を貸す!一緒にやろう!」


リリィも弓を構え、決意を固めた。「そうだ、私たちがいる限り、君は一人じゃない!」


その言葉にロイは目を見開き、何とか自分の力を引き寄せることができた。暴走していた力が、少しずつ収束し、やがてその暴風のようなエネルギーは静まった。


ダルクは膝をつき、息を荒げながらもその目を鋭く光らせた。「くっ…、どうしてこうも簡単に力を抑えることができるんだ…。」


ロイは深く息を吐きながら答えた。「俺には仲間がいるからだ。そして、俺が持っている力は、俺のものだ。お前みたいに、他の誰かに支配されるものじゃない。」


その言葉がダルクの心に深く響く。だが、それがダルクの反撃の始まりになるとも知らず、ロイはわずかな安堵を感じていた。


「だが、まだ終わりではない。」ダルクは低く呟き、もう一度力を集め始めた。その目は、決して諦めることを知らない冷徹なものだった。

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