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野々山英傑 出世物語  作者: 斉藤
英傑 出世編
18/29

第19章:思想は火より速く燃える

第19章:思想は火より速く燃える

きっかけ:越境する言葉


王都の野々山式学校に、ある日見慣れない少年が入学する。

出身は隣国ベロセリア連邦。思想・言論・教育が完全に国家管理されている軍事政権国。


その少年が広めたのはこういう話だった。


「ム・センナには、“選べる社会”がある。

王様も、神様も、言ってこない。自分で考えて、動ける」


その言葉は密輸された教科書と共に、ベロセリア国内にじわじわと広がり始めた。

ベロセリア政府の反応


首都・ラステア。

国家元首ギヴォル大統領が、側近に命じる。


「野々山英傑。この男の思想は、“国家否定の火種”だ。

選択と自由は、秩序を破壊する。

“我が国民の思考”を汚染する前に、排除せよ。」


ベロセリアは公式声明を出す。


ム・センナ王国の教育制度は**「思想侵略」である**


野々山英傑は**「隣国干渉罪」**を犯している


ベロセリアの国境管理区に思想防壁軍を設置


密入国者を敵国のスパイとして処刑する法令発表


ム・センナ王国の動揺


王室、教会、市民が揺れる。


「戦争の口実にされたらどうする?」


「野々山が余計なことをしたのでは?」


「うちの子どもが密告されてベロセリアに拘束された!」


市民評議会、王室顧問会、教会穏健派からも圧がかかる。

英傑の決断:防衛線は“戦略”で引く


英傑は作戦本部で言った。


「敵が攻めてくるのは、“軍”じゃない。

言葉に恐れた国家そのものが、砲口を向けてくる。

でも俺は、“思想で広げた世界”を剣で閉じたくない」


英傑が打った“軍事以外の防衛線”

① 情報のシールド


伊佐木が展開:「野々山思想」を攻撃から守るメディア連合構築


世界各国に“思想の無害性と構造実績”をプロモーション


② 市民の防波堤


八雲美空が推進:「思想受信者=暴力の被害者ではなく、反論者」という教育


子どもたちが「対話での返答」を訓練し、思想に自信を持って守れるようになる


③ 経済同盟の布石


古牧紗南が外交官と接触:「野々山式経済」は他国でも効果があると証明


周辺国に**「英傑式インフラ」**を売り込む → ベロセリアが孤立する構図へ


④ “思想亡命者”の保護法制定


ユーセフ主導:ム・センナに逃れてくる者を守る国際法的根拠を創設


国家ではなく“人”を守る法が初めて誕生


ついに国境が動く


ベロセリア軍が国境付近で「思想越境」者を射殺。

これが国際問題化。


王国評議会、緊急宣言を発表:


「これは軍事ではなく、思想による侵略に対する防衛権の行使である。

野々山英傑を“構造防衛責任者”に任命し、

**“武力を使わずに国家を守る権限”**を与える」


英傑、全土に向けて言う


「俺の思想が広がって、誰かが殺されたなら、

それは“俺の責任”だ。

でも、俺はやめない。

誰もが逃げずに生きられる社会を、ここに作ると決めたからだ。

武器じゃない。“選択肢”で、俺は国を守る」

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