第17章:反・英傑同盟
第17章:反・英傑同盟
地点:王都、王宮の非公開議事室
王弟派筆頭・リグラス公爵が、教会保守派大司教、3大商会の代表、軍部旧派の将官と会議している。
「野々山英傑――もはや一冒険者ではない。
彼が作った教育と制度が、“王の命令よりも民の行動を支配している”。
このまま放置すれば、王政そのものが瓦解する。」
「王は黙認している。我々が動かねば、国家が“実行力”のない抜け殻になる」
「提案する。反・英傑同盟を正式に結成する。
表向きは“国家の秩序保全会議”。
実際は、野々山の権限・信頼・資金源・情報網を合法的に削ぎ取る一枚岩の枠組みだ」
全員が静かに頷いた。
目的と構造:反・英傑同盟の4段階作戦
① 信頼の切断
「フェイク事件」で野々山隊に疑惑をかける(汚職、内部不和、暴力行為)
市場での価格操作によって「英傑経済」が物価高騰の原因と見せかける
② 権限の収奪
王令により「自治区の再編」「教育権限の審査化」を進める
英傑の持つ構造運用権を“監督官庁”に取り上げさせる
③ 経済の孤立
野々山式起業制度を「非正規」と定義、通貨信用を凍結
投資家・商会に英傑関係者を“ブラックリスト化”
④ 情報の包囲
英傑の発言・行動を監視し、プロパガンダで“危険思想”に変換
「子どもを洗脳している」との扇動で、教育改革を“犯罪”として扱う
英傑側、迎撃態勢を整える
野々山作戦本部:緊急会議
セニア(戦略絵師):情報の流れが歪み始めたことを即座に把握
伊佐木(情報):王都の紙媒体と報道局に“恣意的なフィルター”がかかり始めたと警告
古牧(経済懐柔):一部商人が資金を引き始めていることを報告
英傑は、机を叩いて言う。
「やる気だな、奴ら。
“構造を動かす者”が、“表に立ったときの怖さ”を理解した。
だが俺は、逃げない。逃げたら終わる。
挑戦し続けることでしか、“国を保つ権利”は得られない」
対抗策:英傑陣営の布陣
セニア&葉:報道と図解で“フェイクを塗りつぶす真実”を大量発信(視覚情報・論理で勝負)
八雲美空:全国の学校で「情報の見方」を特別授業化。子どもたちを“防弾世論”にする
ユーセフ:民間から英傑支持者の連帯組織「草の根評議会」を立ち上げ、合法デモを準備
ソル(教団):宗教内部から「神に背かぬ改革」として教会保守派を揺さぶる
レヴェレント:敵の記録改変・認識操作を先読みして中和処理を開始
最後に英傑が言う
「ここからは“物語”じゃない。
言葉と構造、未来と過去がぶつかり合う。
勝ったほうが、“国”になる。
それだけの話だ」