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野々山英傑 出世物語  作者: 斉藤
英傑 出世編
14/29

第15章:信仰ではなく、選択

第15章:信仰ではなく、選択

回想:中学時代、日本


図書室の窓際。英傑は、分厚い政治学の本を読みながら、ずっとひとりだった。


周りは「変な奴」と距離を取り、担任ですら気味悪がっていた。


でも、彼の中にだけはずっと“確信”があった。


「チャレンジすれば、楽になる。

覚悟を決めれば、選択肢が増える。

でも、逃げれば……全部が敵になる。世界そのものが、こっちを潰しにくる」


それは、じいちゃん――ミニ政党党首だった祖父が、死ぬ間際に語った一言がきっかけだった。


「動け。やってみろ。正論で負けても、やらなかった時よりマシだ」


現在:教会改革の誘い


王都郊外。教会本部の裏庭。

ソル=ディが静かに言う。


「君の構造思想。教育・経済・外交・記録。

あれはすでに**宗教と同じ“世界解釈体系”になっている。

それを“信仰の名でまとめるかどうか”**は、君次第だ」


「……信仰ってのは、世界をひとつの正解で塗りつぶすことだろ」


「いや、信仰とは、“何を信じるか”ではなく“信じるという態度”だ」


英傑は少し黙ってから言った。


「俺は、“正解”なんか作ってねぇよ。

ただ、“挑戦していい構造”を作ろうとしてるだけだ。

逃げないで選べる世界。

チャレンジするやつが、報われる設計図。それが“俺の思想”だ」


ソルの微笑


「それを“信仰”と呼ばないなら、君が名をつけろ。

だが覚えておけ――それにすがる者が増えたとき、君は否応なく“象徴”になる」


英傑は遠くを見た。


「……そのときは、その象徴から“逃げない”。

でも、俺は神にはならない。

選ばれたくて動いてるわけじゃない。

“逃げないやつ”が笑える場所を作るために、俺はやってる」

結論:信仰ではなく、信頼


英傑の思想は、信仰ではない。だが――


「この世界で、“挑戦する”という行為そのものを守りたい。

それを守る仕組みを作る。その設計者が俺だ」


信じろ、ではなく「選べ」


従え、ではなく「参加しろ」


救う、ではなく「踏み出せ」


それが、野々山英傑の“思想”だった。


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