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美し過ぎる夢の中

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782


【カクヨム】

https://kakuyomu.jp/my/works


【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:(仮)美し過ぎる夢の中



▼登場人物

永久木とわき 玲子れいこ:女性。40歳。独身OL(のちに結婚するが離婚)。潔癖症。

●女上司:40代。玲子の会社での上司。一般的なイメージでOKです。

剛田武志ごうだ たけし:男性。40歳。玲子の夫になる。ガサツでワイルド。

湯芽似ゆめに 誘子ゆうこ:女性。30~40代。美人。玲子の理想と本能から生まれた生霊。


▼場所設定

●玲子の自宅:めちゃくちゃ綺麗。初めは都内の高級マンションでその後は武志と一軒家に住む。

●某デザイン企業:玲子達が働いている。女性社員しか居ない。

●カクテルバー:玲子の会社から最寄りのお洒落なカクテルバー。女性客限定の店。

●どこかのアパートの部屋:誘子が用意した少し幻想的な部屋のイメージでお願いします。


▼アイテム

●Wild in Reality:誘子が玲子に勧める特製の錠剤。これを飲むと潔癖が緩和される。その上で現実での恋にも積極的になる(効能期限は約1年)。

●From Wild to Dream:誘子が玲子に勧める特製のカクテル。これを飲むと女性としての魅力を発散させ特定の愛する人の心を射止められる。でもその上で絶望すれば今度は夢の中に引きずり込んだ上でその理想ゆめを叶えてくれる(効能期限は永遠)。


NAは永久木 玲子でよろしくお願い致します。



イントロ〜


あなたは、潔癖症ですか?

ちょっとしたけがれも許さない、そんな性格ですか?

そういう人は結構世間ではいろいろ言われたりしますけど、

でもそういう性格は誰しも少しくらい持ってるのではないでしょうか。

今回は、その潔癖に悩みすぎた

ある女性にまつわる不思議なお話。



メインシナリオ〜


ト書き〈美し過ぎる自宅〉


私の名前は永久木 玲子。

都内の高級マンションに住んでいる独身OL。


今年でもう40歳になるが、私は恋愛もせず、結婚もしない。

こんな私の性格は、極度の潔癖症だったのだ。


玲子「はぁ、また顔にシミができてる。…これどうにかならないかなぁ…」


幾ら潔癖症とは言え、自分の体のメンテナンスまでは

理想通りに行かず、私は日々衰えて行くこの体の汚れに

どうしても我慢できない気持ちがどこかにあった。


確かに衰えていくのは自然の摂理。

人が生きていく上でどうしても避けられない事であり

それが解っていながら、衰えを汚れのように受け取ってしまい、

自分のあり方にすら無理な幻想を追い求める。


玲子「ふぅ…悩んでてもしょうがないか。そろそろ行こ…」


そんなふうにとりあえず自分を落ち着ける毎日で、

生活の為、美容の為にとお金を稼ぎに行く。


ト書き〈女性だけが働く会社〉


私が働いてるのは都内のデザイン企業。

本当は化粧品を扱う会社で働きたかったけど

条件が合わず、とりあえずここで働いている。


でもこの会社の良かった所は社員がみんな女性である事。


そう、私のもう1つの悩みは男性恐怖症。


恐怖というか、男性特有の野蛮な所・ワイルドが過ぎて

汚らしく思える所がどうしても受け入れられず、

通勤するにも必ず公共の乗り物は利用せず、

自家用車か、車が故障した時は仕方なくタクシーで

会社へ行くようにしていた。

車通勤可だったのも、私がこの会社を選んだ理由の1つ。


女上司「永久木さん、今度この案件お願いできるかしら?」


私はその日、1つの大きな仕事を頼まれた。

会社が前から企画していたビジネスプランで、

私はそのプレゼン担当になったのだ。


資料作成の為、私はそれから従来の仕事を半分にして、

あとは全部そのプレゼンの為の仕事に打ち込んだ。


会社が終わってもその日は残業し、

それから家に持ち帰って仕事をしようとしていた私。


玲子「ふぅ!やっと半分終わったわ。あ〜疲れたぁ」


最近仕事が忙しく、ストレスもそれなりに溜まっていたので、

私はその会社帰り、飲みに行く事にした。


もちろんその時でも私が行きつけにしていたのは、

普段から女性客しか来ないお洒落なカクテルバー。

女性客限定のお店がこの会社から近くにあったので、

それも私にとっては万々歳な事だった。


ト書き〈カクテルバー〉


そうして店に入り、カウンターについて1人飲んでいた時。


誘子「こんばんは♪お1人ですか?もしよければご一緒しませんか?」


と1人の女性が声をかけてきた。


見ると結構な美人で、どこかに上品さも漂っている。

私は少しその美しさに見惚れて隣の席をあけ、彼女を迎えた。


彼女の名前は湯芽似 誘子さんと言い、

都内でライフコーチや

スピリチュアルヒーラーのような仕事をしていると言う。


玲子「へぇ〜、ヒーラーさんなんですかぁ」


何となく話が弾み、それから暫く談笑。

でもそうして喋っていた時、不思議な気持ちになってくる。


何か「昔から一緒に居てくれた人?」のような感覚がまず漂い、

この人にならなんでも打ち明けられる…みたいな気持ちにさせられ、

私は心の悩みをすべて彼女に訴えていた。


玲子「私、こう見えて極度の潔癖症なんですよ。男性をどうしても受け入れられず、恋愛や結婚もちょっと諦めてるところがあるんです。それだけじゃなくて、普段の生活でもその潔癖のクセが祟っちゃうのか、ちょっとした汚れさえ許せなくて」


玲子「あはwなんだかすいません、私の事ばかり言っちゃってwでも私の部屋に来たらあなた、きっと驚くと思いますよ♪チリ1つない、メチャクチャ綺麗な部屋に仕上げてますからw」


とにかく自分が潔癖症である事、

普通の人のようになかなか生活できない事、

そんな事をこのとき彼女に延々話していた。


こんな他人にとっちゃどうでも良いような事だが、

彼女は真剣に私の言う事に耳を傾けてくれた。


誘子「そうだったんですね。でもそれって別に不思議な事じゃありませんよ。私も都内でヒーラー教室を開いてますけど、あなたのような悩みを抱えておられる方も結構来られてて、そんな事で相談を受ける事もよくあります」


誘子「もともと女性と言うのは男性に比べて潔癖のが強いものでして、だから不潔な人…特にそんな男性を嫌ったり、一緒に住んでる親にさえ『洗濯物一緒にしないでちょうだい』なんて文句を言ったりもするもんです」


玲子「はぁ…」(何となく聞いてる)


彼女はそうして私を励ますようなアドバイスをくれた後…


誘子「良いでしょう。ここでこうしてお会いできたのも何かのご縁です。私が少し、あなたのお力になって差し上げましょうか?」


そう言って持っていたバッグから瓶入りの錠剤のような物を取り出し、

それを私に勧めてきてこう言った。


誘子「それは『Wild in Reality』と言う特製のお薬で、それを飲み続ければきっと今のあなたのその潔癖症は次第に緩和され、普段、周りで生活している人と同じようにあなたも生活する事ができるでしょう」


誘子「つまり普通に恋愛する事もでき、結婚への夢も開けると言う事です。やはり一般的な女性としての幸せは、愛する人と結ばれ、その人と明るい未来を歩いていく事。そしてその愛する人との間に子供を持ち、暖かな家庭を築きあげる事。あなたも本当は心の中で、それが自分にとっての幸せだ…そう感じているのではないでしょうか?」


やっぱり彼女は不思議な女性。

そんな事これまでに何度も言われてきた事だったが、

他の人に言われると弾くような事でも、

彼女に言われると信じてしまう。


その気にさせられ、確かにその通りだと納得させられ、

私はついその場でその錠剤を手に取り、

それからとりあえず飲み続けてみる事を彼女に約束したのだ。


玲子「ほ、本当にお金払わなくて良いんですか?」


しかも彼女はこう言った仕事をボランティアでしているとの事で、

私はその錠剤を無料ただで貰った。


ト書き〈数日後〉


そしてそれから僅か数日後。

私の生活は本当に変わっていた。


それまで気にしていた事がほとんど気にならなくなり、

男性に対しても普通に接する事ができ、

日常での活動エリアが広がった上、仕事量も増えてくれた。


これまでは私のそんな性格を察してくれて、

会社でもなるべく屋外勤務は避けてくれていた。

でもそれが大丈夫になり、

私はそれから会社を出て仕事をする機会も増え、

会社の外で出会う人も多くなっていった。


ト書き〈出会い〉


そして、そんな形で生活がガラッと変わったからか。

私に新たな出会いが舞い込んできた。


武志「れ、玲子さん、僕と付き合って頂けませんか?」


玲子「え…?」


提携先で働いていた剛田武志さんと言う人から私はある日、

一緒に仕事をしていたその会社帰り、いきなりそんな形で告白されたのだ。


玲子「で、でも、私まだあなたの事よく知らないし…」


もちろんそれまでの生活があったから、

いきなりそう言われても…と理性が反発してしまう。

でも…


武志「知り合うも何も、僕は根っからこういう人間で、他に何の取り柄もありません。ただ正直だけがモットーの男です。僕、前からあなたの事が気になってしまって…気づけばあなたの事を愛してたんです…」


彼にそう言われている内、私の心も何となく和んでしまい、

「この人となら付き合っても良いかも…」

と彼を信頼し、その日から本当に交際がスタートした。


玲子「信じられないわ。私があんな人と付き合うなんて…」


武志さんは見るからに体育会系の人。

体は大きく、日焼けしており、角刈りで顔はゴツゴツ。

でもその体の大きさから力自慢なのが分かり、

一緒に居て何となく安心できてしまう。


その気持ちも正直にあったので、私はその安心に身を寄せてしまい、

きっと彼を心の中で受け入れ、

「将来ずっとその安心の中で過ごしてみたい」

そんな気になってしまっていたんだろう。


ト書き〈カクテルバー〉


それから数日後。

私は又あのカクテルバーへ1人で立ち寄っていた。


店に入ると、また前と同じ席で誘子さんが飲んでおり、

彼女を見つけるや否や私はすぐに彼女の元へ駆け寄って、

この前のお礼と、私の生活が本当に変わった事を彼女に伝え、

そして一緒に喜んで貰おうと思った。


誘子「へぇ、そうだったんですか♪それはおめでとうございます」


彼女も私の喜びを聞いて、

心の底から自分の事のようにして喜んでくれた。


玲子「有難うございます♪ほんと私、これまでなんで自分があんな生活してきたんだろうなんて、彼と付き合うようになってから1人思う事もあるんです。なんか人生だいぶ損してたかなぁ…なんて、少し自分のこれまでのあり方にバカバカしさも覚えちゃったりなんかして」


それからいろんな話をして、将来の夢を語ったり、

自分が変われた事の不思議さを彼女と話し合ったりしていた。


でも彼女はこの時1つだけ、

私に忠告めいたアドバイスをしてくれたのだ。


誘子「こんな時にこんな事を言うのもなんですが、あなたはその彼との幸せを逃さないようにして下さいね?」


玲子「え?」


誘子「実はあのお薬には効能期限がありまして、その時間は約1年。その1年の間に、あなたは新しい生活を手に入れたその経験をバネにして、今度は自力で自分とその愛する人との幸せを掴み、その幸せを維持する為の努力をしなければなりません。その事だけは今後のあなたの生活で、どうか忘れないようにして下さい」


玲子「は、はぁ…」(何となく頷く)


まぁきっと彼女は私と彼との幸せを思い、

明るい将来を自分達で積み上げていく事…

その事の大事さを教えてくれてるんだろうと思った。

私は何となく頷き、ただ彼との幸せだけを思うようにした。


ト書き〈1年後〉


でもそれから1年後。

私と武志さんは周りから祝福されて無事に結婚していたのだが、

一緒に住むようになってから少しして…


玲子「くぅぅ…ダメだわ…!私どうしても我慢できない、なんであの人こんなにガサツなのよ!」


そんなふうに彼との関係を悩むようになっていた。


一緒に住めば当然、その相手の生活のあり方が瞭然に分かってしまう。


彼の性格やその姿にさえ我慢できなくなってしまい、

従来の潔癖症の自分が私を支配するようになったのか。

私はだんだん彼とは別の生活をするようになった。


つまり家庭内別居。


彼も初めの内はこんな私のあり方に我慢してくれ、

自分を反省し、その生活を改めようとしてくれてたみたいだが、

それから又少しすると、

「なんで君はそんなふうなんだ!」

「俺の全てを受け入れて結婚してくれたんじゃないのか!?」

た怒るようになり、私達の関係は益々冷めていった。


玲子「…分かってるけど無理なのよ…」


あのとき誘子さんが言ってくれた事は本当だった。

本当に1年が経って暫くすると、私は別人のように性格が変わり、

あれだけ愛そうとしていた彼の事を嫌うようになっている。


別人と言うか、元あるべき自分の姿に落ち着いたのだ。


玲子「もうこんな自分が嫌になる…」


とは言え、1度でも愛した人の事を簡単に忘れられない。


そのとき私は又ふと誘子さんに会いたくなって、

今のこのどうしようもない窮地を彼女に救って貰いたい…

そう思い、又あのバーへ駆け込んでいた。


ト書き〈カクテルバー〉


店に行くと、また彼女は前と同じ席に座って飲んでいた。

彼女を見つけて私はすぐに駆け寄り…


玲子「誘子さん!お願いです、助けて下さい!」


と今の自分の状況を伝え、

彼との間を取り持って貰えるよう頼み込んでいた。


すると彼女は暫く黙って聞いてくれた上、

また前のようにアドバイスしてくれた後、

私を本当に助けようとしてくれたようだ。


誘子「なかなか生まれ持った性格と言うのは手強いですか?分かりました。それでは何とか致しましょう」


そして彼女は指をパチンと鳴らしカクテルを一杯オーダーし、

それを私に勧めてこう言ってきた。


誘子「それは『From Wild to Dream』と言う特製のカクテルでして、この前差し上げた錠剤と同じような効果を持つ上、今度はその効き目に有効期限などなく、1度飲めばその効能を永遠にあなたの身に宿してくれるでしょう」


誘子「その上で更に女性ホルモンを活性化してくれ、あなたの内から女性特有の魅力を発散させ、あなたの愛する人・武志さんの気持ちを引き戻す事が出来ると思います。ぜひ、信じてお飲み下さい。そうすれば彼は今夜にでもあなたに寄り添い、もう1度その愛を確かめ合おうとしてくると思います」


玲子「え…?」


誘子「良いですか?これがあなたにとって、最後のチャンスだと思って下さい。あなたはそこで彼の愛を受け入れ、彼との幸せをもう1度掴み取るのです。たとえその時どんな状況にあったとしても彼を信じ、その愛を掴み取ろうとすれば、あなたと彼との幸せはその後、続いていく事になるでしょう」


やっぱりここでも彼女は不思議な人だった。


もう終わりかと思っていたその彼との愛だったが、

彼女にそう言われている内に、

「またやり直す事ができるかも」

と自然に思え、私はその場で差し出されたカクテルを手に取り

一気に飲み干していた。


(玲子と武志の自宅)


そして自宅へ戻り、

このとき彼女に言われた事を心に留めて、

改めて武志さんと向き合おうとした。


でも自宅に帰った時、武志さんは誰かと電話していて

私が帰ったのを見るや否やすぐに電話を切り、

何か慌てて私の機嫌を取ろうとしてきた。


でもそのとき私と改めて向き合った武志さんは

少しぼうっとした後、「玲子…今までごめん」と

私の肩を抱き、抱擁してきた。

あとでわかったが、武志さんはこのとき私に見惚れていたのだ。


誘子さんから勧められて飲んだあのカクテルの効果が

おそらくその時に発揮され、武志さんの心を射止めていた。


それから彼はすぐに風呂に入るからとリビングを出て

私はそこに1人残された。


武志さんはいつになく優しい。

おそらく今夜、誘子さんが言ったように

私と武志さんは改めて愛を誓い合う…そんな予感がした。


でもそのとき同時に、さっき彼が慌てて切った電話の相手…

それが気になり、

リビングのテーブルの上に置かれている彼の携帯を手に取り、

着信履歴やメールを確認してみた。


するとさっきの履歴や直近のメールのやり取りは消去されていたが、

ずっとさかのぼってゆくと…


玲子「だ…誰よこれ…」


やっぱり私の見知らぬ女と連絡し合っていたらしい。


それから彼はすぐにお風呂から出てきて

また私の体を抱き、一緒にベッドに横たえ、

私に寄り添う形で愛を確かめ合おうとしてくる。


でもこの時、やっぱり胸に仕舞い込んだその秘密…

彼が浮気してるかもと言うその心だけが私を占領し、

寄り添うのではなく、彼が迫ってくるように思えた。


玲子「い、嫌ぁ!放してぇ!向こう行ってよ!アンタ浮気してるんでしょう!?この不潔!野蛮人!不潔人間!!」


そう言って私は結局、彼を私から引き離し、

「待ってくれ!」と言う彼を背後に置き去りにして

私はその家を出て行き、2度と彼の元には戻らなかった。


ト書き〈オチ〉


そしてその夜は、

とりあえずビジネスホテルにでも泊まろうと歩いていた時。


誘子「こんばんは♪」


と誘子さんがいきなり私の背後から現れた。


玲子「ひぇっ…!ゆ、誘子さん…!?」


全く人通りがなかったのに、いきなり現れた誘子さんに私は驚いた。


でも誘子さんの顔を見るなり私はほろほろ涙がこぼれ、

「私、自分の居場所を無くしちゃった」

「もうこの世の誰も信じられない」

「人の世の中なんて汚い事ばかり」

そんな事をまるでむずかるように訴えていた。


すると誘子さんは…


誘子「確かにあなたの言う通り、普通に生活していれば、あなたが嫌う『汚い事』は幾らでもやってくるかも知れませんね。…では、絶対そんなあなたが悲しまない、永遠の平安が息づく…そんな場所へあなたをお連れしましょうか」


私にそう言って、指をパチンと鳴らした。

その瞬間、私の意識は飛んで一瞬の暗闇を抜け、

私は今、彼女が与えてくれたその永遠の幸せの空間で過ごしている。


ト書き〈どこかのアパートの部屋〉


誘子「フフ、今日も幸せそうな夢を見ているわね。私は玲子の理想と本能から生まれた生霊。彼女の夢を叶える為だけに現れた」


誘子「彼女はもう、この世のあらゆるけがれに対する免疫がかなり乏しくなっていた。潔癖のなせる業…と言えばそれまでかもしれないけれど、持って生まれた性格と言うのはなかなか変えられるものじゃなく、彼女にとってはとても大きな問題・壁だったようね」


誘子「普通に生活する上では、彼女の言うけがれはどうしても避けられない。それならそのけがれそのものを感じない世界に行くしかない。それは夢の中。私が用意したこの部屋で、ずっと安らかに眠ると良いわ。ずっと私がそばに居てあなたのお世話をしてあげるから、あなたは何の心配もせず、自分の理想で埋め尽くしたその世界で過ごしなさい」


少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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