表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/366

1/31『並んで咲いた赤白黄色』

「どしたの? これ」

「ん? キレイだったから」

「えー、わー、ありがとー」

 花瓶どこだっけー、と彼女が納戸を探る。帰宅してすぐに渡した花束を飾るため。

 花貰っても嬉しくないって人がいるっての聞いたことあるけど、彼女は素直に喜んでくれるから贈り甲斐があるというか。

「あったあった」

 テーブルに花束を置いて見つけた花瓶に水を注ぎ、花束のラッピングを解いて花瓶に……活けようとして、入らなくて苦戦してる。しばらく格闘してあきらめて、こちらを見た。

 少し困り顔でこちらを見る彼女が可愛くて、季節になるとつい買ってしまうその花はチューリップ。

「前にもう少し口が大きいやつ、買ってなかったっけ?」

 俺の言葉に彼女が考えて、漫画だったら頭の上に電球が点いてそうなヒラメキ顔になった。

 可愛いなぁって思いながら、再度納戸に上半身を突っ込んで「あった!」なにかを見つけた。

 手に持つそれは、俺がさっき言った“口が大きい花瓶”だ。

「入った」

 とても嬉しそうにこちらを見る彼女を見る俺の顔は、きっとだらしなく緩んでる。

「春って感じ」

「ね。最近あんま、外でも見なくなっちゃったけど」

「確かに。でも可愛いから嬉しい」

 笑顔で花を眺める彼女の隣で、俺も一緒になって眺める。うん、やっぱりこの色で正解。

「赤白黄色で並んでると、なんか子供の絵みたいだね」

 彼女が笑いながら言った。

「ほんとだね。クレヨンで模写してみようかな」

「クレヨンなんてあったっけ」

「ない」

「じゃあ無理じゃん」

 他愛のない会話をしながら、楽しく笑う。やっぱりずっと、一緒にいたいな。

「これからも毎年買ってくるね」

 ほんのり未来をほのめかしたら

「期待してます」

 彼女はふふっと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ