三次元によるメイド服コス。ホノカにはぜんぜん及ばないけど、まあ良いんじゃない?
「それでは、リアルの方の試着もお願いするでござるよ。1人は玉木氏に頼めると嬉しいのでござるが」
「うぇっ!? じ、自分っすか!? そ、そんな、先輩方を差し置いて! 恐れ多いっすよ!! ダメっす、ダメ、ダメっすよ!!」
僕は既に気付いていた。
高虎先輩の人選、その理由に。
「玉木さん。あのね、高虎先輩のメイドリームコス、サイズが違うんだよ。主に胸の。守沢と小早川さんは大きいからどっちかで足りるんだけど、小さいのは玉木さんにしか着れないからさ」
「うわぁー。来間、今のはサイテー。セクハラじゃん。見損なったぞー」
「来間くん。女の子にとって、胸って大事なんだよ。……知らないけど、多分」
何やら非難の的になる僕。
だって、実際問題として、こっちのバストサイズが小さい方は着られないじゃないか、小早川さんはもちろん、守沢だって。
物理的な問題を口に出すのってそんなに悪い事なのかな?
「あ、いいんすよ。全然、そんな、お気遣いなく。自分、おっぱい弱者なんで。もう、ホントに、そーゆうお気遣いとか、逆にアレなんで。おっす」
玉木さんが、出会ってから常にハイテンションだった玉木さんが。
なんかへこんでいる。
誰が悪いのか。僕なのだろうか。どなたか教えて欲しい。
「来間くん。来間くん」
「うん。僕の何が悪かったのかな」
「それは分かんないけど。おっぱい小さくて悩む後輩とか、二次元にしたら萌えるね」
「それに関しては全面的に同意だなぁ」
「美海ちゃぁぁぁん!!!」
「あ、もう、自分はホント、大丈夫なんで。牡丹先輩も、自分に気を遣わないでくださいっす。もう、諦めてるんで。おっす」
すると、高虎先輩が立ち上がった。
きっとこの人なら、なんかいい感じに場を納めてくれる気がする。
「玉木氏。貧乳は恥ずかしいことじゃないでござるよ? レイヤーが巨乳ばっかりだったら、玉木氏も撮影のしがいがないでござろう?」
「まったくもって、同意するしかないなぁ」
「ね。貧乳は希少価値で、ステータスだもん」
「た、確かに! 言われてみれば、そんな気がしてきたっす!!」
「あんたら、何なの? あたしがおかしいみたいじゃん」
という事で、メイドリームの衣装の試着は玉木さんと守沢が担当する事になった。
理由は簡単。
ホノカと小早川さんのスタイルはほぼ一緒。
既に取得済みのデータより、新しいものを優先するのは、レイヤーマスター高虎先輩のスマートな理論において必然だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ね、ね。来間くん。今、いきなりドアを開けたらラッキースケベだよ」
「小早川さん。お願いだから、絶対にやらないでね」
「やるなって言われると、やりたくなるのはなんでなのかな」
『むーむー。そういうのを、カリギュラ効果と呼ぶみたいですよ! むー!!』
ミニスカを翻して、ホノカがためになる情報を教えてくれる。
絶対領域が眩し過ぎる。
「守沢氏ー。そろそろ良いでござるかー?」
「ダメ! まだ、下しか着替えてないから!! あ、開けたら殺すかんね!!」
「来間くん。来間くん」
「小早川さん。カリギュラ効果に負けないで。お願いだから」
それから5分経って、守沢からオッケーが出た。
では、いざ入室。
「おお。これは、なかなか。さすが高虎先輩と言うか、玉木さんが」
「ね。タマちゃん、すごく良いと思う」
「やっ! ヤメてくださいっす! 自分、コスは撮るのが専門なんでぇ! そんな、じっくり見られると、は、恥ずかしいっすぅ!!」
メイドリームはキャラの胸のボリュームが全体的に大きめ。
そんな中、ミラというキャラだけ際立って貧乳。
ミニスカがホットパンツ型になっていたりと、他のメンバーとの差別化が図られている。
玉木さんは、見事にミラを演じていた。
恥ずかしがる仕草も完璧である。
これは三次元にしておくにはもったいない逸材。
「高虎先輩」
「うむ。大晴くん。とりあえず、写真撮ろうでござる!」
「や、やぁー! ヤメてくださぁい! 自分、ホントに初めてなんすよ!?」
『大晴くん。これはなかなか、何というか、いじめたくなっちゃいますね。じゅるり』
「ホノカも悪い子だなぁ! あはは!」
Sっ気ホノカさん、これはこれでアリである。
「ヤメろ! 男ども! 後輩いじめて喜ぶとか、変態じゃん!!」
「あ、守沢氏はだいたい想像通りでござる。うむ。似合う、似合う」
「うん。守沢がメイド服着てるね。良いんじゃない?」
「うわぁーん! 美海ちゃん! 男どもがひどいこと言うー!!」
「うん。牡丹ちゃんもすごく似合ってるのに、来間くんも松雪先輩もひどい」
「やっぱり美海ちゃんが一番優しい! ふん、エロの権化な男どもに用はないし!!」
「ところで、スカートのフリルすごい作り込みですね。わ。裏地までしっかり刺繍してある。これってスカート捲れるのも仕様ってことですか? 牡丹ちゃん、牡丹ちゃん。ちょっとスカート捲ってもらっても良い?」
「よ、良くないよ!? 下、普通にパンツだから!! えっ、ちょっ、ダメだかんね!?」
「平気だよ。牡丹ちゃんのパンツ、きっと可愛いヤツだから。捲ってもいい?」
「美海ちゃぁぁぁん!!!」
小早川さん、カリギュラ効果との熱い戦いを始める。
まさに孤軍奮闘。意味は間違っているけど、何となく状況が伝わる不思議。
高虎先輩がデータを入手する。
ちなみに、その作業はうちの可愛い彼女、ホノカが担当する。
お忘れかもしれないが、ホノカさんのスーパーサーチは、衣服のデータさえあれば服を着たままで様々な情報を数値化できる。
みんながそれぞれになすべき事を遂行しているので、僕は手持ち無沙汰も手伝って、とりあえず冷蔵庫から人数分の麦茶を出す作業に移行することにした。
気付けば部室のマイカップも数が増えたなぁ。
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