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目立つとどうしても悪いヤツが湧いて来る

「さあ、各々方! しっかり休むでござるよ!! 再開は30分後でござる!!」


 僕たちは屋根のある場所へと移動。

 そののち、速やかに休息に入る。


 周りには、同じく休憩中のレイヤーさんたち。


「わー! すごいね、チアーズだ! 衣装完璧!」

「ホントに! あなたたち、大学生?」


「あ、いえ! あたしたち、高校生です! ああ、そっちのデカいのだけ大学生ですけど。こーゆうの初めてなので、浮足立っちゃって。あはは」


 先輩レイヤーさんたちからお声がけ頂く。

 そして、応対するのが守沢。

 さすが、生徒会副会長。コミュスキルにポイントちゃんと振っているとは。


「マジ!? 高校生でこのクオリティはヤバいでしょ! 実はさっきから見てたんだ! チアイエロー、すごく良かったよ!」


 ここで小早川さんの碧い瞳が怪しく光る。

 ああ、今日はカラーコンタクトで茶色い瞳だった。


「あ。分かります? うちのイエローちゃん、今日のために太ももを仕上げて来てて。チアイエローって、チアーズの中でもスカートが短いじゃないですか。この、太ももがチラチラ見えるの、すごくエロいですよね。守沢さんも最初は乗り気じゃなかったんですけど、なんだか見られたら興奮するみたいで、だんだんポーズもノリノリになってきて」


「美海ちゃぁぁぁん!!!」


「あは! チアレッド、超しゃべるじゃん! あなたも可愛い! すごいね!」

「あ、いえ。はい」


 小早川さん、守沢が褒められると嬉しくなって饒舌になるのに、自分が褒められると急に口数が少なくなる。

 助けてあげなよ、チアイエロー。


「あ、えーと。お姉さんたちは何のコスプレなんですか?」


 守沢、なんて失礼な質問するんだ、君は。

 レイヤーに対して「それなんですか?」という質問は、だいたいギルティ。

 いくら小早川さんに対する助け船でも、それはいけない。


「守沢さん。これはポップ・ウィッチのコスだよ。異世界に転移した女子高生がね、魔女に転職して世界を旅するお話で、今は2期まで放送されてるの。こっちのお姉さんが彩音で、こっちがカノン。1期はロングスカートなんだけど、2期になると、ミニスカになるんだ。だから、2期のコスプレだね。ニーハイソックスがエロい」


 今度は小早川さんが起死回生のフォローに成功。

 多分、普通に語りたくなったから口が勝手になパターンだけど。


「うれしー! チアレッドちゃん、詳しいね! やっぱ、2期のコスチュームはさ、サービス多めになってるところに目が行きがちだけど、実は可愛いところも増えてんだよね」


「あ、分かります。コスチュームがフリル多めになってるし、魔法の杖をデコる回、3話ですよね。ラメとか付けて、一気に装備が可愛くなって。あと、魔女の帽子も1期の古風な感じから、ハロウィンを意識したかぼちゃのアクセサリー付いたりして。とってもお似合いです」


 小早川さん、コミュ力が覚醒する。

 相手がオタクだと、順応するまでの時間が短縮されるらしかった。


「すごい、超見てくれてんじゃん! そだそだ、一緒に写真撮ろ! 自撮り棒持ってんだ、ウチら! ほら、イエローちゃんも一緒に!」


「へっ、あ、はい! うぇぇ!? あたしが一番前なんですか!?」


「そりゃそうでしょ! イエローちゃんは太もも出してかないと!」

「そうそう!」


「いや、あたしは! ちょ、ちょっと恥ずいって言うか! やー!!」


 守沢がいじられている。

 これは学校ではまず見られないシチュエーション。

 鬼の副長もレイヤーになればただの女子。


「守沢さん」

「み、美海ちゃん! そうだ、美海ちゃんが先頭に……!!」


「大丈夫。守沢さんの太もも、すごくエロいから。ちょっと汗かいてテカテカし始めてるところとか、もう正直頬ずりしたいレベル。あ、ちょっとアクエリアスで濡らしてもいいかな? もっと良い感じにエロくなると思うんだ」


「美海ちゃぁぁぁん!!!」


 思ったよりも楽しそうで、結構なことである。

 僕は、高虎先輩から受け取ったアクエリアスをゴクゴク頂く。


 だって、僕の衣装だけ明らかに厚着だから。

 僕以外、みんなチアーズなのに、なんで一人だけスーツにマントまで羽織る重装備スタイルなのか。


 水分補給こまめにしないと、最初に死ぬのは多分僕。


『美海さん、楽しそうで良かったですねぇ! 大晴くんのおかげです!』

「それはないと思うな。ほら、ホノカも冷却装置に接続してあげるから、ちょっとお休みしよう」


 親父が作ったスタンド型冷却装置にスマホをドッキング。

 これでホノカも休憩になるのだろうか。


『ほぁぁぁー。ひんやりしますぅー。これは何とも、気持ちいいですねぇー』

「そうなのか! 良かった! 親父もちゃんとしたもの作るんだなぁ」

「大晴くん。親父殿に対してちょいちょい辛辣になるよね。気の毒で仕方ないよ」


 僕たちは、思い思いに休息を取った。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 ホノカの事を小早川さんに頼んで、僕と高虎先輩は仲良く連れションへ。

 あれだけアクエリアス飲んだのだから、催してくるのも致し方なし。


 もちろん、男子トイレに入ると周囲がざわついた。

 僕と高虎先輩は気にしない。


「再開したら、小生はカメラマンに回ろうと思うよ。せっかくの初コスプレなんだから、記録に残した方が良いと思ってね。実はカメラも用意してあるんだ」

「へぇー。さすがですね、先輩。よくそれだけ気配りができるなぁ」


「やっぱり、同じ趣味で盛り上がってくれる姿を見るのは嬉しいからね! 大晴くんだって、一緒にゲームして盛り上がったら嬉しいだろ?」

「む……。それは否定できません」


 カメラマンにジョブチェンジすると言う高虎先輩。

 しばらくしたら、僕が交代して、チアーズの集合写真を撮るのも良いかなと思った。

 これでも、撮影には少し自信があるのだ。


 そして、休憩スペースに戻ると。


「や。あの、困ります」

「ヤメろって言ってんでしょ!!」


「良いだろぉ? そんな格好してんだから、撮られて興奮するんだろぉ?」

「そうだそうだ。嫌ならそんな短いスカートで誘惑してくんなって話だよなぁ」



 なんか、うちの女子たちが面倒くさそうなやからに絡まれていた。



 小早川さん、いつか学校でも美術部の頭おかしい先輩に絡まれてたなぁ。

 魅力にパラメーター振り過ぎなんだよ。


 高虎先輩を見ると、氏は無言で頷いた。

 ああ、騒動の渦中に突っ込んでいくんですね。


 ……仮面、しっかり被っておこう。

「面白かった!」

「続きが気になる!」

「更新されたら次話も読みたい!」

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新参者ですので、皆様の応援がモチベーションでございます!!


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